JABOTABEK RAILNEWS コラム

ジャカルタの電車を中心に、インドネシアの鉄道をご紹介しています。

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 ある日のジャカルタコタ駅、12番線に進入してきたエコノミーRheostat 車8両編成が、前2両ほどホームに進入したところで突如非常制動が作動、停止してしまいました。「人身事故か?」と心配していると、どうも様子が違うようです。職員さんが、後方の制御車間の連結器(4両目と5両目の間)の方へ向かっているからです。同駅で最も長い10番線ホームの端に回って眺めると、連結部に人々が集まり、連結器付近を見つめていました。

 良く見ると、制御車間のブレーキホースが接続部から損傷して外れ、だらりとぶら下がっているではありませんか。「これは復旧まで時間がかかるだろうな。転轍機の上で停止しているし、ダイヤも相当乱れるだろうな。」と覚悟を決めていると、最初にかけつけたと思われる職員さんが、トランシーバーでどこかに連絡、応援を待ちます。

 そしてわずか5分後、別の職員さんがスペアのブレーキホースを持って現れたではありませんか。その後、交換までわずか5分、最初の非常停止から15分後には復旧し、電車は何事もなかったかのように運転再開、前進してホームにすっぽりと収まりました。

 何という早業でしょう。最近の日本の電車の制御車間には、あまりブレーキホースは使われていないようですが、仮に日本で同じ事故が生じたら、復旧にどれくらい時間がかかるでしょうか?インドネシアでこんなに修復が早いのは、日ごろの訓練の賜物か、それとも日常茶飯事のトラブルだから?

 ジャカルタ首都圏の電車故障修理の一コマでした。
 インドネシアでは堅調な経済に支えられて中流層が購買力をつけ、趣味を楽しむ人々が増えています。カメラを手にした鉄道ファンも、そのうちの一つであり、とりわけ10代の若いファンが増えているようです。具体的証拠を挙げろと言われると難しいのですが、例えばインターネットファンサイトの興隆は、その一つと言えるのではないでしょうか。

 さて、そのようなファンサイトの一つで現在、「あなたの好きな冷房電車」という企画が行われています。
ジャカルタ首都圏で運行されている電車のうち冷房車、すなわち日本製中古車両とインドネシア製KRLI 系を対象としたアンケートで、ファンは複数回答することができます。未だ投票総数は少ないのですが、それでもある程度の傾向は掴むことができます。以下に、その中間結果をご紹介します。

(1) 首位は断トツで、旧東急田園都市線8500系
 私は第1位を、「インドネシアの誇り」と称される、現地製のKRLI 系と予想していたのですが、意外なことに8500系でした。今や旧都営地下鉄三田線6000形と並ぶ、日本製中古電車最大勢力となった旧東急8500系 ... ステンレスボディが美しく、冷房の効きが良いことなどが評価されているようです。赤い「JALITA」など、カラーバリエーションに富んでいるのも魅力なのかもしれません。

(2) 第2位は、意外な(?)大健闘、旧東葉高速鉄道1000形
 これは、日本人ファンにとって驚きの結果です。どちらかと言うと、日本では地味な車両でしたから ...。しかし、実際に現地ファンから話を聞くと、納得できる点もあります。それは、カラーリングです。帯に使用されている「茶色がかったオレンジ」はインドネシア人の大好きな色、伝統のバティック(ジャワ更紗)でも、それを見ることができます。

(3) 残念、最下位は旧東京メトロ東西線5000系
 旧東葉高速1000形と基本性能の変わらない5000系の人気がいま一つなのは、少々理解に苦しみます。要するに、ファンが性能ではなく、スタイルやカラーリングで好みの車両を選んでいるということでしょうか。若い鉄道ファンによる投票なのですから、それもまた仕方がないことなのでしょう。

