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このアルバムに針を落とした時、静かに日本人の根底から失われつつある旋律を、呼び覚ます。 言い換えれば、日本の古来からある言い伝えや民謡は奏でられ、そしてときと共に、忘れ去らる危険性を帯びる。 意識の中に埋没し、時間の経過と供に、消去される日本の文化。 生活が便利になればなるほど古い風習、文化はためらいも無く、切り捨てられて行く。 その、忘れ去られた、微塵の根底から、古来の旋律を呼び起こしてくれる、そんな、構成に仕上がっているように思う。 アルバムの説明にも、あらゆる文化に於ける急速な発展によって、いよいよ濃厚にになるメカニズムに支配された私達の生活の場から祖国の伝統が退歩し、日本人の本質である素朴な要素がなくなりつつあります。云々、と記載されている。 全くその通りであると思う。 このアルバムは、津軽地方、恐山に題材をとって、その地方特有の楽器を合わせ、山屋清がイメージし、一枚のアルバムに仕上げている。 惜しくも、山屋清はなくなられましたが、彼の残した、イメージとしての、日本人の深く根底にある和の旋律を、最新鋭のPCM録音により、絶と妙なまでに呼び覚ましてくれる。 つくづく、民族の音楽、その地方に古来から伝わる、伝統や風習をありのまま、残していって貰いたいものであると、切に願うが、残すという事は限りなく膨大な人々の力と、たゆまぬ努力とが結集して、今日にその、旋律を残す事が出来ている。と思う。 結局、壊す事、忘れ去る事なんて一瞬の内に、出来てしまう事ではなかろうかと思う。 このアルバムは3部作に構成され、この『津軽/恐山』の他、『京』、『琉球』へと続く、またの機会にアップして行きたい。 そして、単なる、和楽器とオーケストラのコラボではないと言うことは、記しておきたい。 ■TUGARU/OSOREZAN 『津軽/恐山』 □PCM録音による日本の旋律 □第一面 恐山 (作曲・指揮・山尾 清) 琵琶:平山 万佐子 尺八:郡山 直樹 太鼓:瀬上 養之助 林 あきら 畑中 健三 山屋清とコンテンポラリー・サウンド・オーケストラ □第二面 じょんがらの里 (作曲・指揮・山屋 清) 津軽三味線:沢田 勝秋 尺八:三橋 貴風 山屋清とコンテンポラリー・サウンド・オーケストラ □日本コロムビア株式会社 □DENON PCM □WX−7503 □1976年度作品 □12インチ盤 注・第一面の演奏者紹介で、(作曲・指揮・山尾 清)と記載されていました。山尾ではなく、山屋の誤植ではないかと思う。が、そのまま、アップしました。そんなことも、あるもんだネ。 |

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