石丸書店 業務日報

管理人の日常などをつらつらと……

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 てなわけで、前回から三週間近く間が空いてしまいましたが、今日は小説版『ファイクエII』の続きといきたいと思います。
 なお、前回はコチラ

 それでは、本文スタート!

 翌朝、三人は荷物をまとめると、クリーンファクトリーに向けて出発した。
 道路を渡り、さらに坂道を登っていく。
 そうして到着したクリーンファクトリーは、これまでとは少しばかり違う変化をしていた。
「こ、これって……」
 これまでの場所は元から林であった壱の松原を除き、ファンタジックな外見になっていたのだが、このクリーンファクトリーはレンガ造りながらも、ちょうど産業革命が起きた頃の工場のような様相を呈していたのだった。
「よし、行ってみよう」
「うん……」
 石川を先頭に、三人はクリーンファクトリーに入っていった。

 このクリーンファクトリーは、彼ら三人はつい先日、学校の社会科見学で来ていたのだが、内部構造は別の意味で驚くべき変化を遂げていた。
 通路の下には溶岩のような、ドロドロに溶けた真っ赤な川が流れ、周囲では巨大なプレス機が機械らしい規則正しさでゴミを潰し続けている。
 それはまるで……
「ダ、ダ●トマンステージ……?」
「いや、バーニ●・ナウ●ンダーでしょ」
 そう、彼らが愛好しているアクションゲームに出てくる、工場のステージによく似ていたのだ。
 こういう所に出てくる敵と言えば……。

 ガシャン!

 足音が響き、三人はそちらの方を向く。
 そこに立っていたのは……
「ぎぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ、出たぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「オバケぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
 石川と上田が悲鳴を上げる。
 それはボロボロになった、ゾンビのようなモンスターだった。
 しかし、
「バカ、よく見ろ! ありゃメカだぜ!」
「へっ!?」
 岡野の言う通り、それはスクラップになりかけたアーマーだった。
 とは言え、壊れかけた姿で迫ってくるのは、生身(?)のゾンビとはまた違った気色悪さがある。
「ギィィィィィィッ!」
 ゾンビアーマーは軋むような咆哮を上げながら襲い掛かってくる。
 しかし、
「ゴミ捨て場に帰れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」

 バキィィィィィィィィィィィィッ!

 岡野の鉄拳が飛び、アーマーは近くの溶鉱炉に落下して、沈んでいった。
「ふう、気持ち悪い奴だった……」
「そうだね」
 苦笑する一同だったが、そこへさらに足音が響く。
「……まさか?」
「ギィィィ……」
「ガァァァ……」
「ゲェェェ……」
 ゆっくりと振り向いた三人が目にしたのは、数にして二十体以上のゾンビアーマーだった。
「に、逃げろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
 三人は一目散に走りだす。
 さすがにこれだけの数のゾンビアーマーを相手にするのは骨が折れるし、それ以前に、こんな気色悪い連中と戦いたくないというのが本音だった。
 しばらく走った後、三人は工場の一角で一休みしていた。
 相変わらず、周囲はゴミ処理用の機械の駆動音に包まれている。
 そんな時だった。

 ゴロゴロゴロゴロゴロ……

「んっ……?」
 機械の音に交じって、何かが転がってくるような音が聞こえ、三人は耳を澄ませる。
 音はどんどん近づいてきた。
 三人が音のする方を見てみると、巨大な、直径2メートルはありそうな歯車が転がってくるところだった。
「ぬわぁに!?」
 三人の目が、驚愕のために見開かれる。
 しかしそれは、ただの歯車ではなかった。
 その上に、ピエロのような姿をしたモンスターが、玉乗りの要領で乗っていたのだ。
 車輪ピエロという道化師タイプのモンスターで、トゥエクラニフでは遺跡などのダンジョンに潜み、迷い込んできた哀れな犠牲者を石の車輪で轢き潰してしまうという。
「轢き殺す!」
 これまでに無いほど物騒な台詞を吐きながら、車輪ピエロは歯車をゴロゴロ転がしながら三人に迫っていった。
「おっと!」
 三人は横に飛んで避けるが、ピエロは方向転換すると、執拗に三人を追い回す。
 そうこうしているうちに、一同は狭い通路に追い込まれていった。
 ここでは横に逃げることも出来ない。
 このまま力尽きたら、そのまま歯車でペシャンコにされてしまうだろう。
「このっ、これならどうだ!」