 ちなみに、私のお気に入りを問われるなら、迷わず、「旧東急東横線8000系 8007F」と、お答えします。理由は至って簡単、私の想い出の詰まった車両だからです。10代後半の多感な高校時代の3年間、8007Fは、いつも私とともに走り続けてくれました。そして、「○○年」の時を経て異国の地で運命の再会 ... 8007Fの活躍を見ると、「私も頑張らなきゃ ...」と励まされるのは、言うまでもありません。

 「何だ、お前も車両性能で選ばず、個人的な事情で選んでるじゃないか」と指摘されれば、そのとおりです。開き直るわけではありませんが、鉄道ファンとは、そういう生き物なのです。

 ジャカルタ首都圏の電車運行業務を担当するKCJ (PT Kereta Api Indonesia Commuter JABODETABEK)は、1月7日、地元メディアに対し、2010年に40両、2010 - 2011年合計で120両の日本製中古電車を導入すると発表しました。今回は具体的な導入時期と両数、すなわち、「2010年第1四半期20両、第2四半期20両」が明らかにされている上に、車両製造年、導入のための予算などが示されたことから、確度の高い情報と思われます。なお、車種は公式には発表されていませんが、入札経緯などから見て、東京メトロ7000系と考えられます。

 思えば、2009年2月22日に旧東急8500系8613F 8両が、海路ジャカルタ入りして以来1年弱、次の日本製中古電車導入が決定されるまで、長い道のりでした。同年3月9日に行われた地元鉄道雑誌のインタビューでKCJ社長は、「引き続き東急8000系(実際には8500系?)の導入を計画しており、9月に80両が到着する」と発言していました。ところがその後、同系列の導入計画は頓挫してしまいます。

 報道に東京メトロ7000系の文字が初めて現れたのは、2009年6月初旬の地元鉄道乗客団体「KRLmania」のHP でした。6月5日にKRLmania とKCJ がフォーラムを開催し、席上、KCJ社長から、2009年に東京メトロ7000系80両の導入計画があるが、このうち40両が未だ東京にて稼働中であること、仮に残る40両の導入にとどまる場合でも、他の導入車両候補があることが明らかにされました。しかし、その後正式発表、報道ともに途絶えてしまいます。

 2009年8月27日、KCJはHP上において、「外国製中古電車」50両導入に関わる輸入業者選定のための入札をアナウンスしました。締切日は9月8日とされていました。今度こそと期待を持たせるものでした。ところが、KCJは締切日の9月8日になって、HP上で突然、入札中止を発表しました。理由は「技術的に解決すべき問題が発生したため」とされ、その後、修正入札締め切りは11月12日まで延長されました。しかし、今度は応札企業が規定に達せず、リテンダーがアナウンスされてしまいました。

 こうして、さらに待つこと2カ月、ついに冒頭のメディア発表となりました。本当に長い道のりでした。何はともあれ、今回の発表を、地元一鉄道ファンとして祝福したいとます。週末の朝、ジャカルタ市内から郊外の行楽地ボゴールへ向かう日本製中古電車の車内 ... そこには最近、子どもたちを含む多くの家族連れを見ることができます。冷房の効いた快適な車内では、乗客の皆さんの楽しそうな顔が並んでいます。実際、彼らと話をすると、日本製中古電車の性能、居住性、耐久性に大変満足しており、さらなる導入を待ち望んでいることが良くわかります。

 日本人として、心から誇らしく思える瞬間です。今後の導入と活躍に、期待したいと思います。
 今回はジャカルタ首都圏の話題を離れ、東ジャワ州スラバヤ地区の第8地域事業部管内で就役する、旧JABOTABEK 鉄道の電車「Hyundai」、現電気式気動車(KRDE)「Arek Surokerto」の現況を、お知らせします。

 Hyundai は、主要機器の供給をスイスABB 社および韓国 Hyundai 社から受けて、1992年から1993年にかけて、インドネシアの車両メーカーであるINKA社で組み立てられた、同国初のVVVFインバータ制御車(GTO 使用)です。編成は2M2T の4両で、2編成8両が製造されました。ところが、就役後、間もなく衝突事故に遭遇、その後も故障が相次いだため、2000年以降は運行に就くことなく、やがてKRDEへ改造のため、全車がINKA社へと送られました。

