お道具箱日記

アシスティブテクノロジー・AAC・AIMについての情報を提供します。今年は支援技術6年(2012年が元年と私が勝手に決めました。

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 みなさん、Windowsのソフトには、さまざまなショートカットキーがあるのをご存知ですね。
 
 たとえば、テキストや画像を選択してCtrl+Cで、テキストや画像をコピーできましたね。
 
 あるいは、Power Pointのスライドショーでは右矢印キーで次のスライドに進んだり、左矢印キーで戻ったりできます。。
 
 ところで、iPadではiOS 6まで一部のテキスト操作やVoice Overを利用して時を除いて、ショートカットキーは使えなかったようです。
 
 それが、iOS 7ではキーボードショートカットを実装するためのAPIが追加されて、一部のアプリですがショートカットキーが使えるようになりました。
 ※APIとはアプリケーションプログラムがOSの機能を利用するための手順
 
参照
【iOS 7】iPadのSafari・メール・Pagesに追加された外付けキーボード向けショートカットキー
http://www.appbank.net/2013/11/08/iphone-news/696998.php
(Keynoteで、スライドを進めるときに、ショートカットキーがあれば良いのに、何故かありませんね。)
 
 やはり、外付けのキーボードを使ってiPadのアプリを利用している人も、少なからずおられるのですね。
 
 ジェスチャーを用いるよりは、キー操作でやるほうが速くて確実なときがあり、Appleもその必要性を認めたのかもしれません。
 
 さて、このショートカットキーとアクセシビリティは、密接な関係があるのです
 
 たとえば、全盲の方はこういったショートカットキーを利用して、Windowsの操作をされています。
 
  また、ショートカットキーでアプリなどを操作できるということは、上肢などに障がいのある人が外部スイッチを使って操作できるということとほぼ同等なのです。
 
 支援教育の現場では、外部スイッチにそういったショートカットキーを割り当てることは、Windowsで以前からよくおこなわれいました。
 
 Windwosで外部スイッチを使う場合は、Joytokey(シェアウエア)という世界的に有名な日本で開発されたゲーム用ユーティリティが使われています。
 
 このソフトは、ゲームパッドのキーなどに、ショートカットキーなどを割り当てることができます。
JoyToKey 公式ホームページ
http://joytokey.net/ja/
 
 たとえば「できマウス。」もこのユーティリティを利用して、Windowsのスイッチ操作を可能にしています。
 
 一方海外では、上肢などに障がいのある方用に作られたSwitch Driver 6(フリー)というユーティリティが有名なようです。このソフトの優れた点は、間違ってスイッチを押したり何度もスイッチを押してしまうことを無視する機能があることです。
 
 これは、スイッチにマウスの左クリックなどを割り当てた時も有効です。したがってクリックを連打するお子さんにも使えます。
 

 また、ハードウェアとしてはFootSwitchなどのスイッチとスイッチインターフェースが一体となったものも販売されています。
 
 
 私自身はREVIVE USBというUSBデバイス用のモジュールを使ってスイッチインターフェースを作り、スイッチでWindowsを操作することを行っています。
 また、この自作スイッチインターフェースはiPadにも対応し、iPadのスイッチコントロールの機能を利用したアプリなどの操作に利用しています。(下の写真参照)
 
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 もし、多くのアプリでWindowsのようにほぼ統一したキーの組み合わせで、同じ操作ができるショートカットキーを設定すれば、スイッチコントロールを利用しなくても、スイッチで操作できることが増えます。
 
 スイッチコントロールの問題点は、Voiceoverと同じようにiPadの操作方法が大きく変わってしまうことです。したがって、スイッチコントロールの使い方を理解するには認知の"障壁"があるのです。
 
 この障壁は、利用者側だけでなく支援者側にも結構厚い障壁だと私は思います。特に支援学校では、重度重複の児童生徒にとって、認知の点からいってもスイッチコントロールは使いにくい場合が多いと思います。
 
 たとえば、ページをめくるという操作に右矢印キーのショートカットキーが割り当てられていれば、そういったお子さんの多くが、本のページを自分でめくることができるます。
 
 ところで、iOS7で新たに可能になったショートカットキーですが、iOS6でもスイッチで操作できるアプリはあることを皆さんはご存じでしょう。
 
 このようなアプリはどのようにしてスイッチ入力を可能にしていたのでしょうか。
 
 たとえば、スイッチ対応アプリ(たとえばVoice4uで外部スイッチを有効にしたとき)を立ち上げたとき、スクリーンキーボードが表示された経験がありませんか。
 
 Voice4uなどは実は隠しテキストフィールドという方法を使って、外部キーボードからの入力を受け付けるという手を使っているようです。
 
 iOS6では外部キーボードは反応するのはテキストフィールドだけです、したがって見えないテキストフィールドに入力されたキーを調べて、その結果でたとえば次のページに進むということをしています。
 
 iOS7になって、このようなトリッキーなことはする必要がなくなりました。
 
 少し専門的になりますが、iOSのUIResponder KeyCommndsという方法を使って、ショートカットキーが簡単に設定できるようになりました。
 
 具体的には以下がそのコードの一部です。
- (NSArray *)keyCommands {
    return @[
        [UIKeyCommand keyCommandWithInput:UIKeyInputRightArrow modifierFlags:0 action:@selector(nextPage)]
    ];
}
 
参照
How and Why to Implement Keyboard Shortcuts in iOS 7 April 3, 2014
http://www.danandcheryl.com/2014/04/how-and-why-to-implement-keyboard-shortcuts-in-ios-7
 
 上記のコードの場合、外付けキーボードの右矢印キー(UIKeyInputRightArrow)を押すと、nextPageというコマンド(メソッド)が実行されます。このnextPageに次のページに進むというコードを書いておけば、この場合右矢印キーを押すと、次のページに進みます。
 
 おそらく、iOS用のアプリを開発されているかたなら、簡単にこの機能を実装することはできるかと思います。
 
 開発者の方には、画面の移動などには上下左右の矢印キーや、またボタンをタップするという操作には、SpaceやEnterあるいは1,3を用いてください。多くのiPad用のスイッチインターフェースは、これらのキーに対応しています。
 
 そうすれば、開発されたアプリがより使いやすく、重度の障がいのある方を含めて多くの方に利用できるようになると思います。
 
 この記事を読んでいただいてお分かりになっていただいたかと思いますが、ショートカットキーは障がいのあるなしに関わらずユニバーサルなものなのです。
 
 AppleもiOS7になって、やっとショートカットキーのAPIを公開してくれました。でも、残念ながらそのことはまだ、多くの方に知られていません。
 
 多くの開発者、特に教育や支援用のアプリを開発する方が、そのユニバーサルな点に気づいて実装してくれることを私は望んでいます。
 
 そして、私も単に傍観しているだけでなく、新たな実験を始めるつもりです。
 
 途中で果てるかもしれない長い実験です。
 
 私がかつて取り組んだことのないような大きな事業の中で、私の知識やスキルの限りを尽くしてやっていこうと思っています。
 
 ※文頭の写真は、Xcodeでスイッチ入力対応アプリを開発し、iOSシュミレーターでそれを試している様子。右矢印キーに相当するスイッチを押すと次のページに進みます。

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