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先日、京都まで出向き聴いてきました。プラジャークSQのメンバー、1stVnのパヴェルさん、ヴィオラのジョーゼフさん、チェロのミハルさん達からは欧州で開催されるマスタークラス、ワークショップなどでこれまでに幾度も室内楽の指導や個人レッスンを受けております。特にパヴェルとは
チェコ・プラハ、
スイス・ブロネイ、
ギリシャ・コルフ等でご指導頂き、ご家族の皆さんともご一緒して頂いています。今年、娘さんでヴァイオリニストのルーシーからの年賀状で、パヴェルが今年5月〜6月にプラジャークSQとともに訪日するとのことでした。5月の東京LFJは忙しくて聴きに行けず、6月の全国ツアーで都合がつけば聴きに行くつもりにしていました。ところが、スケジュール詳細が
HP にも
日本の音楽事務所にも、アップされず、私も忙しくて忘れかけていたころ、先日、新聞で京都に来るということを知り、急いでチケットを入手しました。
2年前 は名古屋まで聴きに行き、夕食を共にしました。今回は多忙で連絡を呉れる暇すらなかったのでしょう、
会場は
京都コンサートホール 3階にある500人収容の小ホールです。それにしてはホワイエは広過ぎでした。
ホワイエに居たスタッフにサイン会の有無を尋ねると無いとのこと。翌日は東京でのコンサートなので終演後はすぐ移動されるのでしょう。
チケットの座席指定券引き換えに手間取り、上手端の席になってしまいましたが、パヴェルの表情と弾きぶりはばっちり見える位置でした。
プログラム
久しぶりに聴く先生方の演奏素晴らしかったです。本場、本物という感じで、日本でこのレヴェルの演奏は滅多に聴けません。
実はチェコを代表する世界的SQ(弦楽四重奏団)はスメタナSQが解散した後、コチアンとプラジャークの二つになったのですが、両方ともメンバーの一部が事故や都合で欠けてしまい、コチアンSQの1stVnだったパヴェルが2010年にプラジャークSQの1stVnに移り、コチアンSQは解散しました。今やプラジャークはチェコの伝統を守る唯一の世界的SQとなりました。
彼らは合わせるためにお互い目を合わせて「セイノッ!」ってやることは全くありません。自然に息が合い、出が合い、テンポが決まり、フレーズが繋がり、音楽の流れが出来てしまうのです。音楽のイメージがシェアされており、そこへ向けて合わせるという感じに見えました。ボヘミヤ・ヴァイオリン楽派とも呼ばれるコチアンからスークへの流れを汲む演奏家、プラハ音楽院でルーツを同じくする奏者達でないと出来ない技です。
今回の演奏を聴いて気が付いたのですが、彼らは舞台の上で一度も調弦しませんでした。殆どの演奏家は舞台上で調弦します。それもとても大きな音でせわしなく。もう少しきちっとと思っても中途半端で止めて演奏に移る例も幾度か見ました(笑)。
後半はピアノが入りましたが、ピアノはAを一度も叩きませんでした・・・信じられないでしょうが、登場し拍手を受け、調弦することなくそのまま音楽が始まったのです。音楽以外の音は舞台で出さないようです。
シューマンのピアノ五重奏、激しい第1楽章の後、第2楽章は解放弦でないと弾けない音(C)がチェロ、ヴィオラに沢山出て来ます。ヴァイオリンも中間部Aの解放弦が必要です。ふつーはここで調弦しそうなものですが、やりませんでした。皆さん左手で小さくポロンとはじいて確認しているようでしたがすぐに2楽章が始まりました。でも解放弦がピタっと合っていたのには驚きました。聴衆の気が付かないところでアジャスターを調整しているのかも知れませんが。
ピアニスト は初めて聴く方ですが、略歴を見ますと、日本の高校卒業後ウィーンの音大で学ばれた方で、名門オケの首席奏者と共演し好評を博したそうです。プラジャークとの息はピッタリ、細かい所もよく合わせていました。ピアノの蓋が全開にも拘わらず、プラジャークの柔らかい音色にかぶらず、主張すべきところは主張する、素晴らしい若手が出てきたものだと思いました。今後注目すべき演奏家と思います。
アンコールはドヴォルザークのピアノ五重奏からスケルツオ楽章でした。彼らの故郷の音楽に日本人ピアニストも完全に馴染んでいました。