曇のち晴

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Charles Mingus

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 以前,このアルバムを,と思っていたが,YouTubeになかったので,断念していた。しかし,今回,誰かさんがアップされているのを見つけ,出すことにしました。
 記事だけじゃ,いいかどうかなんてことは,ほとんど伝わらない。こういうブログは,YouTubeが生命線。
 しかし,残念に思うのは,いい音楽が沢山あるのに,YouTubeにないということなのだが,さりとて,自分でアップしようかと思っても,どうしても著作権のことが,頭をよぎる。
 その伝わるか,伝わらないかということに関して言うと,これはひとえに,信頼関係ということになる。勿論,それがすべてではないが。

 あるとき,DUのバラエティ館でのジャズの友人との話ですけど,RichieBeirach Trio / RomanticRhapsody」について,これいいよ,と言ったら,彼もそれを知っていたらしく,納得してくれた。

 そして,彼がエヴァンスの「TheBill Evans Album」を指して,これいいよ,と言ってきたので,自分も,そうだと言ったら,「でも,これ人気ないよ。どうしてだ。」と訊いてきたから,エレピだからだよと,こたえた。

 そんな合意があってか,わたしのことを,少しはジャズが分かってきたんだと思ったようで,わたしが,この「RobAgerbeek Trio / The Very Thought ofyou」もいいよと言ったら,素直にそれをゲットして,「あなたに教えられるようになっちゃったな〜」といわれて,ウレシイような悲しいような複雑な気分になった。

 さて,余談が長くなったが,この「ジャズ・ポートレイト(ミンガス・イン・ワンダーランド)」は,ジャズ喫茶「Jazz Country 」店主の野々宮義明さんが「ミンガスの郷愁」と題して書かれた記事があるので,ご紹介いたします。

 因みに,Jazz Country 」は,以下のブログ記事にありました。


ミンガスの郷愁
 毎日仕事がら何十枚もレコードを聴き,最近のCDアルバムもできるだけ聴こうと思っているのだが,何故か,CDが出回るようになった1980年頃から,心に残る,強いインパクトを持った作品が,本当に少なくなってしまった。テクノロジーのスピードと,(音楽)情報の氾濫が,作り手に変化をもたらしてしまったのは残念である。
 懐古趣味でなくても,50〜60年代ジャズに気持ちが向かってしまうのは,僕だけではないだろう。この時代には,良いジャズが本当にいっぱいあった。その中にあってもミンガスは最もユニークで,豊かな音楽性を持った音楽家だった。何十年という長い間に残した彼のアルバムは,どれを聴いてもすばらしい作品ばかりだ。
 その中でも1959年に,ニューヨークのモダン・アート・ギャラリーでライブ・レコーディングされた『ジャズ・ポートレイト』は,ライヴ独特のリラックスしたなかにも,緊迫感のある,ミンガスのエッセンスが聴けて,心に残る愛聴盤の1枚になっている。
 ニューヨーク派といわれるJ・カサベテスの映画『アメリカの影』の中でミンガスが2曲書いているのだが,ストーリー性を重視するミンガスの得意とする曲作りとなった。特にA面の2曲はすばらしい。1曲目の「ノスタルジア・イン・タイムズスクエア」に針を落した瞬間からミンガス・サウンドに引き込まれる。テナー・サックスのブッカー・アーヴィンを始めピアノのリチャード・ワイアンズもすばらしいのだが,このアルバムで一番良い味を出しているのがアルト・サックスのジョン・ハンディだ。2曲目の「アイ・キャント・ゲット・スターティッド」は,変化に富んだ,バイブレーションを利かせた美しいトーンで淡々と奏でている。
 憧れのミンガスのライブを聴いたのは,今から30年位前だったと思う。
 ニューヨークのジャズ・クラブ「ビレッジ・ゲート」のステージの一番前に席をとった僕はミンガス・サウンドのまっただ中にいた。メンバーがあまり良くなかったせいか,残念ながら悲しいまでに低調なミンガスを聴くこととなった。ミンガスが仲間をまとめつつ苦しまぎれに音を吐き出していたのが思い出される。それでもミンガスのライブはやはりミンガス・サウンドだった。
 それから数日して,ニューヨークの寿司屋に入った僕は,不機嫌な顔をして,ワサビを食べながら寿司をつまんでいるミンガスに出くわした。低調な自分に活を入れるためか,泣きたかったのかも。
 『ジャズ・ポートレイト』を聴くと,いつも昔の思い出がノスタルジックに僕の心に甦る。
 (ザ・ベスト・オブ・ジャズ「101人のこの1枚」より 200578日発行)


