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カリフォルニア・グレンデール市の慰安婦像建立と問題点:
そして緊急政策提言
1.去る7月9日に、ロサンジェルスの北に隣接する中規模都市グレンデール市が、市議会で7月30日にソウルにある物と同じ慰安婦像を公園に設置することを決議した。その市議会には、日本人(日系アメリカ人をふくむ)が約80人出席し、そのうち29名が発言して、反対意見を述べた。韓国系の人は、7名が賛成意見を述べた。他に二人の白人が発言し、反対意見を述べた。圧倒的な反対意見にもかかわらず、決議案は、承認されたが、このように多数の日本人が地方の都市の議会に出席して、日本人の名誉のために発言したことは、特筆に価する。一部反日新聞で書かれているような右翼の輩などではない、教養と知識を持つ市井の日本人及び日系人が、己の言葉で発言したのであり、多くの有志の努力によるものである。
2.賛成した市議員の中には、この像は人間性の尊重を志向するものであって、韓国と日本の関係の悪化を目的とするものではないと、言明する者もいたが、これによって、日本国や日本人は、人権を無視して弱者を苦悩の極限に追いやる野蛮人であることを示すことになるばかりでなく、日本にとっては、最大の名誉毀損である。しかも、賛成した議員は、現地の日本総領事館が反対していないことを付言した。
3.この件について当地の日本総領事館は事情を察知していたが、なんらの有効な対策を打てなかったばかりか、反対声明も公表しなかった。
4.議案に賛成した議員は、日本軍が朝鮮で強制的に若い女性を拉致して、性的な奴隷にしたという韓国側の主張が真実であると主張して、更に日本政府がそれを認めたことをその証明であるとして、賛成票を投じている。
5.この成功を受けて、韓国系の団体は、米国内の多数の都市に同様な慰安婦像を建てようとしている。
6.このまま放置すれば、米国内に日本を蔑視する風潮が蔓延する危険性が高い。極めて危険なことである。ここで生活する者だからこそ危機感をひしひしと感じている。
7. 緊急提言1: 日本の外務省は、総力を挙げてこのような動きを阻止するように在外公館に指示を与えること。
8. 緊急提言2: 災いの根源になっている1993年の河野談話を直ちに修正して、慰安婦の採用にあたっては、政府や軍は関与していなかったことを明確に公表すること。
9.南カリフォルニア在住の多数の日本人や日系人は、この問題に対して積極的に運動を続ける意思を持っている。しかし、政府見解を明確に打ち出さない限り、徒労に等しいことになる。
JASCA NETWORK
責任者:目良浩一
ロサンジェルス在住
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時事問題
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アメリカに見放される日本
目良浩一
安倍総理大臣の意気揚々たるアメリカからの帰国に対比して、ウオールストリート・ジャーナル(2013年2月24日)は二本の論説を掲載して、日本に明らかな警告を対して発したのである。尖閣諸島の問題に対して、オバマ大統領は日本を防衛するとは、公言しなかった。また、ケリー国務長官も、前任者のクリントン長官とは異なり、日本を中国からの侵略に対して、防衛するとはいわなかった、として、オバマ第二期政権が日本防衛に関して、中国への気兼ねが強く、腰が引けていることを指摘している。オバマは安倍に対して、絶対に中国に軍事力を行使しないように念を押したのではないかとの、推測も出ている。米国は、戦争に巻き込まれたくないのである。日米同盟よりも、自国の安全が重要なのである。
それと同時に、最近のフォリン・アフェアーズ誌 (2013年3・4月号)は、著名な日本政治の専門家。コロンビア大学教授ジェラルド・カーティスの論文を掲載し、そこで米国の日本支援が徹底していないときには、日本は自分で防衛の手段を持たなければならないであろうとの主張が述べられている。カーティスは、現在極めて危険な状態にある日中関係に言及して、安倍政権の下では領土問題が日中間に決定的な軍事的衝突になりかねないことを指摘し、その際にアメリカが日本を徹底的に防御すると公言していなければ、日本は当然のこととして、自力で防衛手段を構築せざれを得ず、日本の防衛力を数段強化することになると警告している。
