|
先日、地元紙に、ジャカルタ首都圏の鉄道に関する標題の社説が掲載されました。いつもながらの辛口記事ですが、今回は批判の対象が鉄道会社だけでなく、政府や地方公共団体にも向けられている点で注目されます。以下に、その要約をご紹介いたします。
2008年にジャカルタ首都圏の鉄道会社が冷房付き列車の運行を開始した時(正確にはエコノミーAC電車の運行を指すものと思われる=訳者注)、多くのモータリストが公共交通機関の利用を始めました。より便利で、信頼できると考えたからです。ところが今、多くの鉄道利用者は、そのサービスの悪化を訴えています。冷房装置は機能せず、ダイヤどおりに運転されないからです。これは由々しき事態と言えます。
現在、国営のJABODETABEK鉄道会社は、2種類の冷房電車を運行しています。運賃4,500ルピアのエコノミークラス(エコノミーACのことと思われる=訳者注)と、8,000〜11,000ルピアの急行です。首都圏では一日に約400本の列車が、通常30分間隔で運転されています。とりわけ近年では、中流勤労者による、パークアンドライドの増加が顕著です。彼らは連日の市内大渋滞を避け、電車利用という比較的速く、信頼できる、快適通勤を始めたつもりでした。
サービスの悪化は、鉄道会社の財務状況の悪化が原因と報告されています。すなわち、会社がオペレーションコストを回収できないからです。鉄道会社は幾度と無く運賃値上げを申請してきましたが、その度に政府は大衆の反発を恐れ、これを却下してきたのです。
いかなる理由があろうとも、鉄道会社がサービスを維持できないことは残念です。政府は鉄道会社に干渉した以上、オペレーションコストを補填するため納税者のお金(国家予算)を投入するなど、解決策も示す必要があります。政府は財務上の理由による鉄道会社のサービスの悪化を許しませんでした。これは、世界中の大都市で公共交通機関の運営が政府責任となっていることが影響しています。であるならば、サービス改善には、中央政府、ジャカルタ州政府の、より積極的な関与が求められています。
いかがでしたか。民主主義は選挙を前提としており、そのことを考えると、どうしても政府が「人気取り型」の施策を取らざるを得なくなる・・・いずこの国も同じですね。目新しい内容とは言えませんが、論点を突いていると思いました。
(注)1ルピア:約0.01円
|
運輸
[ リスト | 詳細 ]
|
4月1日付本欄で、同日に予定されていた「幻の改定ダイヤ(再評価のため7月1日まで実施延期)」についてお伝えしました。今回は、年末に計画されている、2011年ダイヤ改定計画の第2弾についてご紹介します。
4月1日に計画されていた改定ダイヤの特徴が、「急行廃止」とするならば、年末に予定されている改定ダイヤの特徴は、「運行系統の整理」にあります。これまで、37系統もあった運行系統を、何と5系統に集約しようというのです。このたびKCJが発表した、その5系統とは、以下のとおりです(現在の路線図は、こちらをご覧ください)。
ルート1: ボゴール‐マンガライ‐タナアバン‐ドゥリ‐ジャカルタコタ‐ジャティネガラ
ルート2: パルンパンジャン‐スルポン‐タナアバン
ルート3: タンゲラン‐ドゥリ
ルート4: タンジュンプリオク‐ジャカルタコタ
ルート5: ブカシ‐ジャティネガラ‐ジャカルタコタ
(いずれも、郊外から都心方向へ記述しています。)
以下に、解説します。
ルート1は、中央線(ボゴール線)郊外部分と環状線(西線+東線)を直通させるものです。「question mark (?)状運転」とでも呼ぶべき運行系統が出現します。日本で言えば、地下鉄大江戸線の光が丘-新宿(新宿西口ではない)間で、折返し運転するようなものでしょう。ジャティネガラからマンガライへと、あと一駅延長できれば、都心部は完全な環状運転になるのですが …。そのためには、現在の線路配置ではジャティネガラでスイッチバックしなければなりません。そこで完全環状運転を断念、この区間はルート5(後述)に譲ることとしたようです。なお、この系統は「ジャカルタコタ」を経由すると記述されていますが、コタへの直接乗り入れはないと思われます。何故なら、カンプンバンダンでスイッチバックの必要があるからです。おそらく、「環状線改良計画」などで報じられている、「ニュー・コタ」経由ではないでしょうか。「ニュー・コタ」とは、アンケ‐カンプンバンダン間の既存の環状線上に設置が計画されている、新駅のこと(建設は将来の話?)を指します。
