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先日、ジャカルタ首都圏の鉄道乗客で作る、JABOTABEK 鉄道乗客フォーラム「KRLマニア」幹部の方々とお会いする機会があり、彼らが首都圏に導入近づく電子乗車券「コメット」に対し大きな危機感を抱き、積極的に行動していることがわかりました。今回は、この問題を通して、KRLマニアの活動についてご紹介したいと思います。
KRLマニアは首都圏の電車好き、約4,000人が参加する団体です。名前から想像されるメンバー像は、鉄道オタクですが、実は団体の主たる目的は首都圏の鉄道をより良い乗り物とするための社会的な活動です。メンバーはインターネットや各種イベントを通じて積極的に意見表明し、活動を続けています。政府、インドネシア鉄道、KCJ も彼らの活動には一目置いており、最近では運輸大臣がKRLマニアの代表と面会、首都圏鉄道サービス改善のためのアドバイスを求めたほか、KCJ もKRLマニアと頻繁にフォーラムを開催して意見交換しています。 さて、冒頭に記したコメットですが、最新情報では導入は6月ないし7月、急行電車から使用開始となりそうです。現在そのシステムについて最終的な詰めが行われているものの、乗客にとって問題の多いシステムであると、彼らは危機感を強めています。どういうことかと言うと、将来的に乗車券がコメットに統一されると、乗客は25,000ルピアのデポジットを支払った上でコメットを所持する必要があり、その金額が大きいこと、一人一枚所持となると、家族4人では10万ルピアもの出費が必要なことです。 私はKRLマニアの方々から、参考のためとして、日本の首都圏で使用されているスイカ、パスモについて、多くの質問を受けました。「最低チャージ金額はいくらか?」、「一枚のスイカ、パスモで家族も同時に使用できるのか?」などです。しばらくやり取りが続いた後、私はKRLマニアの皆さんが未だ把握していない日本の乗車券システムがあることに気付きました。それは、「日本では依然としてシングルチケット(1回だけ使用する乗車券)も販売されていること」です。これは、彼らにとって盲点だったようです。続いて「シングルチケットはどのようなものか?」という点に質問が集中しました。私から、「(多分)紙製で、裏面が磁気化されており、乗車時に自動改札機でチェック、降車時には自動改札機に回収される」と話すと、大いに驚いていました。そして、「ジャカルタ首都圏でも、仮にコメットが導入されたとしても、引き続きシングルチケットは必要」と結論していました。 いかがでしたか。日本のスイカ、パスモは、ここインドネシアでもすっかり有名になりましたが、その陰で依然としてシングルチケットも存在していることは、案外知られていないようです。そのことも含め、KRLマニアの方々が私の話に熱心に耳を傾けたのが、印象的でした。彼らはあくまで真摯であり、そして極めて熱心です。これからも積極的に活動し、乗客の満足のゆく電子乗車券システムが立ち上がることを願っています。 KRLマニアの皆さん、これからもがんばってください。私も陰ながら応援しています。 (参考)1ルピア=0.0112円 |
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JABOTABEK 圏の鉄道で、列車と自動車の衝突事故が相次いでいます。私が把握しているだけでも、この1ヶ月間に3件の死亡事故が発生しており、容易ならざる事態となっています。
インドネシア鉄道によると、JABOTABEK 圏の踏切は365か所に及び、このうち警手が常駐しているものが150か所、遮断機が自動で作動するものが61か所、地元住民が警戒を行っているものが100か所で、残りの50か所余りは特に警戒の行われていない踏切から成っています。最近、特に問題になっているのは、自動踏切など一応の施設が整った踏切における自動車と列車の衝突事故であり、テレビ報道では、列車が通過する際、遮断機が完全に下りていなかったなどの異常が伝えられています。これに対しインドネシア鉄道側は、「雨季の洪水により、踏切の信号回路が故障していた」ケースがあったことを認めています。 専門家はインドネシア鉄道に対し、新システムの導入にばかり目を向けるのではなく、既存の信号回路のメインテナンスにも注力するよう強く迫る一方、ドライバーの側に対しても、朝ラッシュ時の「開かずの踏切」待ちのイライラが遮断機無視とならないよう、注意を呼び掛けています。 ところで、私の自宅近くには、地元住民が警戒する踏切があります。直線区間の見通しの良い位置にあり、地元住民 が交替で昼夜を問わず駐在しています。彼らは、常に踏切中央に立って、通過する自動車を誘導しつつ、電車が近づくと竹竿でできた簡素な遮断機を手動で開閉しています。最新技術を用いた自動踏切で事故が相次いでいるのに対し、日本では考えられない、このようなアバウトな手動踏切では、皮肉なことに事故は生じていません。安全とは何か、考えさせられますね。 |
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私が訪れた時点では、プラットフォームは既に新装され、柱、天井の塗り替えも進んでいました(右下写真)。また、3月にはレイルの交換が予定されています。肝心の旅客運転再開ですが、当初2009年1月とされていましたが、5月にずれこみ、まずTanjung Priok - Ancol 間が部分開業する見込みです。
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中央線主要駅の自動改札化工事が滞っています。いくつかの駅では、本年2月に自動改札機が搬入されたにもかかわらず、その後9か月にわたり放置されたままとなっています。JABOTABEK RAILNEWS では、かねてから、この自動改札化に疑問を呈してきました。
第一に、Serpong 線自動改札化失敗の前例があげられます。昨年7月、Serpong 線で複線化完工に合わせて自動改札システムが導入されたものの、現在では全く使用されていません。カードタイプの電子乗車券(JABOTABEK レポートNo. 3参照)が、システム導入後、わずかな期間で2,000枚近くも紛失、不正使用が懸念される事態となりました。接触式の自動改札システムでは、スイカやパスモのように、デポジットを支払った上で運賃を事前にチャージするシステム導入が必要ではないでしょうか。、システム導入後、わずかな期間で2,000枚近くも紛失、不正使用が懸念される事態となりました。接触式の自動改札システムでは、スイカやパスモのように、デポジットを支払った上で運賃を事前にチャージするシステム導入が必要ではないでしょうか。 第二に、実施体制の問題があります。自動改札化がJABOTABEK 鉄道ではなく、政府運輸省の直轄プロジェクトであり、導入に際し、現場との連携を疑問視する意見がメディアに掲載されていました。つまり、現場の意見が中央政府に届いているのか ... ということです。何だか日本を騒がせている「定額給付金問題」と似た構図となっています。 さらに、問いたいのは、「JABOTABEK 鉄道に、自動改札システムが本当に必要なのか」という根本的な疑問です。「多くの従業員を抱え、労働集約的な事業を行っていること」、「複雑な路線網を有する上に、長距離列車など自動改札とは無縁の旅客利用も多いこと」を考えると、当分の間自動改札システムは不必要なのではないでしょうか。 引き続き、今後の動向に注目したいと思います。 |