共和党に財政力を抑えられたオバマ政権としては、国内問題への対処に忙殺し、極東の小さな小島の問題に関して米国の防衛力を行使する決定は出来ないのかも知れない。また、中国の軍事力にも、経済力にも恐れをなしているかもしれない。いずれにしても、米国に世界の警察官としての力はなくなっている。最近の安倍総理に対する対応にそれが如実に現れているといってよいであろう。つまり、日米安保条約の条文にかかわらず、米国は日本を見放そうとしているのである。このことを、日本のメディアは、報道していないし、安倍政権の中でも、どの程度この認識があるのか不明である。
しかし、これらの論説が意味するところは、明確である。日本は米国の防衛の傘の下で守られているという虚偽の安心感を振り捨てて、本格的な防衛力を装備することが急務であることである。安倍総理の2月28日の施政方針演説に従って、「強い日本」を作ることが必要である。「強い日本」を打ち出した背景には、総理の直前に経験したワシントンでの失望が反映されているのかもしれない。
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イランは核兵器を持つべきだ:米国の学者の宣言
アメリカや西ヨーロッパの諸国が、イランの核開発が核兵器の製造に迫り、それが中東地域の安全を犯す大きな脅威になっているとして、イランの核開発を抑制するために躍起になっているが、国際政治の専門家であるコロンビア大学のケネス・ワルツ教授は「イランに核兵器を持たせることこそが、中東の安全につながる」とする論文をこの分野では権威のあるフォリン・アフェアー誌に発表した。今年の7・8月号の巻頭論文である。
論理は明快である。米国やヨーロッパ諸国の指導者は、イスラエルも含めて、核兵器を持ったイランは中近東の平和を維持するためには、最悪の状況であると唱えているが、実はそれが逆に、最善の状況であるとして、その理由を述べている。今までの歴史を振り返れば、核兵器を装備した新しい国が出現するたびに、他の国はその現実を認め、その国と協調してやってきている。軍事力の格差を縮小することは、その地域や国際間の安定性を増強することはあるが、削減することは無い。中近東における国際間の不安定性は、イスラエルだけが核兵器を持っていることによって起こっているのである。力関係は、バランスしている方が、不均衡の状態よりも望ましい。イランが、不合理な性格をもっていて、通常の論理ではその行動が理解できないとする議論があるが、今までのイランの行動は、非常に論理的である。ホルムス海峡を閉鎖するとして先進諸国を脅かしたが、そうすれば米国の軍によって深刻な打撃を加えられることを承知しているので、実施しなかった。今までの歴史は、ある国が核兵器を持つと、その国はより以上に危険に晒されていることを自覚し、大国の攻撃の対象にされていることに注意する。その結果、大胆な攻撃を控えるようになるのである。
以上の論理で、イランの核兵器保有を是認するのであるが、この議論は、日本の場合にも当てはまる。日本が核兵器を保有することによって、中国や北朝鮮からの軍事的な脅威の度合いが減退するのである。それが、東アジアの平和と安定に寄与するのである。このワルツ教授の意見が近い内に米国でより広く認められるであろう。それと同時に、日本としてもこの考え方を流布して、一般の人々の核アレルギーを解消してゆくことを努力すると共に、米国の世論を日本の核兵器保有を是認する方向に誘導することが必要である。
目良浩一
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オバマ大統領が韓国系キム博士を次期世界銀行総裁候補に指名
目良浩一