 ディ・カ・ダー・マ・モウ・バッ・ダ!
(火の神よ、猛火の裁きを!)

「火炎呪文・メガフレア!」
 上田の掌から、ピエロに向かって火球が飛ぶ。
 しかし、それは歯車にぶつかると、何事もなかったかのようにかき消されてしまった。
「うっそー!?」
 上田が驚きの声を上げる。
 岡野や石川も、振り返って反撃しようにも、どうにも歯車が邪魔してピエロまで攻撃を届かせることが出来ないでいた。
 だが、運はまだ、彼らを見捨ててはいなかった。
 逃げながら、上田が壁に貼られた工場内の見取り図を見つけたのだ。
 彼らの進路の先はT字路になっていて、その先は溶鉱炉になっているようだった。
 即座に上田が考えを巡らせる。
「二人とも、このすぐ先がT字路になってるみたい! おれに考えがあるから、聞いて!」
「なになに?」
 走りながらも、上田は石川達に耳打ちをする。
 それを聞いた二人が、ニヤリとほほ笑んだ。
「よし、やってみるか!」
 三人はスピードを上げて、T字路に向かっていく。
 車輪ピエロもそれに劣らないスピードで、三人の後を追った。
 そしてついに、正面のT字路へと到着した。
 その先は見取り図の通り、真っ赤な溶岩がグラグラと音を立てていた。
 三人は振り返ると、車輪ピエロの方をにらみつける。
「ケケケケケケケケケケケカカカカ!」
 車輪ピエロは勝ち誇ったように、スピードを上げて三人に突撃していく。
 その歯車が、まさに眼前に迫った時、三人はニヤッと笑って、両側の通路に飛びのいた。
「ほんじゃ、バイバイ♪」
「なにいっ!?」
 さしものピエロも急停止する事はかなわず、そのまま溶鉱炉へと真っ逆さまに落ちていった。
「ぎぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
 下の方からピエロの悲鳴と、「バッシャァァァァン!」という水音が聞こえてくる。
「アーメン」
 三人は目を閉じて十字を切ると、さらに通路の奥へと進んでいくのだった。



〜つづく〜

閉じる コメント(3)

> 内緒さん
有難う御座います。
と言いつつ、実はこのステージ、イメージBGMは(前にも書きましたが)ジャンクマンだったりします(爆)。
メタルシャーク・プレイヤーは全然記憶に無いなぁ……(『X6』は店頭の体験版くらいしかやってない)。

お、良くお分かりで。
実はキャラのもともとのイメージは『ロックマン2』のピエロボットなんですが、特徴に関してはボンボンの漫画版のノーティをイメージしました。

2019/8/19(月) 午後 10:02 [ アカサカ ]

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こんばんはです〜

廃れたメカとか人形って、
確かにゾンビにも負けない怖さがありそうですね……;

更にピエロまで……て、そっちはケフカモードの際に見慣れたので、
そこまで怖いイメージは無いかもしれません(笑)
見事全員回避できたようで良かったです♪

2019/8/21(水) 午後 2:07 月魔サースィ

> 月魔サースィさん
こんばんは〜。

そうそう、かえってズタボロの姿が、妙な不気味さがあったりするんですよね……。

そう言えば以前は道化師のケフカ姿でしたね(笑)。
清掃工場ステージならではの仕掛けを描写してみました。(^ ^)

2019/8/21(水) 午後 11:22 [ アカサカ ]


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