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以前とあるブログで、弦楽四重奏の中に出てくるハーモニックスがうまくハモラないという記事がありました。楽譜を見るとすべて自然ハーモニックス(自然フラジオ)で書かれており、その和音がハモラないわけはありません(下記に詳述)。恐らく調弦が狂っていたのだろうと推測します。ハーモニクスで調弦をチェックすることもあるくらい、ハーモニックスは調弦に敏感です。
ハーモニックスの原理については↓のサイトがよく纏まっています。
奏法については↓が詳しい
自然ハーモニックスは弦長の1/2, 2/5, 1/3, 1/4, 1/5, 1/6・・・・の部分を軽く触れることによって開放弦を分割振動させ倍音を得るものです。
A線の場合
・・・と続きますが、実用的には1/6までと思います。触れる位置は1/2以外は複数箇所で同じ音が出ます。たとえば↑の例で1/5, 2/5のようにCisは糸枕から駒までを5等分するどこに触れても同じ高さの音が得られます。通常、前後関係で最も取り易いポジションを選びます。 自然ハーモニクスで作る音程は周波数比を見ると分かるように長三度A-Cisは周波数比4:5、短3度Cis-Eは5:6と純正律を構成します。これが自然ハーモニックスで作られる和音が純正でハモル理由です。触れる位置が多少ずれても正確な分割振動してくれますから、開放弦が狂っていない限り音程に狂いはありません。但し、ずれが大きいと音がかすれて出なくなったり、全く別の音程になったりします。
これに対して、技巧的ハーモニクス(人工フラジオ)は1または2の指で弦を押さえ、3または4の指で弦を軽く触れる方法で、音程は弦を押さえた指の位置に依存します。
通常、ハーモニクスは1本の弦で鳴らしますが、2本の弦を同時に鳴らすダブルハーモニクスという手法があります。ダブルハーモニクスが多用されているのはパガニーニ作曲ヴァイオリン協奏曲第1番の第3楽章です。自然ハーモニックスと技巧ハーモニックスを重音で駆使しています。10度重音スケールとともに超絶技巧の中でも難易度が最も高いものの一つで、指は長いほうが弾きやすくなります。日本人女性は手が小さいので苦手な方が多いようで、suwanaiさんは通常A線/E線で弾くところをD線/A線のハイポジで弾くなどの工夫をされています。youtubeで名手のライブ録音がいくつかありますが、100%ミス無く鳴っているライブ録音にはお目にかかったことがありません。編集可能なCDでは完璧になるまで継ぎ接ぎで繕うことも多々あるそうですが(笑)。
私は学生時代からこの曲を摘み食いして楽しんでいました。指の長さは平均的ですが、ダブルハーモニックス部だけは全く歯が立たなかったことを覚えています。今年に入って、レッスンの課題にこの部分を頂き、毎日さらうのが日課となっています。
この部分です。
演奏例は ↓の26分32秒から27分12秒までです。いくつかミスしていますが、気にならない程度です。
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弦楽器の音律・物理
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(といっても、まだ完全に理解できておりませんが・汗)
フラジオ奏法については、レッスンを進める最中に
楽譜上で指導を受けたきり「この原理は…?」と、
いつも不思議に思いつつ、そのままにしておりました(^_^;
正しい音を抑えるためにも、もっと理解しなくては、と
思っています。