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ご訪問、ありがとうございます。このブログは、このたび個人的都合(日本への帰国)により更新を停止いたしました。親サイトである「JABOTABEK RAILNEWS」も含め4年間のご笑覧、誠にありがとうございました。
なお、これまでお世話になった現地鉄道ファンへの恩返しの目的も込め、今後は日本の鉄道の素晴らしさを海外ファンに紹介する、以下のブログに活動の場を移すことといたします。
どうか、よろしくお願い申し上げます。
(冒頭写真は、スルポン線、クバヨラン‐パルメラ間を行く、東京メトロ東西線05系02編成)
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インドネシアの鉄道趣味雑誌に、運輸省が策定した本年の鉄道事業計画が掲載されました。「2011年鉄道総局戦略プログラム」なる仰々しい名のついた文書は、全部で7項目(安全、施設調達など)あり、それぞれに具体的な計画が記されています。そこで以下に、ジャカルタ首都圏と関係する部分についてのみ、かいつまんでご紹介いたします。
電車調達:2編成
これまでの経緯から推して、この言葉の意味するものは、日本製中古電車の導入を指すものと思われます。先にジャカルタに到着した、東京メトロ東西線05系に引き続き、東京メトロ千代田線6000系(2編成)、JR東日本203系(編成数不明)までは調達手続きが終了しているので、2011年には、これ以外にさらに2編成、おそらく16両ないし20両が導入されるものと思われます。なお、導入候補車両については、明らかにされていません。
ドイツ復興金融公庫、電車調達:40両(2010年からの継続)
ドイツ復興金融公庫の資金協力を得て、インドネシア国営鉄道車両製造会社で製造中の新製電車のことを指すものと思われます。KRL-I 系に準じた仕様であり、現時点で、4両x 2編成、8両がほぼ完成し、ジャカルタ首都圏への投入を待っているもようです。
電車から電気式気動車への改造:25両(2010年からの継続)
同じく、これまでの経緯から推して、HOLECの電気式気動車(KRDE)への改造を指すものと思われます。HOLECはジャカルタ首都圏用新製電車として、ボンバルディア - ホレック社から主要機器の供給を受けて、1994年から2001年までの間にインドネシア国営鉄道車両製造会社で合計128両が製造されました。しかし、故障が絶えず、加えて事故や電車区の洪水などの不運も重なり、既に26両がKRDEに改造の上、ジョグジャカルタおよびバンドン地区へ転出しています。残り102両のうち50両が「保管車両」扱いとなっており、このうち半数の25両がKRDEへの改造候補となっているものと思われます。ちなみに25両という両数は、これまでのケースから推定すると、5両x 5編成分に相当します。
運転休止線区の営業運転再開:
首都近郊では、スカブミ - チアンジュール間が優先区間となっています。復活すれば、ジャカルタからバンドンへ至る第2ルート(ジャカルタ - ボゴール - スカブミ - チアンジュール - バンドン)となります。
複線化:
首都近郊では、スルポン線のスルポン - マジャ、タンゲラン線のドゥリ - タンゲランが優先区間となっています。スルポン - マジャについては、電化工事が完成したものの国営電力会社からの電力供給が間に合わず、電車運転が開始されていませんが、この点には触れられていません。
沿線施設の拡充:
首都圏では、環状線(東線+西線)沿線の施設拡充が盛り込まれています。駅の新設、改築、主要道路との立体交差化などが含まれるものと思われます。
いかがでしたか。特に大きなサプライズはありませんが、冒頭に挙げた、(日本製中古)電車2編成の調達が、もっとも新鮮な話題であるかと思います。この推定が正しいとして、一体、どんな車種が日本から投入されるのか、今年もJABOTABEK鉄道への興味は尽きません。
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2010年も残りわずかとなりました。恒例の「JABOTABEK今年の10大ニュース」も3回目となります。今年はどんなニュースがあったのか、ここで皆様ともう一度振り返ってみたいと思います。ただし、ランキングは例年通り、私の「独断と偏見」にもとづいて選ばせていただきました。悪しからず。
