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昨日の記事 My Violin に続きMy Bowです。 その前に毛替えについて。毛替えは技術のある職人さんに頼まないとトラブルのもとです。以前は大阪のとある楽器商でした。職人は一人。ここはプロも使うというので信用していましたが、トラブル続き、1回は短く張り過ぎで冬乾燥時スクリュー開放しても緩まない。1回は逆に長すぎでスクリュー右一杯回しても充分に張れない。1回はスクリューが空回り、1回は弓の先のチップが欠けて戻ってきた(信じられない!)。枚挙に暇がない。その後、元○一商店から独立されたB氏に見せると、「瞬間接着剤使ってますね」と切り捨てられました。毛を止める部品は普通は松脂を溶かして固定し、毛替えの時はそれを熱で溶かしてはずすのですが、接着剤を使うと部品を外すときに本体を傷めてしまいます。こんな楽器商許せじ!!最近、店を閉めて日本を脱出すると聞きました。 大型楽器店付属の工房も良いですが、下手な職人さんに当たると酷い目にあいます。最近は大型店から独立した職人や、クレモナやドイツで勉強され帰国後自立され工房を開いている方など多くいらっしゃいますから、信用の置けるお店を根気良く探されると良いと思います。 現在はくだんのB氏にお願いしています。超多忙な方なのでメインの弓だけにし、サブは次の機会にということになりました。 今回1年振りの毛替えでした。毛替え前は、毛が切れるとか磨耗してつるつるという症状は無く、フツーに弾けてると思ってましたが、毛替え後弾いてみるとやはり引っ掛かり具合が全然違いますね。スピーッカートやスタッカートで弾けなかった所が弾けるようになりました。皆様はどの位の頻度で毛替えされますか? 前置きが長くなりましたが、my bowのご紹介です。プロの方が使われる価格帯の一桁下のもので、アマチュアでも充分手が届く範囲です。もっともオールドで状態の良い弓はなかなか一般市場には出回りませんが。 下がメイン、上がサブです。 サブは10年ほど前、ウィーンの楽友協会のコーナーの楽器店で買いました。J.F.DABER LYON* の銘が入っています。それまでは中学時代から40年間使っていたシロモノで棹やスクリューが磨耗しかなりくたびれておりました。観光目的の旅行だったのでマイ楽器は手元に無く、お店の楽器を借りて試奏しました。あまり時間が無かったので、それまで使っていた角弓の中で操作性のよい強そうな弓を選びました。今でもオケ用として使っています・ そしてメインは3年前オレゴン州ポートランドの 工房 で買いました。きっかけはその頃レッスンの課題曲だったウィニアフスキーの「華麗なるポロネーズ in A」です。その中に出てくるアップボウ連続スタカートが中々上手く弾けず、これは弓のせいだろうということでアップグレードしたく思っていたのです。J.F.DABERを買ったときの価格の倍から4倍程度の範囲を目安に在庫品を20本ほど1時間くらいかけて試奏しました。その中で1本だけ他の弓と違い明らかに透明で濁りのない澄んだ音がしました。この時初めて弓によって音質が変わるということを実感しました。弦を弾くと棹の振動が右手人差し指に伝わります。弓も楽器の一部なのですね。しなやかで操作性も抜群です。 恐る恐る価格を聞いてみると、予算をちょいオーバしましたが思い切って買いました。銘はR&M Millant, Paris とスタンプされてました。購入後、2ヶ月位して、店主から鑑定書が見つかったと言って、ニューヨークの鑑定士Paul Childs作成の鑑定書が送られてきました。 鑑定書によるとL.J.Morizot (父, 1874-1957)の、およそ1945年くらいの作品で、パリの楽器商 R&M Millant を通して販売するために作られたということが分かりました。ヘッドの形状で判断するようです。そして品質と状態はexcellentと書かれています。当時は名工でもそのようなビジネスモデルが普通だったようです。因みに作年の1945は私のYahoo IDと同じ数字です(笑)。矢張り名工といわれた人の弓は一味違うなと思いました。修理跡も無く健康・保存状態もよく棹のヘタリもありません。この価格レンジでは凄く良い買い物が出来たと思っています。毛替えをしたくだんのB氏も「これは良い弓だ、jackさんお目が高い」と言ってくれました。パワー不足が玉に瑕ですが、意外と音が通ります。室内楽やソロにはピッタリなので大変気に入っています。パワーの必要なオケにはサブという具合に使い分けております。 この工房の販売ポリシーは売った楽器をアップグレードするときは売値で下取りしてくれることです。ですから購入後、万一不具合が発見されたり、気に入らなかったら、直後であればそのままの価格で下取りしてくれて、他の楽器を選ぶことが出来るのです。もちろん何年か弾いて補修費が必要な場合はそれを差っぴくそうですが、高価なものでも安心して買う事ができます。 皆様の弓との出逢いはどんなでしたか?
