お道具箱日記

アシスティブテクノロジー・AAC・AIMについての情報を提供します。今年は支援技術6年(2012年が元年と私が勝手に決めました。

全体表示

[ リスト ]


 日本時間6月6日早朝からカリフォルニア州サンノゼで、アップルの世界開発者会議が開催されています。

 新しいiPad ProやiMac Proなどが発表され、iOSの新しい機能など日本のサイトでも大々的に取り上げてられていますが、残念ながら今回もアクセシビリティについて日本ではあまり取り上げられていません。

 また、WWDCの最初に行われるキーノートで例年新しいアクセシビリティの機能について、ティム・クックが取り上げることが多いのですが、今回はまったくなかったようです。

 でもアクセシビリティを重視しているアップルが、iOSのアクセシビリティに関して、まったく新しいものがないということは考えられませんね。

 そこで、以下のキーノートの動画を詳しく見てみると、プレゼンターのクレイグ・フェデリギが話しているときのほんの数秒(92分45秒付近)、iOS11の新たに付け加えられた、あるいは強化された様々な機能がテキストで表示されています。

Apple Events - WWDC Keynote, June 2017 - Apple

 次の写真がプレゼンのスクリーンショットを引用させてもらったものです。

イメージ 1

 スクリーンショットの項目は60近くあり、そのうち次の項目がアクセシビリティに関するものだと思われます。簡単な解説をつけておきますが、あくまでも推測なので実際にリリースされたiOS11では、下の記述は間違っているかもしれません。
 
 スクリーンショットをよく見てみると、キーノートでは取り上げられませんでしたが、さすがアップル9項目もありました。

①Type to Siri Accessibility 文字入力でSiriが使える
②PDF accessibility PDFアクセシビリティ
③Enhanced Switch Control typing 強化されたスイッチコントロールの文字入力
④Spoken / braille captions for video 動画の音声や点字による字幕
⑤Redesigned Invert Colors 再設計された色の反転機能
⑥Enhanced Dynamic Type support 強化されたダイナミックタイプ(より大きな文字)サポート
⑦Expanded braille editing 拡張された点字の編集機能
⑧One-handed keyboard 片手キーボード
⑨VoiceOver descriptions for images ボイスオーバーで画像の説明

①のSiriが音声だけでなくキーボードでタイプして利用できるようになるれば、聾の方や肢体不自由で声を出すことが困難な方に役立ちそうです。

②と③に関しては、これだけでは詳しくわかりません。ベータ版などで試して見る必要があります。

④に関しては、全盲あるいは盲聾の方に役立つかもしれません。

⑤に関しては、現在もiOSは色を反転する機能があり、これを利用している弱視の方もいます。ただ、Windowsと違って画像の色も反転してしまうことが不評でした。

 このことで以前、写真や画像を反転しない選択肢をつけてくれるようアップルに要望をだしたことがあります。このオプションがつけられていれば、うれしいのですが、さっそくこんな記事もありました。
 弱視の方だけでなく、ダークモードは一定の需要があるのですね。

【動画】iOS11では「ダークモード」が利用可能! - グノシー
【iOS 11】次期iOSではダークモード(スマート反転)が使えるように アクセシビリティから機能をオンに | CoRRiENTE.top

アップル ブラボー!

※実はこの機能については、アップルは開発者用ドキュメントですでに公開しています。
 参照の説明では、写真や動画に”destructive impact”(壊滅的なインパクト)を与えると書かれています。それならもっと早く治して欲しかったですね。
以下参照 英語
accessibilityIgnoresInvertColors - UIView | Apple Developer Documentation
 
⑥についても、iOS10で「さらに大きな文字」という設定で実現されています。でも、例えば画面に表示された文字列を長押ししたとき表示されるポップアップメニューの項目名が小さいとか、このポップアップで表示される辞書(調べる)をタップしたときの辞書で表示される文字の大きさが小さく、それも変更できないということに弱視の方だけでなく、老眼の方も読みにくいと感じている方は多いかと思います。
 これらに「さらに大きな文字」の機能が適応されるようになるとありがたいです。

⑦はこれだけでは、不明です。

⑧は、片手しか使えない人にも役立つかもしれません。

⑨は、現在写真アプリの写真については、ボイスオーバーをオンにすると、正確かどうかは別にして映っているものを読み上げてくれる機能があります。
 これは、何が映っているかの判断材料にはなるのですが、この機能が写真アプリ以外の画像にも広がるのでしょうか?
 iOS11で機械学習の機能が開発者に公開されました。写真の読み上げの機能も機械学習を用いているようです。公開に伴って機能が強化されたのでしょうか?

 上記のアクセシビリティに関すること以外に、個人的には以下の項目も興味があります。これらの機能が実現されると、今までMacにiPadを繋げてやっていたことや、サードバーティ製のアプリでやっていたことをiOSの標準アプリでできるので便利ですね。
①Screenshot and markup スクリーンショットに書き込みができる
②QR code support QRコードのサポート
③Screen recoding 画面録画
④PDF annotaion in iBooks iBooksでPDFの書き込みができる

 iOS11では、アクセシビリティについて大きな進展はないようですが、今までの機能をより充実して障がいのある人一人一人にフィットできるような選択肢を提供したと言えるのではないでしょうか。

 みなさんiOS11がリリースされる秋が楽しみですね。

追伸:
 読者のみなさん、長い間このブログを休んでいました。関わっていた大きなプロジェクトもほぼ終わり、またアプリの開発も目標には達しませんでしたが、8本のアプリをリリースできました。これからは、元の生活に戻りぼちぼちブログも書いていこうと思っています。再びよろしくお願いします。


.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事