Green W.

遅くなったけれど類、お誕生日おめでとう!(しかしいまだに話は総つく。しかも季節は12月・・・)

5.もどかしい恋のお題【総つく】

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「これだけひっぱっといて、結局それかい!?」

 っというツッコミも聞こえてきそうですが。

 総ちゃんが告白もすることないまま・・・・

 つくしが恋心を抱いた様子すらないまま・・・・

 大学生編終了、続きは社会人編となります。


 ラストまでのストーリはほぼ決まっているのですが、書き溜めていたストックが底をつき、

ちょうどキリのいい(?)ここらあたりでしばらくお休みいたします・・・。 

 1週間ほどお休みしたら、また再開する予定です。

 今までだらだらと続くお話に根気よくお付き合いいただきありがとうございました。

 自分でも、こんなに長くなってしまっていいのか・・・!?と結構、真剣に考えるところも

あったのですが、どうせ好きでやってることだし・・・と自由気侭に突っ走っております。


 勢いだけでこのブログを始めた小心者としましては、予想外に大勢の方がいらしてくださって

ビビリつつも、たいへん励みになりました。

 よろしければ、今後ともお付き合い下さい。
                                                
じゃみ

俺が用意したドレスを着た牧野は想像以上に綺麗で、つかの間でも彼女をエスコートできて

俺は幸せだった。

 司と類のメッセージを受けて泣き出すあいつを、滋や桜子たちが泣き笑いしながら慰めて、

それを穏やかな表情で見守るあきらと優紀ちゃん。

 そんな様子をバルコニーから眺める。

 涙を流している牧野がほんとうにうれしそうで、何より曇りがとれたように綺麗で。

 余計なことを考える前に、手にしたシャンパンを飲み干して、その光景に背を向けた。



 おりしも今夜は十五夜。

 いつか俺のマンションで一緒にみた満月のことを思い出す。 

 あの時は俺も自分の気持ちに気づいてなくて・・・とにかく牧野と一緒にいることが

なぜ心地いいのか深く考えもせず、単純に二人の時間を楽しんでいた。

 というより、たぶん、心のどこかでわかっていたのに、必死にそこから目をそらしていた気がする。

 今思えば、あの月見の夜が、きっと俺にとって一番単純に幸せな時だったんだろう。



「西門さん」

 背後から牧野に呼ばれる。

 グラスをバルコニーの手すりににおいて、ゆっくりと振り向くと青いドレスに身を包んだ

牧野が泣きそうになりながら立っていた。

 冬の冴えた月の光に照らされた牧野は、ドレスの色とあいあまってひどく頼りなく見える。

 そんな顔して、俺を揺さぶるな・・・。

そんな想いを押し殺し、そっけなく言葉を返す。

「なんだよ、牧野。そんな格好で外にいると風邪引くぞ」

「今日はほんとうにありがとう。」

それでも牧野は真剣なまなざしでそう言うから、さらにふざけた笑顔を浮かべて見せた。

「準備したのは、ほとんど滋と桜子だ。俺はお前を迎えにいっただけだぜ。」

なのに、牧野は真剣な様子を崩さない。

「でも、道明寺と花沢類からのメッセージ、ほんとにうれしかった。それから、今まで、

ほんとうにありがとう。西門さんがいてくれなかったら、きっと今日のあたしはなかったよ。」

 俺が必死で余計なことを考えないように努力しているのに。

 そんなこと言いながら、目の前で涙をこぼすから。

 俺はたまらず牧野を俺の腕の中に抱きしめていた。

「おおげさな奴だな。二人で飲んで騒いでただけだろーが。」

 外気に冷やされた牧野の体が冷たくて、もっと温めたくて。

 思わず腕に力が入る。

「でも、あたしにはとって、ほんとにかけがえのない時間だったんだよ。

・・・おかげでこれからは、がんばれるよ。西門さんに迷惑かけないように、がんばる。」

 腕の中にいるこの女は。

 自分の言葉がどんなに俺の心をかき乱しているのか、考えもつかないんだろう。