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1年ぶりに毛替えしました。2本を交互に使っているので滑るような磨耗感はありませんが、本番が近いので毛替えすることにしました。 毛替えは最近はB氏に頼んでいます。B氏は北浜○一商店の元看板職人。今は独立し大阪のとあるマンションの一室に工房を構えておられます。最近コンクールで受賞された Iwa○氏 をはじめSugi○氏など優秀なお弟子さんを輩出されています。わが師のご紹介でお付き合いいただけるようになりました。今回も毛替えをしたい旨、電話すると、シーズンでメチャ混んでいるとのこと。それでも本番が近いことをお伝えするとヴァイオリン、チェロ1本づつ毛替えして頂けました。 今の師についたのは4年前ですが、当初から私の楽器については不満を持たれ、「風邪を引いている。隣の部屋で弾いている様だ。中学生でもそれの何倍も良く鳴る楽器を使っている。楽器が鳴らないと上達しない。」と再三言われたので、半ば投資のつもりで退職金を叩く決意で相談に行ったのがB氏の工房を訪れた最初でした。3年前のことです。 私の楽器は日露戦争(1904年)にロシア将校から祖父が預かりうけたものです。銘が無いので骨董価値はありませんが、中学生から馴染んでいる私にとっては大事な宝物です。パフリングが2重になっており、マッジーニ・モデルです。赤黒い顔をしているところから、学生時代友人からは「黒ジー二」と呼ばれていました。これまで色んな人に診て貰いましたがその出自ははっきりしません。 B氏にその話をすると興味を持たれ、暫く品定めしておられましたが、「この楽器私が鳴るようにしてあげよう。楽器を買うのはそれからでも遅くないでしょう」と言われ3ヶ月預けました。そして生まれ変わったのです。それ以来、師の楽器に対する不満はなくなりました。一応それで良いみたいです。弦は写真ではオブリガートを張っていますが、2年前からWarchal Brilliantに替えました。この楽器との相性は抜群に良く大変気に入っております。 naokoが今使っているチェロは、●十年前に就いていたチェロの大御所井○先生が懇意にしていた当時○一商店東京店の植○氏が選定し、その後、北浜のB氏がリストアしたフレンチ・オールドです。この楽器も昨年、B氏に再調整していただきました。わが師も井○先生についた時期があり、そんな経緯や不思議な縁もあって、B氏は我々には特に懇意にして下さいます。 B氏の工房はウチから40Kmほどありますが、ほとんど高速が使えるので40分程で着きました。マンションの1室に入ると玄関まで楽器がはみ出しており、奥の部屋まで人一人が漸く通れるほどの通路が確保してあります。仕事場の机の上は弓の山でした。割り込んでやって下さるようで感謝です。今日は預けるだけで、翌日同じ時間帯に引き取りに来ることになりました。 帰り際、B氏が「あ、そうそう、カレンダーあります」と言って下さったのが、なんとStrad誌特製2008年カレンダーでした。このカレンダーは毎年弦楽器の銘器の写真が印刷されており、貴重なコレクションにもなります。最近は日本でも買えるようになりましたが新品は15ポンドくらいします。私は米国でいつも売れ残りで値が下がった頃に買い求めておりましたが。ところが07年版は売り切れたあとで買えませんでした。2008年版もそのつもりだったので大変嬉しかったです。このカレンダーはB氏が○一商店を通して入手されるもので毎年取り合いになるそうです。そういえば師のご自宅にも掛けてありました。今年はタイミング良かったです。 2008年版は、著名奏者とその愛用銘器がテーマで人気奏者が最近どの楽器を愛用しているのかが分かります。2008年1月はグリンゴルツ(Ilya Gringolts)とルジェーリでした。 8586 楽器は17世紀後半のルッジェリ(Francesco Rugeri)です。ルッジェリはクレモナ、師アマティーの影のメーカと言われた名工。弦はD,G線はOlivですが、A線は裸ガットを張っているようです。 グリンゴルツのコメント:「私はこの楽器の浸透するようなトーンが即座に好きになりました。オケがどんなに分厚い音で鳴っている時でも、この楽器の音は通るのです。それは物静かな声で聴き手を魅惑する語り部のようです。」。価格は恐らくストラドの十分の一以下でしょう。楽器は出逢いなのですね。 グリンゴルツは3年前ザルツブルグで聴いた時はストラドを弾いていました。1723年のEx-Kiesewetter、かつてヴェンゲーロフ(Maxim Vengerov)が所有・使用していたた楽器。それを今はルジェーリに持ち替えたようです。このストラド今はロシア系のヴァイオリニスト、クイント(Philippe Quint)に貸与されているとか。 銘器は皆、風格ある顔つきで写真を見ているだけで心が和みますし、その音が聞こえてくるようです。そして何となく選択眼が養えるような気がします。 楽器や人との出逢いは大事にしたいですね。皆様はどんな出逢いをお持ちですか? (追記) Strad 2008年カレンダーは下記などで買えます。 |