3月23日、オバマ大統領は、韓国生まれの米国人、ジム・ヨン・キム氏を次期世界銀行の総裁候補に指名したと、ホワイト・ハウスで発表した。キム氏は、5歳のとき家族と共に米国に移住し、ハーバード大学で医学を学び、医師の資格を取り、その後人類学で博士号を取得し、その後開発途上国において結核の治療方法について画期的な方法を開発し、世界保健機構(WHO)においてAIDS関係の局長を経験し、3年前からダートマス大学学長として活躍していた。アジア系としては始めてのアイビーリーグ大学の学長である。正直に言って、この方は、非常に優秀な方のようです。開発途上国の事情に詳しく、健康を通じて開発を助ける努力を長く続けてきた人です。今まで、金融系の人が総裁として指導をしてきた機関に、今回は人類学・医学の専門家をトップに立てて、進めて行こうという構想です。もし、この選択に問題があるとすれば、彼がどの程度金融・経済の専門家と共に、開発協力を進めていけるかということです。
今まで、米国人が総裁のポストを独占してきた世界銀行であるが、近年はそれに対してより公正な選択をしようとの他の国からの要求が強く押し出されているので、米国大統領の指名者が直ちに、総裁に任命されるわけではない。既に他に二名が推薦されている。しかし、昨年フランスの財務大臣をIMFの専務理事にすることに賛同した米国は今回はヨーロッパ諸国の支持を得て、さらに多くのアジア諸国の支持も得て、総裁に就任することは、ほぼ確実である。
しかし、日本人や日系人にとってこの選択は一つの衝撃である。それは、日本の方が韓国よりも近代化において先進国であるという意識があるからである。観かたによっては、米国または、オバマ政権が韓国をえこひいきしていると考える人もいるかもしれない。ただし、オバマ大統領は、日本と韓国の違いや二国間の相克関係は正直のところ、あまり分かっていないでしょう。「東アジアに、まじめで優秀な人々がいる、彼らは、人類開闢以来の経済成長を成し遂げた」程度の理解で、その中で、韓国の方が、最近特に積極的で、取り付きやすい。李明博氏の方が、安定感があり、親しみやすい。そこで、韓国と付き合う内に、韓国の美点が見えてきた。素晴らしい学校教師を持っている、愛国心が強い、向上への意欲が明白である、などです。そこで、オバマ大統領は、昨年の年頭の教書で韓国を褒め上げた経験があります。、それに対して、日本は、えらそうにしているが、何を考えているか不明で、一旦主張したことを実行しない、国家の首長が頻繁に変わる、などで、愛想をつかしたのでしょう。衰退してゆく国には、誰も見向きをしないといった状況でしょう。
それと、日本の外務省は、日系アメリカ人を日本人と認めません。日系アメリカ人に優秀な人がいても、積極的に推奨しません。それに反して、きっと今回の場合は、韓国からの後押しもあったのではないかと思います。
この指名でオバマ大統領としては、思い切った人種差別排斥の手を打ったと思います。アジア系アメリカ人にとっては、大歓迎すべき事柄です。アメリカにおいて、アジア系の人が表座敷に始めて出てきたといったところです。この選択によって、アジアの多くの国は、キム氏を支持するでしょう。勿論、日本も支持するでしょう。米国の外交としては大成功です。しかし、これを、韓国系の人たちは、積年の反日運動が実を結んだと思うかも知れませんし、韓国人の優秀性の証明であると考えるかもしれません。日系の人には、複雑な感情が残るでしょう。
しかし、この判断も日本の現在の状況からして導かれた結果として考えるべきでしょう。現在の国家の指導者層の貧困さ、日本人一般が現状に満足して、改善意欲が乏しくなっていること、政治家が個人の利益を国家の安全や繁栄よりも重視していることなど問題は山積しています。慰安婦問題のように、国家の名誉が傷つけられても、何の公式声明も出さずに、抵抗しない政府のもとに、問題を回避し続けてきた国家には、黎明は訪れないかもしれない。日本再生研究会の使命はいかにも大きい。
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日本は自衛力の強化が必要:ランド報告書と米国の意図
目良浩一
