お道具箱日記

アシスティブテクノロジー・AAC・AIMについての情報を提供します。今年は支援技術6年(2012年が元年と私が勝手に決めました。

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 日本時間の9月17日(木)に、iOS9がリリースされました。以前からiOSのアクセシビリティの追っかけをしていますので、早速ダウンロードして色々と試してみました。
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 ただ、今年は6月にでたiOS9の開発者用のバージョンですでに試していたので、以前のようにどんな機能があるかワクワクしながらの試行ではありません。

 でも、正式バージョンを試し、Appleのアクセシビリティチームの素晴らしい成果に、称賛の言葉を贈りたいと思います。

 さて、今回のリリースの大きな特徴は、上肢などに困難がある方のための新しい機能が追加され、また追加変更されたということです。

 新規機能としては、タッチ調整とキーボードがあります。また、追加変更された点としてはスイッチコントロールのレシピがあります。

 タッチ調整については、すでに6月にこのブログで報告しましたので、今回は表題のようにレシピを取り上げたいと思います。

参照
iOS9 アクセシビリティ速報 Touch Accommodations(タッチ調整)とはどんな配慮? 〜WWDC2015から〜

 初めて”レシピ”という語句を見たとき、スイッチと調理法にいったいどんな関連性があるの?と疑問に思うとともに、iOSのアクセシビリティにとって、なんでレシピという語句がここにあるのかわかりませんでした。

 おそらく、みなさんも何の機能かわからないかと思います。

 たぶんそれを見越して、Appleもレシピの機能について詳しい説明をいれています。以下がその説明です。

「レシピとは、スイッチに一時的に割り当てることのできる独自の操作法のことです。iBooksでページをめくる操作やゲームで一連のアクションを実行する操作など、Appでよく行う操作や複雑な操作を割り当てることができます。一連のジェスチャーをレシピの一部として記録することもできます。」

 この説明にでているiBooksのように、電子書籍のページをめくるということでレシピを設明すると分かりやすいと思います。

 具体的には、ひとつの外部スイッチにページをめくるという操作を割り当てることができます。iBooksの場合、ジェスチャーとしては、右から左スワイプです。指先を軽くタッチパネルに触れて右から左へ指を動かす動作ですね。

 Microsoftのエクセルをよく使っておられるかたにとっては、レシピとは、結局Windowsでいうところのマクロのようなものと言えばわかりやすいかと思います。

 レシピには、ひとつだけでなく複数のスイッチにそれぞれ操作を割り当てることができます。丁度調理で、包丁や鍋、ボウルなどを使うように。

 したがって、本を読むとき、前のページに戻る操作をもうひとつのスイッチに割り当ててやると便利ですね。iBooksの場合は、左から右のスワイプの操作になります。

 では、実際にやってみましょう。

 1、iOS9のiPad(iPhone)に、「できiPad。」などのスイッチインターフェースかブルーツースのキーボード、あるいはカメラコネクションキットとUSBのキーボードをつないでください。
 
 2、iPadで、”設定”アプリの”一般”→”アクセシビリティ”→”スイッチコントロール”から”スイッチ”→”新しいスイッチの追加…”で外部スイッチを追加してください。
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 今回は、ページをめくることとだけでなく、戻ったりするので、2つのスイッチで試してみます。もちろん1つのスイッチでも結構です。

 さてキーボードの場合は、SpaceとEnterキーを追加するのがよいかと思います。”新スイッチ”にはスイッチ名をいれるのですが、私の場合はSpaceやEnterなどキーの名前にしています。

 「できiPad。」の場合は、海外アプリモードかトーキングエイドモードがよいかと思います。外部スイッチを1と2のコネクターに差し込んでください。
 
 3、次に外部スイッチを実際に押して、アクティベートします。

 4、続いて、スイッチに割り当てる”アクション”の選択ですが、レシピの場合はなんでもよいのです。レシピを利用中は、本来のアクションがレシピで割り当てられた操作に置き換わります。