ルート2および3は、スルポン線とタンゲラン線です。これら線区から環状線(西線)への乗り入れが廃止され、枝線として、完全独立すると思われます。ルート2では現在、ランカスビトゥン、メラックなど郊外から、中距離客車列車も都心へ乗り入れています。これらの列車も、タナアバン止まりになるのかもしれません。
ルート4は、タンジュンプリオク線です。この系統の運行には、休止区間の復活が必要です。すなわち、ジャカルタコタ‐アンチョール間の線路生活者の排除と、軌道、架線、橋梁改良工事です。運転が復活すると、カンプンバンダンが環状線(東線)との接続駅(立体交差)となるため、ルート1から「従来のジャカルタコタ」へは、同駅乗換えで行くことができるようになります。
ルート5は、ブカシ線から環状線(西線)のジャティネガラ - マンガライ間を経由して、中央線へ至るものです。現在の「ブカシ急行」ルートそのものです。また、バンドン、ジョグジャカルタ、スラバヤなどからの長距離優等列車ルートとも一致しています。
以上が、各ルートの概要です。
さて、5ルートへ整理統合する目的、基本思想は何でしょう。それは、運行系統同士が、平面交差しないことにあります。現行ダイヤでは、マンガライおよびジャティネガラ駅で、多くの列車が離合集散しています。構内への進入待ちのため、列車が長時間停車する事態が生じています。「ボトルネック駅」化しているのです。ダイヤ改定後は、この問題はほぼ解消され、列車の遅れは大幅に解消されると思われます。
一方、新たな問題点として、運行系統の分断による、乗換の増加が挙げられます。マンガライ、ジャティネガラ、タナアバン、ドゥリ、そしてカンプンバンダンが乗換駅となります。インドネシアでは、原則として列車を乗り換えるたびに、乗車券の再購入が必要となります。つまり、多くの乗客が、実質的な運賃値上げを余儀なくされるのです。運賃を、完全な距離制にするなどのシステム改善が行われない限り、乗客の理解を得ることは難しいと思われます。特に、これまで本線格であった中央線(ボゴール線)ユーザーからの強い反発が予想されます。何故なら、同線のボゴール - ジャカルタコタ間の列車運行が、マンガライで分割されてしまうからです。同線ユーザーはジャカルタ首都圏電車乗客の60%を占め、最大勢力です。円滑なダイヤ改定実施には、彼らの理解が不可欠となるでしょう。
2011年ダイヤ改定第2弾、次の正式発表を待ちたいと思います。
|
|
ジャカルタ首都圏の急行電車全廃、この衝撃的なダイヤ改定は、実施前日になってドタキャン、辛くも回避されました。今後、計画ダイヤの再評価が行われるため、その施行は7月1日まで延期されるそうです。
そもそも、「急行電車全廃へ」とのニュースが初めてメディアから流されたのは、3月上旬ころのことだったと記憶しています。ところが、いつまで経っても鉄道会社による公式発表は行われず、実施前日になって突然の延期発表 ... 1月8日の「運賃値上げ、当日撤回」を思い起こさせるドタバタぶりです。地元鉄道ファンの間でも、改定延期のニュースが駆け巡ったのは30日午後 … 当局の決定は、ぎりぎりまでもつれたようです。
さて、それでは実施延期となった「幻の4. 1改定ダイヤ」とは、一体どのような内容だったのでしょうか。KCJの公式発表、メディア報道、地元鉄道ファンサイトなどを基に、一部推定を含めて以下にご紹介しましょう。
