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カリフォルニア州のポール・マソッン・マウンテン・ワイナリーというところで,毎年6月から9月のシーズンに,著名なアーティストを招いて野外コンサートが開かれていたようですが,メル・トーメとジョージ・シアリングも,1987年8月と1990年9月に招待され,そこで演奏されたライブ録音がコンコードから発売されていました。 この「ア・ヴィンテージ・イヤー 」は1987年8月の方のコンサートを収録したものであります。 真夏の昼下がりの屋外という開放的な環境とより多くの聴衆を前にした,闊達でダイナミックなショウになっているとライナーに書かれております。 ジャズ・ヴォーカルは通常聴きませんが,ここで聴かれたメル・トーメの声は実に素晴らしいものだったので,アップすることにしました。
このアルバムの全ては,YouTubeで聴くことができますので,2006年10月23日の三具保夫氏によるライナーの曲目解説とともに,お聴きください。
01. Whisper Not 〜 Love Me or Leave Me 02. Out of This World 03. Someday I'll Find You (*) 04. The Midnight Sun 05. New York, New York Medley 06. The Folks Who Live on the Hill 07. Bittersweet (*) 08. Since I Fell for You 09. The Way You Look Tonight 10. Anyone Can Whistle 〜 A Tune for Humming (**) 11. When Sunny Gets Blue 12. Little Man You've Had a Busy Day メル・トーメ( vo)(*)(**) をのぞく ジョージ・シアリング( p) ジョン・ライサム( b)(**)をのぞく ドニー・オズボーン(ds)(*)(**)をのぞく
1987年8月録音
Concord原盤 (1)ウィスパー・ノット〜 ラヴ・ミー・オア・リーヴ・ミー 「ウィスパー・ノット」はベニー・ゴルソンが作曲したジャズ・スタンダード。ジャズ評論家のレナード・フェザーが歌詞を書いている。トーメは1962年のアルバム『カミン・ホーム・ベイビー』(アトランティック)でも歌っていた。モダンなフレージングで軽快にスイングし,途中でガス・カーン(作詞)とウォルター・ドナルドソン(作曲)1928年の歌「ラヴ・ミー・オア・リーヴ・ミー」をはさむ。
(2)アウト・オブ・ディス・ワールド
1945年にジョニー・マーサーが作詞,ハロルド・アーレンが作曲した。英文ジャケットのクレジットではコール・ポーター作となっているが,ポーターに同名のブロードウェイ・ミュージカルがあるので混同したのか。
(3)サムデイ・アイル・ファインド・ユー
イギリスのノエル・カワード1930年の作品で,翌年カワードとガートルード・ローレンスがレコーディングした。シアリングとベースのジョン・ライサムのデュオ演奏。
(4)ミッドナイト・サン
1947年にライオネル・ハンプトンとソニー・バークが作曲,1954年になってジョニー・マーサーが歌詞をつけた。こってりと演奏あるいは歌われる場合が多いが,トーメは十分にフィールしながらも彼独特のリリシズムで爽やかに歌い上げる。バックのサポートも秀逸。
(5)ニューヨーク・ニューヨーク・メドレー
ライザ・ミネリが主演したミュージカル映画のタイトル曲「ニューヨーク・ニューヨーク」のイントロが始まると観客は大喜び。
だがトーメは1917年に出版されたエドガー・レスリーとE・レイ・ゲーツ作詞,ジョージ・マイヤー作曲の「フォー・ミー・アンド・マイ・ギャル」を歌いだして爆笑を誘う(英文ジャケットの曲名・作詞者・作曲者クレジットは誤り)。
途中で1914年にハーバート・レイノルズが作詞,ジェローム・カーンが作曲した「ゼイ・ディドゥント・ビリーヴ・ミー」(英文ジャケットにクレジットなし)に移り,「マック・ザ・ナイフ」に変わる。
1928年ミュージカル『三文オペラ』のためにベルトルト・ブレヒトが作詞,クルト・ワイルが作曲したドイツ語のナンバーで,英詞は1954年マーク・ブリッツスタイン。「ブルースの誕生」はバッド・デ・シルヴァーとルー・ブラウンが作詞,レイ・ヘンダーソンが作曲した1926年の歌で、サミー・デイヴィス・ジュニアのオハコ。
「センド・ア・リトル・ラヴ・マイ・ウェイ」はバート・バカラックとのコンビで有名なハル・デイヴィッド(作詞)が珍しくヘンリー・マンシーニ(作曲)と組んだ1973年の歌で,アン・マレーが歌った。
