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イランは核兵器を持つべきだ:米国の学者の宣言
アメリカや西ヨーロッパの諸国が、イランの核開発が核兵器の製造に迫り、それが中東地域の安全を犯す大きな脅威になっているとして、イランの核開発を抑制するために躍起になっているが、国際政治の専門家であるコロンビア大学のケネス・ワルツ教授は「イランに核兵器を持たせることこそが、中東の安全につながる」とする論文をこの分野では権威のあるフォリン・アフェアー誌に発表した。今年の7・8月号の巻頭論文である。
論理は明快である。米国やヨーロッパ諸国の指導者は、イスラエルも含めて、核兵器を持ったイランは中近東の平和を維持するためには、最悪の状況であると唱えているが、実はそれが逆に、最善の状況であるとして、その理由を述べている。今までの歴史を振り返れば、核兵器を装備した新しい国が出現するたびに、他の国はその現実を認め、その国と協調してやってきている。軍事力の格差を縮小することは、その地域や国際間の安定性を増強することはあるが、削減することは無い。中近東における国際間の不安定性は、イスラエルだけが核兵器を持っていることによって起こっているのである。力関係は、バランスしている方が、不均衡の状態よりも望ましい。イランが、不合理な性格をもっていて、通常の論理ではその行動が理解できないとする議論があるが、今までのイランの行動は、非常に論理的である。ホルムス海峡を閉鎖するとして先進諸国を脅かしたが、そうすれば米国の軍によって深刻な打撃を加えられることを承知しているので、実施しなかった。今までの歴史は、ある国が核兵器を持つと、その国はより以上に危険に晒されていることを自覚し、大国の攻撃の対象にされていることに注意する。その結果、大胆な攻撃を控えるようになるのである。
以上の論理で、イランの核兵器保有を是認するのであるが、この議論は、日本の場合にも当てはまる。日本が核兵器を保有することによって、中国や北朝鮮からの軍事的な脅威の度合いが減退するのである。それが、東アジアの平和と安定に寄与するのである。このワルツ教授の意見が近い内に米国でより広く認められるであろう。それと同時に、日本としてもこの考え方を流布して、一般の人々の核アレルギーを解消してゆくことを努力すると共に、米国の世論を日本の核兵器保有を是認する方向に誘導することが必要である。
目良浩一
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