最も重要なことは、運行会社の分割です。「エコノミー(系)電車」を運行するのは、これまでのKCJからインドネシア鉄道に戻され、一方、「コマーシャル電車」の運行が、引き続きKCJに委ねられます。このように聞くと、非冷房電車がインドネシア鉄道、冷房電車がKCJによる運行と思われるかもしれません。ところが、地元鉄道ファンらによると、実際はもう少し複雑なようです。まず、「エコノミー(系)電車」の定義ですが、これはインドネシア鉄道保有車両を意味します。具体的には、全ての非冷房車、都営6000形、JR103系、東急8000系、8613Fを除く8500系、東京メトロ5000系、東葉高速1000形およびKRL-I系を指します。一方、「コマーシャル電車」はKCJ保有車両を意味し、具体的には東急8500系8613F「JALITA」、東京メトロ05系、6000系および7000系を指します。
次に、列車種別ですが、急行電車が全廃されることにより、全ての列車が「各駅停車」となります。その上で、非冷房車が「エコノミー」、インドネシア鉄道が運行する冷房車が「エコノミーAC」となり、両者を合わせたものが、前述の「エコノミー(系)電車」です。一方、KCJが運行する冷房車が「コマーシャル」となるそうです。冷房車両を用いて運行される各駅停車に、2つの種別(「エコノミーAC」と「コマーシャル」)があることは何とも不思議ですが、両者で運賃も異なるようです(ドタキャン前の最終案で、両者の統一が成っていたか不明)。異なる運賃の場合、ご賢察のとおり、コマーシャルの方が、エコノミーACより高額となるそうです。利用者から見ると、この措置は何とも不便です。強いて日本に例えれば、京王線内を走る電車が、京王電鉄保有車両と都交通局保有車両で運賃が異なるようなものでしょうか。
そして、実際のダイヤですが、地元鉄道ファンサイトに掲載された中央線系統の計画ダイヤでは、エコノミーが1日31往復、エコノミーACが15往復、そしてコマーシャルが56往復となっています。ジャカルタコタ – ボゴール間の所要時間は、これまで急行電車で約55分だったのに対し、全ての列車が各駅停車となることから、全列車でほぼ1時間半となります。なお、日曜、祝日運転の「アンチョール観光急行」も各駅停車化、「アンチョール観光列車」となって、ボゴール – アンチョール – タンジュンプリオク間で運転されることになっています。全線完乗した場合、ジャカルタ首都圏最長となる、2時間以上の長時間乗車となります。
いかがでしたか。何とも摩訶不思議な種別設定、運賃設定、そしてダイヤ設定ですね。実施延期となって良かったと、個人的には思います。これからの3カ月間で、じっくり再評価され、より良いダイヤおよび運賃設定となることを願ってやみません。
最後になりますが ... 2011年のダイヤ改定、実はこれだけに留まりません。第2弾が計画されているのです。次回は、年末に予定されている、再度のダイヤ改定計画について、お話しましょう。お楽しみに。
|
|
地元報道によると、ジャカルタ首都圏では4月から急行電車を廃止、全ての電車を各駅停車とした上で、冷房なしの「エコノミー」と、冷房付きの「エクゼクティヴもしくはコマーシャル」の2クラスに集約するもようです。
急行電車を廃止する理由を関係者は、「各駅からの乗車機会を増やすため」としています。確かに電車が全ての駅に停車することで乗車機会が増加、また平行ダイヤとすることで、輸送力も若干増強されるかもしれません。その一方で、速達性に優れた急行電車が無くなり、代わりに運転される冷房つき各駅停車は、混雑が増す可能性が高いと思われます。
何よりも私が残念なのは、ジャカルタ首都圏を快走する「パクアン急行」などの看板列車が、姿を消してしまうことです。日本で言えば、「京急から快特が消滅するようなもの」ではないでしょうか。パクアン急行は、ジャカルタコタ・ボゴール間54.7kmを50分台で結ぶ俊足、しかもこの間、高度にして242mを駆け上がります。これが廃止されると、同区間の所要時間は約1時間半となり、30分も余計にかかるのです。これまで、ジャカルタ市内からボゴールへ気軽に散歩に出かけていたのが、相当億劫になります。
地元鉄道利用者で作る団体、KRLマニア(JABOTABEK鉄道乗客フォーラム)は、早速ホームページ上でこの話題を取り上げ、利用者の不満を掲載しています。それらは、妊婦などの弱者や通勤客のものが多く、「速達性が失われることへの不満」と「少々高い料金を払っても、相対的に混雑の少ない電車に快適乗車したい」との声であふれています。