第1位:赤いメトロ7000系登場。
2010年の最重要ニュースは、東京メトロ有楽町線からやって来た、7000系のデビューを置いて他にありません。4月以降4編成40両がジャカルタ入り、オリジナルの黄帯から赤+黄+白帯に変更され、強烈な「赤顔」となって姿を現しました(営業運転時は、各々8連に減車)。原色好みのインドネシアらしい、その変身ぶりは、日本でも大きな話題となったことでしょう。
第2位:メトロ05系もジャカルタ到着
7000系「赤顔」化の興奮冷めやらぬ8月、今度は東西線から、05系2編成20両がジャカルタ入りしました。これらの車両も7000系同様の塗色となり、既に本線試運転を終了しています。気になる営業運転の開始時期ですが、残り3編成のジャカルタ到着と、その改造後になりそうです。
第3位:女性専用車登場
7000系のジャカルタデビューに合わせ、6両編成以上の日本製中古電車で、一斉に女性専用車が設定されました。最前部、最後部の1編成2両で、設定時間帯は終日となっています。その登場は、市民にも概ね好評のようです。ただし、男性鉄道ファンが、運転席後方窓から前展望を楽しむことができなくなり、少々残念ではありますが。
第4位:メトロ6000系導入へ
日本製中古電車到着のニュースが相次ぐ8月、今度は東京メトロ千代田線で活躍する6000系の導入に伴う、テンダーがアナウンスされました。この入札は一旦リテンダーとなった後、9月になって調達業者が発表され、導入に向けた手続きが大きく前進しています。都営王国から東急王国、そして、今度はメトロ王国へとJABOTABEKの車両は変化していくようです。
第5位:JR203系導入へ
メトロ車導入のニュースが相次ぐ中、2010年も押し詰まった12月になって、今度は常磐線、東京メトロ千代田線で活躍するJR203系導入のテンダーがアナウンスされました。矢継ぎ早の積極的な日本製中古電車導入に、大いに驚かされました。なお、導入車両数については、今のところ明らかになっていません。
第6位:都営三田線事故復旧車、「Djoko Lelono 2デビュー」
2008年10月、カンプンバンダン駅近くで貨物列車と衝突した旧都営三田線6000形6181Fと、2009年8月にボゴール – チレブット間でHolec に追突した同6151Fが編成を組み直し、新6151F、新6181Fとして、2009年から2010年にかけて再デビューを果たしました。このうち新6151Fは、前面をユニークな「猫バス」スタイルに変更された上で4両化、「Djoko Lelono 2」と名付けられ、3月にデビューしました。
第7位:新車8両導入へ
日本製中古電車導入に対抗するかのように、インドネシア独自の新車導入計画も進められています。ボンバルディア社に主要機器供給を求め、インドネシア国営鉄道車両製造会社(INKA)で8両が製造中です。デビューは当初計画より遅れ、2011年となる見込みです。気になる車両デザインですが、地元ファンサイトなどによると、先輩格のKRLI系に準ずるもようです。
第8位:車両塗色変更相次ぐ
今年も全般検査などの機会を利用した、車両の塗色変更が相次ぎました。日本製中古電車については、2009年に相次いだ緑+黄帯化から一転、青+黄帯化が推し進められました。一方、非冷房Rheostat 車については、白地に橙帯化が進められています。さらに変わったところでは、正面のバティック模様化(旧東葉高速1060F)、「緑顔」化(旧都営6177F)などの試みも行われています。
第9位:主要駅に列車出発案内表示器設置
2009年に中央線タンジュンバラット駅から始まった、駅の列車出発案内表示器の設置が、主要駅に拡大、ジャカルタコタ、タナアバン、ブカシ駅などでも確認されました。ただし、今のところ統一された仕様は無く、各駅の表示器は、形式、表示内容ともばらばらです。
第10位:ダイヤ改正実施
3月1日、インドネシア鉄道の全国一斉ダイヤ改正に伴い、ジャカルタ首都圏の電車運転時刻も改正されました。ダイヤ改正は、2008年7月以来1年8カ月ぶりです。主な内容ですが、エコノミー列車のエコノミーACへの置き換えが顕著です。
いかがでしたでしたか。今年も多くのニュースがありましたね。特に、車両導入にかかわるニュースの多さに、改めて驚いています。その一方で、2010年に実現しなかった話題もいくつかあります。例えば、「電子乗車券化」、「ジャカルタコタ – タンジュンプリオク間運転再開」などです。各々難しい問題を抱えているものと思われますが、ファンとしては、2011年にはグッドニュースを期待するものです。