 このミンガス・イン・ワンダーランドは,野々宮さんが書かれているように,ジョン・ハンディがとてもいい。
 ハンディは,ミンガスの他のアルバムで,はじめて知ったミュージシャンだったが,以来,この人のアルバムを探したこともあった。
 野々宮さんは,A面の2曲を称賛しているが,4曲ともいい演奏だと思う。中でもB面の2曲目(3曲目)における,ハンディとアービンとのかけあいがとても気に入っている。
 ただし,これは各曲でのミンガスのベース・ソロがフィーチャーされているアルバムなので,ミンガスの音楽性もすばらしく,聴き逃せないところ。


1. Nostalgia in Times Square ( 12:18 )

2. I Can't Get Started ( 10:08 )

3. No Private Income Blues ( 12:51 )

4. Alice's Wonderland ( 8:54 )


Charles Mingus - bass

JohnHandy - alto saxophone

Booker Ervin - tenor saxophone ( tracks 1, 3 & 4 )

Richard Wyands - piano

Dannie Richmond - drums


Recorded at the Nonagon Art Gallery in New York City on January 16, 1959

Label United Artists


Charles Mingus / Tijuana Moods

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 怒れるミンガス。そんなのはイヤだなーと,しばらくミンガスのアルバムは聴いていなかったが,プレゼンツ・ミンガスを聴いて,いいじゃない,と思うようになってきた,という変節ぶり?か。
 そういう状況の中で,何か他にないかと考えていたら,この「メキシコの想い出」というアルバムが眼についた。
 しかも,YouTubeにもあるじゃない。というわけで,それを載せておしまい,となっては,余りにも味気ない。
 ところで,この何かダンサーのような女性のジャケットと,ミンガスは不協和音じゃないか,これはどうしたことかと,調べてみると,何とミンガスが失恋して,その傷を癒すためにメキシコへ行ったという。そのときの印象をこのアルバムにまとめたというようなのだ。
 う〜ん,ミンガスにもそんな面があったのか,怒ってばかりいたのではないんだ,人間味あるねぇ〜。でも,怒れるのも人間味か? 笑
 さて,この「メキシコの想い出」,スペイン音楽をモチーフにして,スパニッシュ・フレイヴァーに溢れた異彩を放つ演奏だといわれているが,前回のプレゼンツ・ミンガスよりも親しみやすいと思う。
 とはいっても,紛れもなく,ミンガス・ミュージックに変わりはない。あの太い指がベースをブンブンと弾き,急に速度に変化をもたらしたり,多彩な音をもって,パワフルに,全面的に迫ってくるようなところやユーモラスな面などがあって,ミンガス・ミュージックは,実におもしろい。
 なお,YouTubeには,ここにある5曲以外のものも含まれています。


1. Dizzy Moods ( 5:50 )

2. Ysabel's Table Dance ( 10:26 )

3. Tijuana Gift Shop ( 3:45 )

4. Los Mariachis ( The Street Musicians ) / ロス・マリアッチス(街の楽師たち) ( 10:21 )

5. Flamingo ( 5:34 )


Clarence Shaw - trumpet

Shafi Hadi ( Curtis Porter ) - alto sax

Jimmy Knepper - trombone

Bill Triglia - piano

Charles Mingus - bass

Dannie Richmond - drums

Ysabel Morel - castanets

FrankieDunlop - percussion

Lonnie Elder - vocal


Recording Date : 1957. 7. 18, 8. 6

RCA→BMG BVCJ-7329

Release:1962


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 このブログで,相倉久人氏の「モダン・ジャズ鑑賞」を連載している関係から,なるべくその記事に添って,アルバムの紹介を兼ねてやった方が,読まれた方には,氏の書かれたことが,より分かりやすくなるので,今回も,マックス・ローチに続いてチャールス・ミンガスを採り上げることとしました。
 この「チャールス・ミンガス・プレゼンツ・チャールス・ミンガス」は,ミンガス・アルバムの中では代表的なものの一つで,知名度も高いのではないかと思います。
 ご存知のとおり,ミンガスといえば,怒りとそれに惹起されたふんまんやる方ない感情の爆発といったものが,彼のジャズの中に露に表現されているところに特徴があって,このアルバムでも,2曲目の「フォーバス知事の寓話」が,端的にそれを物語っているところです。

 黒人ジャズには,アメリカ社会の人種差別と,それからもたらされる黒人感情といったものが,多かれ少なかれ,演奏の根底にあるようで,だからこそ,こういうジャズが生まれるのも不思議とはいえないわけです。

 このため,ミンガスのジャズには,実にパワフルというか,エネルギッシュで迫力ある演奏というものを感じさせられてしまいます。

 こういう声も伴う個性的なジャズは,当時としては,アバンギャルドなものとされたようですが,半世紀以上経った今からすれば,実に音楽性豊かなジャズだということが感じられ,どこがアバンギャルドか,と思わないでもありません。

 ところで,フォーバス知事の寓話」については,米国でのリトルロック事件というものが背景にあったことからきているようです。(以下は,ネット記事から抜粋)