 具体的な改造作業は、一旦電装が解除され、カミンズ社製ディーゼルエンジン(1編成当たり、559kW X 2基)、IGBT-VVVFインバータ制御装置(?)、誘導電動機(?)などが新たに搭載され、同時に車体更新が行われました。5両編成2本が竣工(中間車2両は新造か?)、2009年5月に第1編成、8月に第2編成が、スラバヤ - Mojokerto 間の大都市近郊区間列車「Arek Surokerto」として、それぞれデビューしました。運賃は3,500ルピア、両駅間を60分で結んでいます。8月29日、運輸相を招き Mojokerto 駅にて、Arek Surokerto号の出発式が盛大に行われています。なお、第1編成は当初、白を基調とし、黄、赤、青帯を纏ったカラーリングでデビューしましたが、その後、新たに就役した第2編成のカラーである、緑、青、白の3色に変更、統一されました。

 ところが10月19日、このうちの第2編成(?)が山羊と衝突、エンジンに接続する整流器など3箇所が損傷しました。その結果、同編成は再びINKA社に送られ、修理が行われました。旧Hyundai KRDEは、先輩格の旧Holec KRDEと異なり、エンジンシステムが床下に搭載されているものと思われ、線路上障害物との衝突には弱いものと推測されます。また、もう1 編成についても理由は定かではありませんが、営業運転を行っておらず、スラバヤのSidotopo 機関区に留置されたままとの情報があります。

 明けて2010年1月1日、修理を完了したばかりの第2編成(?)が、営業運転中にブレーキ故障して立ち往生、再び運行休止に追い込まれたとのことです。このように、旧Hyundai KRDEは、その特徴あるシステムとスタイルで華々しくデビューを飾ったものの、困難が続いており、スラバヤ地区の通勤、通学客に影響が拡がっています。一刻も早い復帰を願っています。

 なお、KRDE 「Arek Surokerto」の写真は、WIKIPEDIA インドネシア語版などで見ることができます。
 今回はジャカルタ首都圏の話題を離れ、インドネシアの非電化区間で活躍する主力気動車、MCW301/302系についてご紹介します。

イメージ 1 MCW301系は1976 および1977年に日本車両で計24両製造された、20m 2ドアの気動車群です。一方、MCW302系は、1978、1980および1981年に同じく日本車両で計112両製造された、20m 3ドアの気動車群です。新造時は、共に神鋼造機製290馬力ディーゼルエンジンと変速機を搭載、時速55kmまでトルクコンバータを使用し、それ以上の直結部では変速ギアが用いられる動力伝達方式が採用されていました。その後1995年から1998年の間に、両系列の合計136両のうち、68両に改造が施され、カミンズ社製281馬力エンジンと、フォイト社製液体変速機に交換されました。

イメージ 2 なお、新造時のMCW301および302系を、「KRD Tipe II (II 型気動車)」、改造後のものを、「KRD Tipe III (III 型気動車)」と呼ぶことがあります。2008年現在、Tipe II、Tipe III (*)併せて合計100両前後?が在籍しているもようです。配属機関区は、Bandung、Semarang/poncol、Tegal、Solo、Sidotopo/Surabaya、Bukit Duri (以上ジャワ)、およびMedan(スマトラ)です。

 右上写真は、中部ジャワのインドネシア鉄道第6地域事業部(DAOP VI)管内、Solo機関区に配属され活躍する、MCW302系です。車体側面に描かれている奇怪な人形のようなもの(右写真)は、伝統芸能のひとつ「ワヤン(影絵芝居)」をデザインしたものです。

(*) 「Tipe」は、英語の「Type」のこと

参考文献
Hartono AS, MM 2008 Lokomotif dan kereta rel diesel di Indonesia, edisi 2, PT. Ilalang sekti komunikasi, pp 92-110


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