愛する人やスター

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 「日本人は貧しいが、貧困ではない」 まだ、人情や義理があった頃、彼が言った。

「日本人は裕福であるが、貧困である。」 これが現代。情けない。

私自身も、多少のゆとりが必要だ。遅刻をする癖に、ゆとりが無い。
当てはまるのは私だけだろうか。皆、日常の一瞬一瞬の中に、安堵感を見つけているのだろうか。
 ゆとりを持ちながら、突っ走ったら、きっと色々なモノが見えてくるに違いない。

 主人公が、妹のセツと洋食屋へ行くシーンがある。
マナーなど分からないセツと、うろ覚えでテーブルマナーを知っている主人公。店にそぐわない2人。
DVDを見ていて、幼少の頃の私を思い出した。

 ある日、父は幼い私を連れて、洒落た洋食屋(何せ、お子様ランチが無い、
アベックが行くような所)へ入った。子供に一人前、など有り得ない父は確か、
ライスだけ2人分頼んで、料理は1つだけ頼んだ。
 平らな皿に御飯が乗っており、ハンバーグの横には、綺麗な人参の付け合わせ。
紙ナフキンにしかれたフォークとナイフ。場違いな所というのは、子供ながらに理解出来た。

父「食べ方分かるか?」

私「…」

父(自慢気に)「ライスはな、フォークの背中の部分にナイフで乗せて食べるんだぞ。」

私「何でライスって言うの?」

父「皿の上に乗っていたらライスだ。」

 酷く食べにくい。しかし、何だかお洒落で上等な食べ方に思えた。
隣のテーブルの男の人が店員に「すいませーん、割り箸貰えますか?」と言っていた。

私「お父さん、お箸使っても良いの?あの人お箸使ってるよ。」

父「…外国の人は箸を使わないだろう。」

私「フォークの上に乗せて食べるの?」

父「箸は家でも使えるだろう。」

 父は、青森弁を使わない人である。寺山修司の演出をいつも思わせる。
外国はハイカラと言う時代に育った父は、35をとっくに過ぎて生まれた長女が、
さぞ可愛かったのだろう。
 常に情けない姿を見せない人で、私を連れて行く所は、(虫捕り以外)
いつも都会的な所であった。ただ、考える事が古風な父は、哀しい事に、洒落た所が似合わない。
田舎コンプレックスな所はやはり、寺山修司によく似ている。

荒木さぁ〜ん! ケータイ投稿記事

 私は自分の顔が不器量だと思っている。

うろ覚えだが、写真家アラーキーの言葉にこのようなものがあった。
「器量が悪いっていうのはね、迫力があるんだよ」
やはり本来の男は
「そんなに気にする事ないと思うけどな〜、好みによるんじゃない?」
な〜んて一万年前から言われているような変な慰めを言わない。

 顔が悪いってさ、
「ぶす」って落語がある位で、なかなか無視出来ない存在なんだよ。
こんな胸張って言えるのは、彼の言葉が後押ししてくれているのもあるんだな。

 凄いブスと、凄い美人って滅多にいない。 私は忘れられないような顔面ブスは、まだ見た事がない。
ただ性格がどうしようもなくなっている人は、わりといるもんで、これもまた、度肝を抜かれます。

 中学の頃、ひどく器量が悪く太った体で、声もしゃがれた女の体育のT先生がいた。

 ある日の体育祭、100m走のスタートで、どうしてもフライングしてしまう女の子がいた。
何度もやり直しをさせられ、それでもリズムを呑み込めない事を、
学校中が苛立ち始めたのを察したのか、彼女が泣き出した。その時、T先生が叫んだ。

「もういいじゃないの!次で走らせなさい!」
そういって泣いている女の子に駆け寄り、励ましていた。
T先生は学校の年長、古株。誰も逆らえない。彼女の言う通り、競技は行われた。

心からイジメを嫌う人だった。
「私はね、イジメを見付けたら、いじめている生徒を力一杯、止めてと言うまでビンタするよ。
体罰だ、と言われても止めない。体の傷は治るけど、心の傷は、一生残るんだから。」

キレる中学生、学級崩壊の走りに、私はいた訳だ。
多くの教師がメディアに踊らされ、学年集会で「この中で自殺や人を殺したいと思った事がある人!」
と、血気盛んに叫ぶ教師が多かった中、
彼女は上の言葉だけを貫いていた。
(ヤンキーと言われる子も、彼女の圧倒的なエネルギーにはチョッカイを出せなかった。)

彼女の言葉で印象深いものがある。
「最低な女になれ、と言われたら、女は一週間で最低になれる。
だけど、最高の女になるには、一生かかってもなれるかどうか分からない。
いい女になるように心がける事はとても難しいけれど、だからこそ、日々努力しなさい。」

まだ初経も始まっていないような生徒のいる前で彼女は言った。

 卒業の日、T先生にアルバムに、言葉を書いて貰った。
(何を書いてくれたんだろう)ドキドキしながら見た時、彼女の魂の美しさが子供ながらに理解出来た。

"水泳をもう少し丁寧に見てあげられなかったのが、私の悔いです"

私は水泳が苦手で、10m行けたら良い方だった。私の事など、忘れているだろう。
諦めていると思っていた。

 彼女は自分の悔いを、卒業生だからといってチャラにしなかった。
私は、清く正しく美しいT先生の言葉を、今もしみじみ感じている。
真っ黒な顔で体育の授業を教えてくれた彼女は、美しい、本当の教育者だと信じている。

吉井和哉を知った日 ケータイ投稿記事

 MDウォークマンを最大音にし、イヤホンから流れる、吉井ロビンソンの声を聴きながら、
(私にとっての)お姉ちゃんが言った。
「なんでも許してくれそうだよね。」
どうして一体こんな事を、人生に入れ込んじゃったんだろう所に私達はいた。
「SADE JOPLIN」を聴きながら、お姉ちゃんの膝の上に頭を乗せ、まどろんでいた頃を思い出す。
どうか、何らかの力で勇気づけられ、何らかの形で生きている事を切に願う。


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