足かけ5年目を迎える、「JAOTBEK RAILNEWS」を、来年もよろしくお願い申し上げます。
冒頭写真は、ニュース第1位、ブキットドゥリ電車区にて改造中の東京メトロ7000系7121編成、下写真は、ニュース第6位、同じくブキットドゥリ電車区にて留置中の都営三田線6000形先頭車化改造車6151編成、「Djoko Lelono 2」
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「運輸省鉄道局HPを見る」、今回は第2回、今後の輸送力増強計画です。
(1) 2013/2014年の電車両数は1,600両 鉄道局は、2013/2014年における鉄道利用者1日300万人を目指し、5分ヘッドの電車運転を計画しています。これに対応するため、車両数を2009年時点の稼働可能車両数418両から2013/2014年には1,600両まで引き上げる計画を立てています。実に1,200両近い大量増備です。本当に実現可能なのでしょうか。 これまで車両増備としては、2009年6月にKCJが、「2013年に冷房車582両を保有する(現在264両=筆者)」とのチャレンジングな計画を明らかにしていました(コラムNo. 51)。ところが鉄道局の計画は、これと比較してさらに野心的なものとなっています。一方で最近の報道によれば、鉄道局は国内における車両製造業を育成するため2012年をもって中古電車の輸入を停止すると表明しており、これが事実なら新車製造のためのコスト負担も大きな課題と考えられます。ちなみにHPでは約1,200両の車両増備のためのコストを8兆ルピアと見込み、このうち7兆ルピアを新車700両の製造に充当、残り1兆ルピアで500両の中古車を購入するとしています。私の試算では、毎年の車両購入費用だけで運賃収入の約6倍に達し、政府主導の明確なポリシーなしでは実現不可能な計画となっています。なお、中古電車の輸出国は事実上日本に限られることから、今後3〜4年で日本から500両(現在進行中の東京メトロからの7000系40両導入を含む)の中古電車が供給できるか否かも大きな課題です。 (2) 4か所の車両基地建設 車両数が増加すれば、必然的に車両基地や検車施設の増設も課題となります。鉄道局では新たに4か所の車両基地建設を計画、合計7,000億ルピアの投資を見込んでいます。ちなみに建設地は、ブカシ、タンゲラン(いずれも現在、電留線あり)、マジャ(スルポン線の延伸電化区間終点)、およびタンジュンプリオクとされています。 (3) 変電設備増強と信号システムの改善 5分ヘッドの電車運転計画実現には、変電設備の増強と信号システムの改善も不可避です。そのため鉄道局は、現在86,000kWある整流器容量を一気に243,000kWまで高めるチャレンジングな計画を立てています。一方、信号システムも"Communication Based Train Control System"を導入するとしています。これらのコストとして、4兆7,000億ルピアが見込まれています。 (4) 環状線の再活性化 ジャカルタ中心部の東線、西線を併せた「環状線」では、2007年11月から20年ぶりに直通環状運転が復活、東京の山手線のような輸送機能に期待が持たれました。しかし乗車率は長期にわたり低迷、その活性化が議論されています。鉄道局HPでは、具体的な計画が述べられています。 活性化計画は、乗客の利便性を高めるための新駅建設と既存駅の改良を柱としています。まず、アンケ - カンプンバンダン間に新コタ駅を建設、現在のジャカルタコタ駅に匹敵する都心駅としての機能を持たせる計画です。また、乗客の利便性を高めるため、西線沿線に4つの新駅建設が計画されています。それらは、ドゥリ - タナアバン駅間に2か所、スディルマン - マンパン駅間に1か所、マンガライ - ジャティネガラ間に1か所となっています。中でもマンガライ - ジャティネガラ間の新駅は、幹線道路であるマトウゥラマンラヤ通りと交差するため、多くの乗降客の利用が期待されています。 以上、ジャカルタ首都圏の鉄道輸送力増強計画についてご紹介しました。正直、そのリアリティには疑問符をつけざるを得ない点も多々あります。けれども、地元ファンとしては、これらが少しでも実現に近づくことを祈らずにはいられません。 運輸省鉄道局のHPアドレス:http://perkeretaapian.dephub.go.id/ 1ルピア=0.0114円 |