 俺にとってもお前との時間はかけがえのないもので・・・その時間がお前の傷を癒して、

そのまま力強く羽ばたいていくと言うなら・・・俺は静かにそれを見守る。

 だけどそんなことを言えるはずもなく。

 俺はただ牧野の細いからだを大切な宝物のように抱きしめていた。


 ふと部屋の中に目をやると・・・そんな俺たちの様子を物いいたげに見つめていた

あきらと目が合う。

 大丈夫だぜ、あきら。

 俺と牧野はこれ以上どうにもならないから。
 
 だからせめて、今日ぐらい、こいつの側にいさせて欲しい・・・。
 
 そんな想いをこめて、あきらを見返した。

いくら行き先を聞いても教えてくれなかった西門さんとあたしを乗せた車は、しばらく

走り続け、見覚えのある家の門を入っていく・・・・。

 この異常に花と彫刻にあふれた白亜の豪邸は・・・・

「ここって・・・・美作さんの家!?」

玄関に停まった車の扉を運転手さんが開けてくれて、外に出た瞬間、ドアから走り出てきた

滋さんにぎゅうーっと抱きしめられた。

「卒業おめでと〜!つくし、久しぶり〜!!」

 ぎゅうぎゅう抱きしめられて、ほとんど呼吸困難になりながら滋さんの肩越しに玄関前を

見ると、綺麗にドレスアップした美作さんに桜子、優紀がいる。

「おい、滋、いい加減牧野を離してやれよ。窒息死するぞ。」

 そういいながら、美作さんがあたしから滋さんを引き離してくれる。

 その様子に笑いながら優紀が教えてくれた。

「今日はね、滋さんと西門さんと、つくしの合同卒業祝いパーティだよ。久々にみんなで

集まろうって。」

「いつまでもこんな寒い中、外につったってないで、さっさと中に入りましょう。」

 いつも冷静な桜子に促され、あたしは滋さんに引きずられつつ立派なお屋敷の中に

入っていった。

 久々のみんなとの再会がうれしくて・・・でも、道明寺と花沢類の姿がないことに

どこかでショックを受けていた。



 部屋に着くなりシャンパンで乾杯して、久々に高校時代のようなバカな話をしてもりあがる。

 一応、あたしたちの卒業祝いということになっていたけど、話題の中心はいつの間にか

付き合っていた桜子と美作さん。

 たしかに高校の頃は、二人がつきあうとは思えなかったもんねぇ・・・。
 
 滋さんの猛攻撃に根をあげかけていた美作さんが話題を変えるためにか、あたしに

話しかけてきた。

「司と類にも声をかけたんだけどな、二人とも仕事の都合でどうしてもこれなかったんだよ。

あいつら二人とも今、海外にいる。その代わり・・・ほら」

 テーブルに置かれたパソコンを指し示す。

 そこには・・・・ふてくされた顔をした道明寺が映っていた。

「道明寺〜!?」

『おっせーよ、お前ら!いったいこの忙しい俺様をどんだけ待たせりゃ気が済むんだ!』

 NYはまだ朝早い時間帯なのに仕事の途中なのか、ビジネススーツに身を包んだ道明寺。

 別れた頃より、精悍さがでてすっかり大人の男の人って感じがする・・・。

 もっとも、言ってることはあいかわらずオレ様なんだけど。

 『牧野、おまえ、たまには連絡してこい。就職きまったのも黙ってるなんて、水クセーだろ。』

「・・・ごめんね。久しぶりだね・・・元気そうでよかったよ、道明寺。」

 思わず胸がいっぱいになって、やっとそれだけ言うと、画面の向こうの道明寺が優しく

微笑んだ。

『卒業できてよかったな。がんばれよ。』

 その言葉がほんとうにうれしくて、泣きそうになる。

 でも現実は容赦なくて、画面の向こうの秘書らしき人の『そろそろお時間が・・・』という声が。

「ありがとう、道明寺!また必ず連絡するね。」

 『おう』と短く答えた道明寺が消えた後も画面を見つめていると、横からオレンジと

白のバラを中心に明るい色調でアレンジされた花束が差し出された。

「せーんぱい。まだまだ泣くのは早いですよ。」

 桜子に手渡された花束にはカードがついていて・・・

 封筒に書かれた「To Makino」という文字を見ただけで、その差出人が誰だかわかって