今月の10日に米国の防衛関係の大手シンクタンク、ランド・コーポレーションが「中国との紛争(Conflict with China)」と題する報告書を公表した(http://www.rand.org/news/2011/10/10/index1.html)。この報告書は全13ページであるが、この報告書は米国陸軍からの依頼で作成された。内容は、今後二十年内に起こりうる米国と中国との紛争について幅広く検討し、米国政府が実施すべき政策を提言しているのである。それだけであれば、別に特に注目する必要はないかもしれないが、その報告書をインターネットを通じて世界に公表しているのである。その点において、この報告書は、中国を含む関係諸国に対しての示唆を含むものであり、日本としても米国の考えを理解するために、慎重に検討すべきものである。ランドは、防衛問題については、一流中の一流研究機関であり、その発表内容は、アメリカ政府に強い影響をあたえると考えられる。しかも、それを一般公表すること自体が、政府がその内容について大きな異論がないことを示していると考えてよいと思われる。日本政府としては、決して見落としてはいけない書類である。
内容は、中国の経済が急速に成長し、それにつれて軍事力も伸びてきている。二十年後には経済の規模においても防衛力においても米国を凌駕すると思われる。今までの米国一国によるスーパーパワーの世界支配が、二頭体制になるのである。しかし、米中が真正面から戦う可能性は小さいとしている。経済が相互に密接に相互依存の体制になっているので、そして両国の核弾頭による第二次射撃の力があるので、このような破滅的な戦争は起こらないであろう。起こりうることは、中国からの電子通信(サイバースペース)に対する攻撃であろう。この点に関しては、米国は十分な警戒をし、それに対する対策を立てておく必要があるとしているが、この分野では防衛よりも攻撃のほうが容易であるので、電子通信に依存した攻撃用兵器は将来は信頼度が落ちる可能性がかなりあるとしている。
米中間の直接対決以外に、中国がその周辺諸国に対して軍事力を行使することは十分に有りうるとして、北朝鮮の政府崩壊の場合、台湾に対する中国人民解放軍の進入の場合、南シナ海諸島の領有の問題などが議論されている。そして日本については、尖閣諸島の問題にも触れ、日本には中国の人たちの永年の恨みがあるので、紛争が起こりうるとしている。その際には、米国は安全保障条約の締結国の日本を守るべきであるとしている。そして、その場合には、中国本土の軍事目標地点を米国とともに日本も直接に攻撃する必要性も検討すべきであるとしている。ここで注目すべきことは、日本が直接に中国内の目標に攻撃することを指摘している点である。日本が後生大事に抱えている「新憲法」はまったく無視されている。高度化する中国軍の軍事力と技術を考えると、米国が日本を直接に防衛することが益々困難な課題になっていくとして、日本の防衛力強化に期待を寄せている。
このような事態が派生した場合には、現在のところは、中国の探知機の機能、通信技術、ミサイルの射程などが限られているので米軍が有利にことを運ぶことができるが、近年中に中国の技術が向上して米国の有利性が減退する。電子通信の妨害などによって米国の得意とする遠隔操縦は満足に機能しないことも出てくる。そのような場合に頼りになるのは、近距離から発射する伝統的な攻撃である。そして、米国の相対的な優位性が減退する中、アジア近隣諸国の防衛力の強化が望まれるとし、特に日本、韓国、オーストラリアなどは、強化する中国の軍事力に対して昨年の実績が示すように、断固たる態度を取っているとし、米国としては中国を包囲する防衛網を作る意図はないが、それらの国がさらに防衛力を強化することが望ましいとしている。
10月22日に米国の防衛長官がインドネシアのバリでのアセアン会議において発言したように、アメリカは東南アジアや西太平洋地域において中国が軍事力を誇示して、領土や領海を拡大しようとしていることに警戒感を深めている。そして、米国内における支出削減の要請にもかかわらず、米国にとっては太平洋地域は優先地域であることにまったく変化はないと言明している。この方針には変化はないであろう。しかし、この地域の平和と安定をどのように保ってゆくかについては、上記の報告書はかなりの示唆を含んでいる。すなわち、防衛予算の削減を余儀なくされる米国が、飛躍的に急速に発展する中国に対して、西太平洋地域でそれに匹敵する防衛力を保つには、防衛される当事国自体のそれに対する貢献の度合いの上昇が必須なのである。今まで以上に、日本自体の防衛力増強が要請されることを予期しなければならない。そしてそれには、おそらく核兵器の装備も含まれるであろう。
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