ところで、急行電車の廃止はダイヤ改定を意味します。最近の改定は、2006年2月、2007年8月、2008年7月そして2010年3月と、11ヶ月ないし1年8ヶ月のスパンで実施されてきました。仮に改定が実施されると、1年1ヶ月ぶりとなります。ブカシ線、スルポン線では中・長距離列車も同一線路上を運行されていることから、ダイヤ改定が実施されるならば、全国規模のものになると思われます。
鉄道会社の公式発表を、待ちたいと思います。
冒頭写真は、方向幕に「パクアン AC(冷房)、ジャカルタ - ボゴール」を表示する、東急8500系8607編成
|
|
JABOTABEK RAILNEWSでは、「レポートNo.14(2009年11月に掲載)」において、首都ジャカルタと西ジャワ州都バンドン間に振り子式気動車を運行させて時間短縮を図り、高速道路に対抗するというアイデアを記しました。このたび、同様のアイデアを含むいくつかの検討をインドネシアの鉄道専門家、ハルトノ氏が行った結果が、インドネシアの鉄道趣味雑誌に掲載されました。興味深い内容でしたので、始めに私から背景を記した後、記事概要をご紹介いたします。なお、記事については、記述上の単純な誤りについて一部修正したのみであることを、あらかじめお断りしておきます。
1.ジャカルタ・バンドン間の鉄道概要 インドネシアの首都ジャカルタから西ジャワ州都バンドンへは、東西2つの鉄道ルートが開設されています。このうち、不通区間無く列車が運転されている東回りルートは、ジャカルタ市内から、ブカシ、チカンペック、プルワカルタ、パダララン を経るもので、1906年に全通しました。急峻な山岳ルートを含む全長168km(ガンビール・バンドン間)の路線です。
ジャワ島の2大都市を結ぶこの路線には、1971年にパラヒャンガン号と名付けられた急行列車が運転を開始、大成功を収めました。この成功に意を強くしたインドネシア鉄道は、1995年、さらなるサービス向上を意図して、全車両がエグゼクティヴクラスからなる豪華列車、アルゴ・グデ号をデビューさせました。優等列車が次々と行き来する、鉄道全盛時代でした。
ところが2005年、ジャカルタ - バンドン間に高速道路が完成すると様相は一変しました。鉄道旅客は激減 ... そのためパラヒャンガン号、アルゴ・グデ号とも運転本数と客車両数を減らし、それでも客離れに歯止めがかからないため両列車をアルゴ・パラヒャンガン号として統一、何とか命をつないできました。しかも、悪いことは重なるもので、線路の傷みが激しく高速運転ができなくなったため、両都市間の運転時間は現在、3時間4分となっています。なお、現在の列車は、いずれもディーゼル機関車牽引の客車列車であり、加速性能に劣っています。また、終着駅で折り返す際は、機関車の機回しが必要など、オペレーション上の問題も抱えています。
(以下、雑誌掲載記事概要)
2.名古屋・高山間のキハ85系大出力気動車
インドネシアと同じ1067mmの狭軌鉄道が山岳地帯に数多く敷設されている国があります。それは日本です。中でもジャカルタ・バンドンと良く似た状況にあるのが、名古屋・高山間(東海道・高山本線)です。全長162km、このうち平坦区間が96km、山岳区間が66kmです。山岳区間の最急勾配は25パーミル、最小曲線半径は250mです。対するジャカルタ・バンドン間は全長168km、このうち平坦区間が96km、山岳区間が72kmです。名古屋・高山間では、名古屋から岐阜間までが複線、岐阜以遠が単線です。このように、単・複線が混在することも、ジャカルタ・バンドン間との共通点と言えます。
名古屋・高山間で運転されているのが、キハ85系気動車列車です。7両編成で冷房、回転式リクライニングシートつきの快適な車両です。1編成は4両および3両に分割され、需要により柔軟に対応できます。座席数は、先頭車1両につき60、中間車は64です。