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パッショーネの試用実験が 不作に終わり 、愛用のワーチャル・ブリリアントに張り替えました。その最終報告です。 == 第1日目 == (6月26日) ワーチャルの張替え直後いつもの感動が蘇りました。普段は100時間〜150時間位で張替えますが、張替え後に急に倍音が大きくなり音に輝きが増しますので劣化していたことが分かります。今回は20時間位弾いたパッショーネとの比較になりますが、倍音の出方がパッショーネと比べ物にならないくらい大きい事が実感できました。E線、A線を弾いた時の開放弦D,Gの共鳴も凄いです。弦のレスポンスも戻りました。パッショーネはやはりレスポンスが悪く右腕に負担を強いられていました。スピッカート、ソウティエや一弓連続スタッカートなど弓と弦のバウンスの微妙なコンビネーションが重要となるテクニックでも前の感覚が戻ってきました。 音質面は最初はシャリシャリ、ザラザラ感がありますが通常2−3日の使用で柔らかい艶やかな音に変わります。 == 第2日目 == (6月27日) ピッチの変化、前夜比です。 E -10cent A -35cent D -35cent G -50cent これは楽器の弾き始めの調弦における値。一旦調弦したあとは10〜15分の曲でも途中での調弦は不要でした。改めてワーチャルのピッチ安定性の良さを確認しました。ワーチャルのピッチ安定性面での慣らし期間は1日です。セコンドヴァイオリンなどのストレッチャーは不要ということですね。 == 第3日目 == (6月28日) ピッチの変化、前夜比です。 E -5cent A -15cent D -20cent G -15cent 駒の角度を調整します。 バッハ・シャコンヌ通奏後のピッチ変化はE,A,D線は-2cent以下、G線は-2centで全く問題ありません。 == 第4日目 == (6月29日) ピッチの変化、前夜比です。 E -7cent A -10cent D -15cent G -22cent 音にまろやかさが出て参りました。調弦時ペグが回し易い角度になるよう弦と巻きなおして準備完了です。 == 第5日目 == (6月30日) ピッチの変化、前夜比です。 E -2cent A -3cent D -3cent G -6cent 驚くべき安定性です。調弦なしで弾き始めても大丈夫な位です。 結論 以上で今回の実験レポートは一応終了です。パッショーネは安定性が改善されたとはいえ合成弦のワーチャルには敵いませんでした。音質面でも私の楽器ではワーチャルの方が柔らかくかつ深い響きで輝きのある音質が得られます。 パッショーネは音量が大きいですが、音が硬く薄っぺらい音で弓圧がより必要な弦でした。(ゲージを細くすれば改善されるとは思いますが、再度総合的な比較が必要でしょう) 「たかが弦、されど・・・」。弦の選択の重要性を再認識しました。さあ、明日の弦オケ練習に ready to go です。 左がワーチャル・ブリリアンテ、右がピラストロ・パッショーネのパッケージ |
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ピラストロ社の新製品パッショーネに張り替えて8日経ちました。4日目までは こちらの記事 を参照下さい。直前まで張っていた弦はワーチャル・ブリリアント(以下ワーチャルと略)で約2ヶ月(約150時間)使用したものです。 第5日から第8日まで、毎日2〜3時間弾きピッチ安定性と音色の変化をチェックしています。ワーチャルと比較して弓と弦の接触点が駒寄り、弓圧も強めが必要らしく、普段使わなかった筋を使うようで、右手首間接と肘関節が少々痛みます。 張替え後1週間経ってもG線は伸び続けています。E/A/D線はほぼ安定してきました。 