「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」はナンシー・ハミルトンが作詞、モーガン・ルイスが作曲した1940年の曲。
トーメは月をテーマにした1960年のアルバム『スインギン・オン・ザ・ムーン』(ヴァーヴ)で歌っていた。
ここに来るまで「ニューヨーク・ニューヨーク」のイントロを鳴らし続けていたシアリングに催促され,トーメはようやく「ニューヨーク・ニューヨーク」を歌い出す。
フレッド・エッブ作詞,ジョン・キャンダー作曲。後半でグレン・ミラーの「ムーンライト・セレナーデ」風なバッキングや,最後にアドルフ・グリーン&ベティ・カムデン作詞,レナード・バーンスタイン作曲のもうひとつの「ニューヨーク・ニューヨーク」を加える大サービス。
(6)丘の上に住む人々
一転,しっとりとしたバラードになる。1937年にオスカー・ハマースタイン2世の作詞,ジェローム・カーンの作曲。トーメは1964年のバラード集『ザッツ・オール』(コロンビア)や1980年のライヴ盤『メル・トーメ・アンド・フレンズ』(フィネス)でも歌うなど、愛唱歌のひとつ。
(7)ビタースウィート
ジャズ・ベーシストのサム・ジョーンズの作品で,1979年の自身のアルバム『ザ・ベーシスト』(インタープレイ)でケニー・バロン(p),キース・コープランド(ds)とのトリオで録音を残したが,この時のタイトルは「Bittersuite(ビター組曲)」だった。
ピアノとベースのデュオ・トラックで,ミディアムでスイングするシアリングのタッチがエロール・ガーナーを想起させる。
(8)シンス・アイ・フェル・フォー・ユー
バディ・ジョンソン1948年の作品。トーメは辛口で引き締まった語り口と豊かなブルース・フィーリングで素晴しい歌を展開する。シアリングのタッチもいつもに比ベて黒っぽい。
(9)今宵の君は
ドロシー・フィールズが作詞,ジェローム・カーンが作曲した1936年の歌で,同年のミュージカル映画『スイング・タイム(有頂天時代)』でフレッド・アステアが紹介し,同年度のアカデミー主題歌賞を受賞した。
1956年のアステアヘのトリビュート・アルバム『メル・トーメ・シングズ・フレッド・アステア』(ベツレヘム)で歌っていた。得意のスキャットをまじえアップテンポでスイングするが,あくまで品格を重んじた折り目正しい歌い方に好感がもてる。
(10)エニワン・キャン・ホイッスル〜 ア・テューン・フォー・ハミング シアリングは「印象派風に弾いてみます」といって,スティーヴン・ソンドハイムの「エニワン・キャン・ホイッスル」とフランク・レッサーの「ア・テューン・フォー・ハミング」をソロで演奏する。聴衆もシアリングの感動的なプレイに完全に心を奪われているようだ。
(11)ホエン・サニー・ゲッツ・ブルー
ジャック・シーガルが作詞,マーヴィン・フィッシャーが作曲した1956年の歌で,ジョニー・マティスのコロンビア盤がヒットした。
元来はバラードだが,トーメは抜群のリズム感で小気味よくスイングするも,曲のもつ温かみや優しさは失っていない。
(12)リトル・マン・ユーヴ・ハッド・ア・ビジー・デイ
「1980年代に聴くには古くさいかも知れませんが,ジョージも私も大好きなので」といって歌い出すのはアル・ホフマンとモーリス・シグラーが作詞,メイブル・ウェインが作曲した1934年の曲。
1950・60年代のトーメだとこの種のバラードはテクニックが先行して平板になることもあったが,今は叙情性溢れる歌を聴かせる。
(2006年10月23日 三具保夫) p { margin-bottom: 0.25cm; line-height: 120%; }a:link { } WhisperNot - Love Me or Leave Me p { margin-bottom: 0.25cm; line-height: 120%; }a:link { }Outof this World p { margin-bottom: 0.25cm; line-height: 120%; }a:link { }SomedayI'll Find You p { margin-bottom: 0.25cm; line-height: 120%; }a:link { }TheMidnight Sun p { margin-bottom: 0.25cm; line-height: 120%; }a:link { }NewYork, New York Medley p { margin-bottom: 0.25cm; line-height: 120%; }a:link { }FolksWho Live on the Hil p { margin-bottom: 0.25cm; line-height: 120%; }a:link { }Bittersweet
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