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先日、運輸省鉄道局のHPを見る機会があり、ジャカルタ首都圏における鉄道の現状と計画に関する資料(2010年版)を閲覧しました。人口増加と激しい交通渋滞が続くジャカルタ首都圏で、2013〜2014年には鉄道利用者1日300万人(現在約35万人)を目指すという野心的な計画がそこに示されています。以下に、この資料からいくつか気付いたことを、2回に分けて述べたいと思います。第1回は、現状分析です。
(1) 2000年代半ばの乗客数「減少」 ... 正体はフリーライダーの増加? JABOTABEK RAILNEWSでは、かつて統計資料を集計し、「ジャカルタ首都圏の鉄道利用者が、2001年をピークに一時下降に転じた」とお伝えしたことがあります(コラムNo. 20)。そして、「2005年に1日27万人(年間1億人)程度まで落ち込んだものの底を打ち、その後再び増加して現在にいたっている」とも報じました。 ところが鉄道局HPは、同様の統計上の乗客数変化を認めたものの、「一時的な下降は利用者の減少ではなく、フリーライダーすなわち運賃不払い者が増加し、それがカウントされていないため」と解釈、一方、最近の鉄道利用者の見掛け上の増加は、「フリーライダーが減ったことが大きく影響している」と解釈しています。そして、全体として見ると、2000年代に入ってからフリーライダーも含む鉄道利用者は漸増にとどまっていると結論し、大幅増加とならない理由について、ジャカルタ首都圏の鉄道輸送力がほぼ限界に達しているためとしています。多くの分野に言えることですが、統計データの扱いは細心の注意をする必要があると、改めて考えさせられました。 (2) 2009年ジャカルタ首都圏の電車車両数は、418両 JABOTABEK RAILNEWSでは、2009年時点でジャカルタ首都圏電車車両数を480両と見積もっていました。ところが鉄道局HPによれば、同年の車両数は418両とされています。この差は何を意味するのでしょう。 結論から言うと、私の見積もりが「現に存在している車両」をカウントしているのに対し、鉄道局のそれは、稼働可能な車両(Siap Guna: SG)のみカウントしているためと思われます。つまり、2009年時点で、稼働不可能な車両が480 - 418 = 62両あったことになります。手元にある2007年12月のインドネシア鉄道JABOTABEK事業部(当時)の資料では、38両が稼働不能(全てHolec)とされていました。2009年時点では、これが62両まで、つまり24両増えたことになります。新たな稼働不能車24両の内訳は不明ですが、例えば、Rheostat 車やHolec、Hitachi などから発生した可能性があります。あるいは、衝突事故を起こした旧都営三田線6000形の2両、10両から8両編成への減車の過程で実質的に部品取り用車両となってしまった旧東京メトロ5000系と旧東葉高速1000形の計12両などが含まれる可能性もあります。ジャカルタ首都圏では、多くの車両が稼働不可能な状況で放置されているものと思われます。 (3) 現在の変電所整流器容量は、86,000kW JABOTABEK RAILNEWSでは、かつて文献資料をもとにジャカルタ首都圏の鉄道変電設備についてご紹介したことがあります(コラムN0.52)。ところが、この文献資料に掲載されたデータは今から12年も前のものと古く、当時の整流器容量は合計72,000kW、現在の容量については謎のままでした(複数の報道記事から私なりに計算して、83,000kWと一応推定していた=新着情報2009年12月13日)。 このたび上記HP資料を閲覧した結果、2009年現在の整流器容量が合計86,000kWであることが判明しました。11年間で14,000kWの増設が行われたことになります。ちなみに政府は鉄道利用者1日300万人を目指し、2013年にはこれを一気に243,000kWまで高めるチャレンジングな計画を立てていますが、果して本当に実現可能なのでしょうか。 以下次週に続きます。なお、運輸省鉄道局のHPアドレスは、http://perkeretaapian.dephub.go.id/ です。 |