 でも、レシピ以外の機能も使う場合のことも考慮すると、Spaceには”次の項目に移動”、 Enterには”項目を選択”のアクションを選択するのがよいと思います。

 5、スイッチを追加したら、”スイッチコントロール”の画面に戻り、”レシピ”をタップしてください。 “レシピ”には、すでに2つの調理法が登録されています。そのうち”ページ移動”をタップしてください。 先ほどの2つのスイッチがすでに設定されています。
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 6、“レシピ”にもどり”レシピを起動”をタップしてください。そして、”ページ移動”をタップしてチェックをいれてください。チェックを入れたら、”スイッチコントロール”に戻ってください。

 7、最初にある”スイッチコントロール”をオンにしてください。もし、すでに”スイッチコントロール”をオンにしていたら、オフにしてから再度オンにしてください。
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 オンにした途端、一瞬「スイッチは”ページ移動”レシピを使用するように設定されています。」というメッセジが画面中央に現れます。

 8、iBooksを立ち上げ、適当な本を表示します。そしてSpaceに相当するスイッチを押すとページがめくられ、Enterに相当するスイッチを押すと、前のページに戻ります(逆かもしれません)。

 この”ページ移動”レシピは、いわゆる電子紙芝居アプリやKeynoteなど多くのアプリで利用できます。したがって最初から登録されているのだと思います。

 ただし、Keynoteの場合は前のスライドにはこの設定ではもどれませんが。もう少しスイッチに割り当てる操作に”味付け”が必要なんです。

 今回は、既存の”ページ移動”というレシピを使いました。自分で作る場合は、”レシピを新規作成…”をタップして、レシピの”名前”をつけ、”スイッチを割り当てる…”で、最初に追加したスイッチを選択して、それぞれのスイッチに”アクション”を割り当てていきす。

 割り当てられる”アクション”は以下6個があります。
・画面の中央
・右から左スワイプ
・左から右スワイプ
・カスタムジェスチャ
 ※最初の説明の「一連のジェスチャーをレシピの一部として記録することもできます。」とはこのジェスチャ
・レシピを終了
・項目を選択(自動ハイライト有効)

 レシピにとって、この中のカスタムジェスチャです。

 特に重度の肢体不自由のお子さんひとりひとりにあった教具としてiPadを利用する場合、このカスタムジェスチャーを支援者が習得すれば鬼に金棒で、子どもたちにとっては、i+Padタッチャー以上に様々なそしてより高度な操作が可能となります。

 iPadを教具として使っている肢体不自由の学校の先生方、”カスタムジェスチャ”に挑戦して、自分が考えた”料理”を子どもたちに食べてもらいませんか?

 きっと、子どもたちは喜びますよ。

 と、書いたところで、いきなり私の方は、先の見えないアプリのバグ取りに再びもどります。

 追記
 もともとは、
「スイッチコントロールのレシピでどんな料理が作れるの?」 「太鼓が叩けるんだよ! それもドンドンだけでなく、カッカッも」「えー」 という表題でしたが、最後まで書くのにはまだまだ時間がかかります。したがって、タイムオーバー(開発しているアプリの利用者の方々から要望のあった改良のため)でここまでとしました。

 たぶん”カスタムジェスチャ”の名称から、どんな機能かわかる人も多いかと思います。また、この項目をタップしたら、使い方は書いてあります。もしわからないという方はFaceBookの”いいね!”をポチしてくださいね。みなさんの要望が多い場合、上記の表題で続きを書かせていただこうかと思っています。

参照 すべて英文です。
iOS 9 Accessibility Switch Control - The Missing User Guide Ablenet Updated 09/15/15(PDF スイッチコントロールの解説書)

What’s New in iOS 9 for Accessibility | The Website of Luis Perez(動画あり)

・Accessibility for motor-impaired gamers in iOS9 | IAN HAMILTON(ゲーマーの視点からです。ここに引用されている”Apple Accessibility Team: Thanks and a Plea”の動画は、ぜひ見てください。英国のOneSwitch.orgさんからのものです。スイッチゲームユーザーの歴史とともに、i+Padタッチャーがでてきます。確かF先生による太鼓の達人のデモの場面です。嘆願は英語圏の各地から有名な実践者がしています。この嘆願が今回実現しました。Apple万歳!!!)

iOS Accessibility WWDC2015(6月のもの動画)

・What’s New and Changed in iOS 9 Accessibility for Blind and Deaf-Blind Users | AppleVis(主に視覚障がい)

※イラストは、ドロップスを使わせていただきました。
いつもありがとうございます。

この記事に


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