 19545月の最高裁判決により公立学校における人種隔離は違憲とされていたにも関わらず,1957年春,アーカンソー州リトルロック・セントラル高校への9人の黒人学生の入学を当時の州知事オーヴァル・フォーバスが拒否。州兵を召集し,学校を閉鎖してまで,黒人学生の登校を阻止した事件。
 リトルロックの市長は事態の収拾をアイゼンハワー大統領に要請。大統領はアメリカ陸軍の空挺師団を派遣して,入学する黒人学生の登校を護衛させた。

 この『ミンガス・プレゼンツ・ミンガス』に収録されている「フォーバス知事の寓話」は,この時の知事の醜態を愚弄したものだ。


 というわけで,クセのあるというか,アクの強い,ミンガスの体臭?を感じさせられる演奏ですが,意外に,これに慣れると,やみつきとまではいかないにしても,ミンガスの世界?に,ハマッてしまいそうです 笑。


1. Folk Forms No. 1 ( 12:55 )

2. Original Faubus Fables / フォーバス知事の寓話 (9:09 )

3. What Love ( 15:13 )

4. All The Things You Could Be By Now If Sigmund Freud's Wife  Was Your Mother / 汝の母もしフロイトの妻なりせば (8:29 )


Ted Curson ( tp )

Eric Dolphy ( as, bcl )

Charles Mingus ( b )

Dannie Richmond ( ds )


RecordingDate: 1960.10.20

CANDID KICJ-8371





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 このアルバムは74年1月のカーネギー・ホールでのライブ録音ですが,1曲目が約24分,2曲目が約22分で,とても長い演奏となっています。

 メンバーも9名と多く,ミンガスのベースとリッチモンドのドラムスだけはソロをとっていませんが,それでも7名がソロをとっているので,ライナーにソロの順序やコーラス数が書かれているのはありがたいことです。

 1曲目はエリントンでお馴染みのCジャム・ブルースですが,このたいへん調子のよいテーマの速度に乗って,各ソロの実力を発揮した,とてもいい演奏をしています。

 ベースとドラムスなどは比較的激しくないリズムとなっていますが,これをバックにファンキーといいますか,フリーキーな音を発するなど何でもありの世界で,ライブならではの熱演となっており,特にカークのフリーキーなトーンを駆使した激しい演奏が光っています。

 2曲目も1曲目と同様の調子のよい曲ですが,こちらも1曲目と負けず劣らず激しい熱気のある演奏を繰り広げています。

 アルバム全体としては,これぞミンガス・トーンですが,この圧倒的なド迫力は全くもって素晴らしいの一言に尽きます。

 聴き応えがあり,ガッツのある演奏をお聴きしたい向きにお薦めします。

メンバー
 Charles Mingus(b)
 George Adams(ts)
 Hamiet Bluiett(bs)
 Jon Faddis(tp)
 john Handy(as,ts)
 Roland Kirk(ts,strich)
 Charles Mcpherson(as)
 Don Pullen(p)
 Dannie Richmond(ds)

曲目
 1.C Jam Blues
 2.Perdido

録音 1974年1月19日 Atlantic盤

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 ミンガスというと直立猿人が有名ですが,ジャズに集団的即興演奏とアレンジを活用して,黒人差別に対する怒りの情念を直情的に表現したベーシストであります。

 そう思うと,このジャケットの風貌はこちらを睨み付けているようで,凄さを感じさせます。
 でも,本当は気の優しかった人だそうです。

 このアルバムは西ドイツにあるWuppertal Tawnhallでの1964年4月のライブですが,ジャズが最も熱い60年代中期ということもあってか,かなりエキサイティングな演奏となっています。

 ここでは1曲目が「フォーバス知事への寓話」で有名な曲で,フォーバスへの怒りを表現している最も過激な演奏となっており,演奏時間が37分という長さの聴き応えのあるものです。

 この曲の始めのソロはクリフォード・ジョーダンのテナーですが,リッチモンドの激しいドラミングをバックに熱気のある演奏をしており,実に素晴らしいものとなっています。

 このあとに続くバイアードのピアノは静かで叙情的,時には高揚させたりして,これも悪くありません。

 そのあとに緩急や強弱を付けたミンガスの表情豊かな力強いベースのソロが続き,それが終わると全員での集団即興というシンフォニックな響きで興奮度が高まります。

 終結部ではドルフィーによるバス・クラがこの曲の雰囲気を少しも損なうことなく,独特の音色で迫ってきます。

 最後はドルフィーのバス・クラとミンガスのベースによる対話があって,テーマの再現により終結します。

 3曲目も演奏時間が22分というもので,これも聴き応えがありますが,全体としてミンガス色のある劇的な演奏,ミンガス・サウンド満載といった大変魅力あるものです。

メンバー
 Eric Dolphy(fl,bcl)
 Clifford Jordan(ts)
 Jaki Byard(p)
 Charles Mingus(b)
 Dannie Richmond(ds)

曲目
 1.Fables Of Faubus
 2.Starting
 3.Meditations

録音 1964年4月26日  enja盤

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