キハ85系気動車の運転速度は、平坦地で最高時速120km、山岳区間の25パーミル勾配で同じく75km/hです。動力はカミンズ社製350馬力NTA-855-R1ディーゼルエンジンを1両につき2基搭載、これと液体変速機を組み合わせて用いています。7両編成の合計出力は、350 x 2 x 7 = 4900馬力、これは、インドネシアのCC203形ディーゼル機関車2両分を上回っています。キハ85系による、名古屋・高山間162kmの所要時間は、1時間55分、対する客車列車、アルゴ・パラヒャンガン号による、ジャカルタ・バンドン間168kmの所要時間は、3時間4分となっています。
3.Nurenbergh・Bayreuth間の振り子式気動車「ペンドリノ」
ドイツは、ヨーロッパの中でも電気鉄道(軌間1435mm)が発達した国ですが、非電化区間も存在しています。例えば、Nurenbergh・Bayreuthは、その代表です。この区間には、振り子式気動車、VT-610形が運転されています。この列車は、ペンドリノの名で知られており、基本2両1編成です。乗客需要により、増結して運転されています。車両は、電気式気動車で、1両につき650馬力のディーゼルエンジンを搭載、オルタネータで発生した電力を、整流器、インバーターを介して、3相誘導電動機に送り、これが動力となっています。
NurenberghからBayreuthへ向かう場合、当初は4両1編成(2+2)で出発、途中Pegnizで分割し、2両1編成が、Bayreuth行、残り2両1編成がHoft行となります。逆方向へは、Pegnizで2つの編成が連結され、併結運転となります。同区間には、平坦区間と山岳区間が混在し、最急勾配25パーミル、最小曲線半径は600mです。なお、Nurenbergh・Bayreuth間の所要時間は56分です(距離に関する記述無し=訳者注)。
4.北海道の281系振り子式気動車
日本にも、いくつかの振り子式気動車があります。このうち北海道の札幌・岩見沢間(原文のまま=訳者注)で運転されているのが、281系です。1編成7両で、冷房、回転式リクライニングシートつき、平坦区間の最高時速130km/h、25パーミル勾配かつ250m曲線半径の条件でも最高時速70kmで走行することが出来ます。1両につきカミンズ社製350馬力ディーゼルエンジンを2基搭載、液体変速機を使用しています。
5.ジャカルタ・バンドン間に気動車を導入したら?
ジャカルタ・バンドン間に、現行どおりディーゼル機関車牽引客車列車を運転していたのでは、高速道路に対する競争力はありません。日本あるいはドイツにおける山岳地帯の鉄道と同様、振り子式気動車を導入するか、大出力気動車を導入して速度向上を図る必要があります。下表のとおり、大出力気動車、あるいは振り子式気動車導入により、ジャカルタ・バンドン間の所要時間は現在の3時間4分から2時間8分ないし1時間54分まで短縮できると考えられます。上記の所要時間を達成するには、山岳区間であるプルワカルタ・パダララン間の最急勾配が16パーミルであることから、280馬力ディーゼルエンジンを1両当たり2基搭載した気動車を開発すれば良いと考えられます。
もちろん、軌道改良などの付帯工事は不可欠です。既に線路容量が限界に近い、ジャティネガラ・チカンペック間の問題も解決しなければならず、投資額は少なくはありませんが…。
表: ジャカルタ・バンドン間の所要時間比較
V: 平均速度、T: 所要時間、ジャティネガラ、ブカシ、チマヒ停車時間を含む
(雑誌記事概要、終了)
いかがでしたか?ジャカルタ・バンドン間が、鉄道で2時間で結ばれれば、高速道路に対して十分な競争力があり、まして一旦道路渋滞が発生すれば、所要時間ではかなり有利に立てると思います。ただ、相当な投資額が必要なようです。利用者から見れば、ジャカルタ市内、バンドン市内のアクセスにも工夫がいると思われます。ジャカルタの大規模ショッピングモールなどでは、バンドンと直接結ぶマイクロバスが運行されており、非常に便利だからです。
とは言え、JABOTABEKレポートNo.14にも記したとおり、この2大都市間の移動には、私なら迷わず列車を選びます。道路に比べて絶景が多く続き、かつ車内では食堂車で調理した出来たての食事をいただけるからです。これからも、鉄道には頑張ってもらいたいと思います。
|