G線のペグ側着色巻線部分は指板上からは後退しましたが、まだ糸枕上に残っています(写真下)。 第2日目 G線着色巻線部分が指板上へ張り出しています。 第8日目G線の糸枕部分に茶色の巻き線が残っています。 ペグは2日目に比べ45度も巻き上げています。 ピラストロ社の HP を見るとG線の着色巻き線はペグ側は意図的に長くしてあるとのこと。理由はG線はペグボックスの中で切れることが多いのでそれの補強だそうで、最初は糸枕上へ茶色巻き線が延びることはあるが弦が伸びてくるとペグボックス内に引っ込むと説明してあります。しかし1週間経っても引っ込まず、さらに伸び続けるようなて弦でピッチの安定性が高いと言えるのだろうか?これでクレームをつけると「もうしばらく張っていると引っ込みます」とか「お宅の楽器の弦長が短いのでは?」と言われるのだろうな。 G線が1週間経過後も下がり続けるということはピッチ安定度は合成弦より明らかに悪いです。ワーチャルは2〜3日で安定します。E/A/D線が比較的速く安定したのでガット弦としては改善されているのかも知れません。 ところで肝心の音色ですが、2階に設置した防音ユニットに篭もって弾いていたのでは直接音のみでの判断になるので、久しぶりに音響条件のマシな1階のLDKで弾いて見ることに。読書中だったnaokoも評価に加わります。 2曲試し弾き 「バッハ:シャコンヌ」 ・音がキンキンする。大きい音では有るが乾いた感じ。聴いていて疲れる ・バスが響かない。楽器が鳴っていない。・・・つまりシャコンヌに成っていない ・ワーチャルの方が良く響いていた。 「ウイニアフスキー:華麗なるポロネーズin A」 ・華麗さはある。が、音が大きくて耳が痛くなる ・押さえつけたような音になる ・この弦はこの曲には合ってはいる・・・派手なソロ曲向き? 私の第1印象がワーチャルに比べて音が小さかったので、右腕に負担を掛けつつ音量は改善されたものの押さえつけた音になるようです。ガット弦は柔らかい音、深みのある音が特長なのですが、硬い音、薄っぺらい音、聴いていて疲れたり、バス(G線)が響かず楽器が鳴らないのであれば、意味がありません。 従って、 しました。 上記判断はあくまでも私の楽器でワーチャル・ブリリアントとの比較ということですのでご注意下さい。またパッショーネのネガティブキャンペーンではありません。別の楽器では別の評価が下ると思います。要はパッショーネは私の楽器と私の好みに合わなかったということです。 セット価格約$70は衝動買いとはいえ高い授業料でした。 早速ワーチャルへ張り替えることに。その話は別途。 (今回試験した弦のデータ) Pirastro Passione E: 26 No.3119, Schlinge, Silvery Steel A: 13 1/2 No.2192, Aluminium auf Darm D: 13 1/2 No.2193, Sterling-Silber auf Darm G: 16 1/2 No.2194, Sterling-Silber auf Darm "Darm" はガット(腸線)の意味です。Aはアルミ巻きガット、D、Gは銀線巻きガット、Eはスチールです。
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ピラストロ社の新製品パッショーネに張り替えて4日経ちました。これまでの経過は こちらの記事 を参照下さい。直前まで張っていた弦はワーチャル・ブリリアント(以下ワーチャルと略)で約2ヶ月(約150時間)使用したものです。 ずばり第1印象(張替え直後、2ヶ月使用のワーチャルとの比較): ・G線、D線が弱い。G線は輝きが無い。D線は腰が弱く薄っぺらい音 ・A線はかすれ易い、3rd. Posi 2指のEが鳴りにくい ・G線のピッチ安定度は良い。他はワーチャル並 あまり良い印象はありません。一番驚いたことはG線。ペグに巻きつけるところは茶色の線を巻いてありますが、それが長すぎて糸枕の上を乗り越えて2mmほど指板上に張り出しているではありませんか。こんなの生まれて初めて見ます。品質管理大丈夫なのかな〜?ピラストロ社へクレームしなければ。2、3日経って弦が伸びきった状態で茶色部分がペグボックスへ引っ込んで呉れれれば良いのですが。明日写真を撮ります。糸枕が磨耗しないか心配です。 張って見て2時間ほど弾きました。A線とD線はどんどん伸びます、下がります。G線はあまり伸びません。ワーチャルも結構伸びましたが、それより酷い。 