しまった・・・・。

 繊細な線で書かれた綺麗な筆記体。

 緊張と不安に包まれたまま、レース状に縁を綺麗にカットされたいい香りのするカードを

取り出す。

『卒業おめでとう。次に会うときは、笑顔で会おうね。いつでも牧野の味方だよ。 Rui 』

 花沢類・・・・。

 今すぐは無理でも、きっといつか前みたいにあなたと会いたいよ・・・。

 無意識のうちに花束をぐっと抱きしめる。

 道明寺の優しさがうれしくて、花沢類の愛情がもったいなくて、みんなの友情が身に

しみて・・・。

 思わず涙ぐんでしまったあたし。


 そして・・・今日のこの日を企画してくれたであろう、西門さんを目で探した。

 大学の卒業式のその日、あたしは結局、西門さんが用意してくれたドレスをきて卒業式に

臨んだ。

 服のサイズなんて話したことがないのに、そのドレスはあつらえたようにぴったりで、

遊び人はこんなことまで得意なんだ・・・と妙なことに感心した。

 鏡の前でドレス姿を確認しながら、いろいろあったこの2年間を振り返る。

 途中でとんでもない方向に走りそうになりながらも何とか無事に大学を卒業する。

 苦しいこともあったけど、楽しい思い出もいっぱい。
 
 その楽しかったことのほとんどに西門さんが関わっている気がする。
 
 いい加減、あたしも西門さんから独り立ちして、自分の力でがんばらなきゃ。
 
 そう心に誓った。




 卒業式を涙ぐみながら終え、謝恩会でなんだかんだと楽しくつるんだゼミの友達と

騒いだあと、みんなと別れて謝恩会会場のホテルのロビーに向かう。

 西門さんとはここで待ち合わせをしていた。

 他にもあたしと同じように待ち合わせている人たちでロビーはけっこう混みあっていて、

うまく見つかるかなと思ったけど。

 そんな心配はまったく無用だった。

 広いロビーの一角にあきらかに人の視線が集中しているところがある。

 そこには、黒のタキシードを着用した西門さんがいた。

 いい加減見慣れて普段はなんとも思わなくなっていたけど、こうしてみるとやっぱり

この人は規格外の美形なんだ・・・

 180センチ越えの身長と、8頭身の黄金比で構成された抜群のプロポーション。

 顔かたちが綺麗なだけじゃなくて、ピシッと伸びた背筋やちょっとした動作がいちいち優雅だ。

 こればっかりはどんなに着飾ったって、普通の人にはけっしてまねできないと思わせる。

 しかも日ごろの女遊びが功を奏してか(?)、漆黒の瞳にもさりげない手の動きにも

なんともいえない艶がある。

 だいたいこの年で、タキシードを着て違和感なくかっこいいなんて、やっぱり普通じゃない。
 
 そんなことを考えながら西門さんに見とれていると、むこうがあたしに気づいた。
 
 ニヤニヤしながらあたしに近づいてくる。
 
 そんな意地悪そうな顔をしてても男前だなんて、反則だ。

「あんまりカッコいいからって惚れるなよ、つくしちゃん。」

「誰が惚れるか!って、西門さん、何でそんなかっこしてるのよ!?」

 照れ隠しに必要以上に声が大きくなる。

「って、うるせーよ。お前がそんな格好なのに、俺が普通だったらおかしいだろーが。

ほら、つべこべ言ってないで、とっとと行くぞ。」

 そう言って、西門さんは流れるように自然な動作であたしの手をとって自分の腕に

絡ませると、車寄せまでエスコートしてくれた。

 そこには西門家のお抱え運転手さんがドアを開けた状態で待機する黒のベンツが。

 周囲の視線が痛いんですけど・・・西門さん。

 あたしの卒業式の1週前の水曜日に3月最後のお茶のお稽古があった。

 就職してからも、できる範囲で水曜日の夜にお稽古をつけてもらうことにしていたけれど、

なんとなくその日が一区切りと言う気がして、自然と熱が入る。

 それが逆に力みすぎって西門さんに注意されちゃったけど。



 お稽古が終わった後、例の東京タワーのパズルをなんとか完成させた。

 最初はあんなに文句ばっかり言っていた西門さんだったけど、終わってみれば彼のほうが

