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これはニューヨークにあったジャズ・クラブの「ハーフ・ノート」におけるライブ録音です。
1959年の2月6日と7日でのライブだが,1と2のメンバーに3と4で,フィル・ウッズが加わっており,1と2が6日の録音なのかはわからない。
ライブであるため,聴衆の演奏中におけるざわめきも入っており,臨場感がある録音で,音も刺激的でなく,とてもいい。
ズート・シムズとアル・コーンのテナーの違いは,ズートがやや太い低音で,1と2では,向かって中央がアル,左にズートという配置となっている。
3と4ではフィル・ウッズのアルトが入った3管編成であるが,配置は左からズート,フィル,アルという並びです。
2管のテナーに加わるアルトはテナーに対してシャープな音であるので,よく聴いているとその違いがよくわかります。
1959年というとニュー・ジャズが台頭し始めた時期であり,ミュージシャンによっては,危機意識をもったということでありますが,オーネット・コールマンとかエリック・ドルフィーなどの前衛的ミュージシャンは黒人であるので,同じ黒人ミュージシャンが危機意識をいだいたのは理解できるところです。
しかし,この時期,ズートやフィルなどの白人ミュージシャンたちは,こういった危機意識ということでは,どうだったのだろうか。
勿論,黒人ジャズが優位にたって,白人ジャズマンがその職場を奪われるというようなことは,過去にはあったようだが。
このライブを聴くと,黒人ジャズのもつバイタリティだとか,エキセントリックで刺激的などといった黒人ジャズ特有のものはなく,白人であるので,当然ではあるが,これを白っぽいジャズというのだろう。
とはいっても,白けたものではないが,黒人ジャズからは聴くことのできないスマートさという美やムードは,とても心地よいものがあります。
映画評論家の水野氏ではないですが,これを聴いたあとは「いや〜,ジャズって,本当にいいですねぇ〜」という感慨です。
まあ,ズートなどの演奏には他にもいいアルバムが沢山ありますので,これはマイナーといったところですが,内容的には遜色のないものですし,隠れ名盤として密かに持っておきたいと思いましたが,どうでしょうか。
曲目
1.Lover Come Back To Me
2.It Had To Be You
3.Wee Dot
4.After You’ve Gone
メンバー
Zoot Sims(ts)
Al Cohn(ts)
Mose Allison(p)
Nabil Totah(b)
Paul Motian(ds)
Phil Woods(as):2.3
録音 1959年2月6日,7日 Liberty盤
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