張った当日は曲の途中で調弦が必要となり実用になりませんでした。音色はこの段階ではどの弦でも金属的でトゲトゲした音ですので判断できません。もう少し様子を見ます。 G線の茶色部分、まだ1mmほど飛び出しています。 良い点 ・D線、G線は音程のフォーカスは良さそう。8th-10thのハイポジも良く出ます。 ・フラジオは鳴りやすい 悪い点 ・A線の3rd. Posiは相変わらず音が出にくい。 ・A線、D線の低ポジで音がかすれ勝ちになる。 ワーチャルと同じ弾き方では音が出ないことに気がつきました。弓圧を強める必要があることと、サウンディング・ポイント(弦と弓の接触点、以下S.Pと略)は駒寄りが良いとの印象がありました。 ピッチはまだ安定しません。5分に1回位の頻度で調弦必要。1時間放置するとA線・D線は半音くらい下がります。どんどん伸び続けます。このような不安定な状況では音質の評価はまだすべきでないでしょう。 第3日目昨日よりさらに安定し音質も良くなってきました。張替え後、約40時間経過。ケースを開けるとA/D線は約30セント低下(半音の1/3)下がっていました。G線は半音低下、ゆっくりと伸び始めたようです。G線の茶色巻き線部分はまだ0.5mmほど張り出しておりました。E線はほぼ安定。良い点 ・トゲトゲしさが取れてきました。音が柔らかい。重音の響きも柔らかい。 ・ピッチは安定してきました。5〜15分の曲では途中調弦なしでもOK。1時間放置しても10セント程度しか下がりません。 悪い点 ・A線でスタッカート時にサブハーモニクス(基音より下の音)が出やすい。 ということで、謳い文句であるガット並みの音質と合成弦のピッチ安定性と言うのは一応それに近づいてきた感じです。 第4日目ほぼ安定したと思われます。弦が楽器に大分馴染んできました。張替え後、約60時間経過。一晩置いたあとのピッチの低下はA/D線ともに10セントくらい。Eは5セント上昇、Gが50セント低下。駒の角度を再調整する。G線の茶色巻き線部分の指板への張り出しは無くなりましたが糸枕上に残っています。良い点 ・G/D線音に丸み。 ・シャコンヌ通奏後もピッチは変化しない。 ・G/Dの10度の差音が良く聴こえる。 悪い点 ・1〜3時間放置でA/Dが10セントほど下がる ・G線がほぼ伸びきったと思われる状態でも茶色の巻き線が糸枕上まで来てしまう。調弦がスムースではありません。 ★ パッショーネの慣らし期間は3日必要 車の慣らし運転に相当する期間は最低3日は必要です。ピッチと音質は3日でほぼ安定しました。ワーチャルも同程度です。合成弦・ガット弦を問わず、張ってすぐ使いたい向きにはハイフェッツの方法があります。セカンド・ヴァイオリン(2台目)をお持ちの方、メインの楽器を使いながら、セカンドへ3〜4日間張って弦を伸ばした後メインに付け替えれば、すぐ使えます。ストレッチャーとして使うわけですね。 ★ ピッチの安定度 パッショーネのピッチ安定度はワーチャルと同程度か、それより少し落ちる程度。 ★ 賞味期限は? 合成弦の賞味期限は良く弾く人で2−3週間と言われます。1日平均5時間弾くとすると稼動70−100時間です。ガットは毎日弾いて手入れをきちっとすると3ヶ月〜半年は持つといわれています。価格的に倍・半では無いのに合成弦を選ぶのはピッチの安定度が良いからでしょう。ワーチャル・ブリリアントの賞味期限は私の場合1−2ヶ月(100−150時間)です。パッショーネについては新製品であり未知数です。 ★ ワーチャルの「深く艶やか」対 パッショーネの「丸く柔らかい」 ワーチャルとパッショーネの音質比較です。 G線 D線 A線 E線 ワーチャル 深い 張りのある 艶やか 輝き パッショーネ 丸い 柔らかい 弱い 鋭い ★ パッショーネを鳴らすには ワーチャルと比べてパッショーネはやや強い弓圧が必要です。S.Pはやや駒寄りがベターでした。ワーチャルと同じ弓使いではパッショーネは鳴りません。 ★ 楽器と弦の相性 弦と楽器には相性があります。又、弓や松脂も関係します。音質・音量は弓圧・弓の速度・S.Pでも変化します。従って、弦単独の評価はほとんど無意味で、ある特定の楽器と奏者の組み合わせで弦の比較が意味を持ちます。 現時点では私の楽器にはパッショーネよりワーチャルの方が合っていると思いました。色んな曲を弾くなどもう少し様子をみてから最終判断としたいと思います。
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