ハマッていたような気がする。

 この3ヶ月弱の間に、いつの間にかパズルを収めるための専用巨大ケースを買ってきてくれていた。

 パズルだって実際のところ3分の2ぐらい彼が仕上げたようなものだ。

 その努力を認めて、最後の1ピースは彼に入れさせてあげた。

 完成した後、ためしに電気を消して「ライトアップされた夜の東京タワー」を鑑賞しながら

二人で乾杯した。
 
 西門さんはやっぱり「趣味わりぃ・・・」と文句いってたけど。



 あたしは翌日は春から就職する会社の事前セミナーがあったから、お酒はほどほどに

して自分のアパートに帰ることにした。

 いつものように西門さんがタクシーを呼んでくれて、アパートまで送ってくれる。

 ここで会うときは、たいがいいつもお酒を飲んでいたから、西門さんの運転で送っては

もらえない。

 あたしにしてみれば、電車で帰れるし、まして西門さんがわざわざタクシーに同乗して

送ってもらうなんてお金ももったいないから、いいよって断るんだけど、彼の

矜持が夜遅くに女の子を一人でタクシーに乗せることを許さないらしい。

 普段はあたしを女扱いなんかしないくせに、変に固いところがあるのが西門さんだ。

 最初のうちはいつもそれで言い合いになってたけど、いつの頃からかあきらめた。

 どうせ口論であたしに勝ち目はない。

 だからいつものように二人でエントランスまで行ったのだけど、その日は大きな紙袋を

持ってきた。

「な・・・何?これ?」

「おまえ、来週卒業式だろ?クリスマスプレゼントのお返しをかねた卒業祝い。」

「でも西門さんだって、この前卒業式だったのに、あたし何にもしなかったよ・・・。」

英徳大学の卒業式はずいぶん早くて、3月始めに終わっていた。西門さんは、結局卒業式には

いかなかったらしいけど。

「俺の場合は、ほとんど学校にいってなかったし、別にめでたくもなんともないから

いいんだよ。」

「そういうもんかなぁ・・・?」

 なんか妙に大きなそれを受け取っていいような、受け取るのが怖いような微妙な感じが

したけれど、ここで断るのは悪い気がして、素直にお礼を言う。

「じゃあ、遠慮せずにもらうね。ありがとう。でも、えらく大きいけど、これ何?」

「家に帰ってあけてみろよ。ま、俺は牧野みたいに悪趣味じゃないから、1.5メートルの

パズルじゃないことだけは確かだ。」

 まだ言ってるよ。自分だって楽しんでたくせに。

 そのままその大きな荷物を西門さんに持ってもらって、二人でタクシーに乗り込む。



 慣れた調子で西門さんがあたしの家の住所を告げた。

「お前、卒業式の後の予定は?」

「式の後は、ゼミの子たちや教授と一緒に謝恩会。ひょっとしたら、その後のノリで

2次会ぐらいあるかもしれないけど。」

「じゃあ、謝恩会の終わる時間と場所を教えろ。迎えに行くから。」

「何、それ。なんか強引。」

「どうせお前のゼミ友達は、その後カレシと二人で卒業祝いだろ?独り身のかわいそうな

つくしちゃんのために、お兄さんがお祝いしてやるよ。」

 なんか微妙にシツレイな言い方だったけど、実際そのとおりだったし、西門さんとこんな風に

あえるのもあと少しだと思うとそのお誘いにのることにした。

 ただしあの派手なフェラーリで迎えに来るのだけは、丁重にお断りしたけど。



 家に帰って西門さんからのプレゼントをあけてみると、ドレスと小物一式が入っていた。

 たしかに帰国子女が多いうちの大学の卒業式は結構派手なことで有名で、袴よりも

ドレス着用の子のほうが多い。

 この期におよんで、あたしは何を着ようか迷ってたぐらいでとてもありがたいのだけど。

 ブルーのベルベット地のドレスは襟元にファーがついていて、ウエストの大振りなリボンが

とても素敵なものだった。


 西門さん、あたしによくしてくれすぎだよ・・・・。

 あたしはなぜだかため息をついていた。

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