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新刊紹介
シェールガス・オイルの輝ける未来
著者 幾島賢治
多くの日本人が原子力こそが日本のエネルギー源の根幹を担うと思っていた。温室効果ガスを出さない。核サイクルが確立すれば資源は十分ある。安全性についても数十年に及ぶ運転経験から十分確立されているはず。などと思い込んでいたのである。
しかし、このフクシマの事故によって、全国の原子力発電所が停止し、日本の電力は再び化石燃料に頼ることとなった。一夜にして一国のエネルギー政策が根本から覆されたわけである。
このような中、今シェールガスおよびシェールオイルという新しいエネルギー資源が注目を浴びている。無尽蔵ともいわれる埋蔵量、大消費地アメリカのすぐ足元で発見された資源、安価な採掘コスト。そのインパクトは実に強大で、革命ともいわれる。輸出が始まれば、日本のエネルギー政策にも当然、大きな影響を与えることになるだろう。
4月24日付のニューヨークタイムスは「しばらく目を閉じて2023年に目を開けたら、あなたは、まったく異なったエネルギーワールドを目の当たりにすることになるだろう」と新エネルギーのインパクトについて述べている。
発電用にとどまらず、トラックや列車もシェールガスで走るようになるだろう。その結果、アメリカは世界有数の石油の輸出国になる。シェールガスはプラスチックや合成繊維の原料ともなり、合成液体燃料が作られるかもしれない。これからのエネルギー問題はシェールガス・オイルを抜きにして語ることはできなくなるだろう。
日本にとってみれば、原子力発電所の事故。正にその時に舞台に登場したエネルギー源という意味合いも持つ。
本書は、この新しいエネルギー資源について採掘からエネルギー源としての活用、石油化学・合成燃料への応用、日本のエネルギー産業への影響までを幅広く、かつ平易に解説している。著者は「燃料電池の話」や「液体燃料化技術の最前線」などの著書、あるいはラジオ番組「明日のエコより、今日のエコ」ででパーソナリティとしてエネルギー技術についてわかりやすく解説している。
シェールガス・オイル全般を知るための入門書として、正にタイムリーに刊行された好書である。
発行所:シーエムシー出版株式会社
発行日:2013年6月21日
体裁: 版139頁
定価:1,500 円+税
以上
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