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このピアノ・インプロヴィゼーションも過去1回聴いた限りで,どういうものか全く記憶になかった。
最近,留五郎さんのブログの影響から,チックを聴くようになってきた。
留五郎さんによれば,チックは,演奏される年代によって,その変革の振れ幅が大きく,どれがチックのスタイルなのかと思われていたようでしたが,「1968年のNowHe Sings, Now He Sobsから,1986年の本作TrioMusic Live InEuropeに繋がり,さらに2013年のTrilogyに至るチックのバックボーンが見えたかのように感じます。音の広がりの豊かさ,変幻自在なテンポの変化,キースよりも明るい音色・・・など。」というように,コメントされています。 確かに,このアルバムでも最初の5曲と最後の6曲目を比べて,音楽の質がだいぶ違う?ので,どれが本当のチックなのという印象を抱かれる向きもあるかもしれない。
それは最後の曲が,前5曲の単品に比べ,クラシック的な組曲という構成となっていることもあるのだろう。
しかし,それは何よりもチックの器用さというか,豊かな才能ということからきていることだと思いますが,一連のチックのアルバムを聴いてきたわけではありませんので,その辺のことはよくわかりません。
そこで,限られたチック体験の中でわたくしが思ったことは,チックというのは,様々なスタイルの音楽を学んだというか,吸収したのではないか。
そのスタイルを自由に駆使できるのは,もちろんチックにその才能があるからこそいえることなのだが,このアルバムに聴けるピアノの音色は,フランス音楽,特にモーリス・ラベルなどの印象主義の影響もあるのではないかと思われる。
つまり,アルバム中の曲名が意味する個人的なチックの印象を演奏したものだと思う。
したがって,これは自分の情念といったような内面からの表出ではなく,あくまで,ある特定の人物から受ける印象とか,「Song of the Wind」の風とかいうものの印象を音的に描いた音楽だといえようか。 現に最後の8つの「Picture」もそうだといえる。 したがってそういう意味で,ここでのチックの音楽はImpressionism(印象主義)であるともいえそうである。 そのことを後藤雅洋氏は,チックの音楽に関して,「ものの見事に観念性を欠いている。彼のピアノのタッチは,あたかもクリスタル・グラスに光を当てたようにキラキラときらめいている。それはまさしく物理的な光のイメージであって,例えば「真理の光」というような観念的な比喩を思い起こす類のものではない。クリスタル・グラスのきらめきのイメージは我々が視覚という”感覚の働き” によって得た経験が元になっている。一方「真理の光」は ー仮に見た者があるとして ー 恐らく現実の視覚ではない”観念の働き”によってのみ捉えることができる何物かなのではないか。」といっているのは,まさしく当を得た見解だと思います。 というわけで,チックの音楽に何か深い意味を求めて聴こうとすると,肩透かしされてしまうので,風景とか情景とかそういうイメージの音楽だと考えれば,これほど明解な音楽はないのではないかと思える。
この最後の曲なんかは,実に耳あたりのいい演奏もあるが,ピアノ線を弾いた演奏もあるので,これなんかは,前衛的だと思われるかもしれないけど,一つのPictureからくるImpressionだととらえれば,何も難しく考える必要はないと思う。 さて,このアルバムのYouTubeは,「Picture1 」までしかありませんでしたが,これとは別に,ご参考までにラベルの「水の戯れ」という曲(演奏:サンソン・フランソワ)を真央ちゃんの映像を交えてアップしましたので,ぜひともお聴きください。エエゾウ〜(映像)。笑 1. Noon Song (4:00) 2. Song for Sally (3:45) 3. Ballad for Anna (2:25) 4. Song of the Wind (3:10) 5. Sometime Ago (8:20) 6. Where Are You Now? Picture1 (4:53) Picture2 (2:03) Picture3 (2:30) Picture4 (2:40) Picture5 (0:32) Picture6 (3:55) Picture7 (1:55) Picture8 (1:35) Chick Corea (P) Recordedon April 21 and 22, 1971. atthe Bendiksen Studio, Oslo
NoonSong Songfor Sally Balladfor Anna Sometimeago WhereAre You Now? - Picture 1 浅田真央(MaoAsada)水の戯れ 演奏:サンソン・フランソワ |
Chick Corea
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留五郎さんのところでこのアルバムが紹介されていました。わたくしも,このアルバムはもっていましたが,積ん読状態で,1回もかけてなかったものでした。
ところが,留五郎さんが紹介されているYouTubeを聴きましたら,とてもいい演奏だったので,積ん読状態を解除して聴いてみたところ,とても聴きやすくて素晴らしい演奏だったため,ブログすることにしました。
音の状態もマスタリングは,AADではありますが,非常にいい音で,とてもAADとは思えません。
演奏は,全7曲の収録ですが,ピアノ・トリオは1〜3曲目と最後の7曲目,4曲目はピアノ・ソロ,5曲目はベース・ソロ,6曲目はドラム・ソロとなっています。
YouTubeは,ピアノ・トリオの4曲と4曲目のピアノ・ソロの演奏がありました。
最初の3曲は,オーソドックスなピアノ・トリオで,チックの生き生きとしたピアノのスウィングと,どこかビル・エヴァンスを思わせるところがないでもなく,チックの音楽性を感じさせられる演奏で,文句なくいい。
4曲目のピアノ・ソロは,スクリアビンのプレリュード第2番をテーマとしたものだが,これが実に素晴らしい。
前半は叙情的なピアノ演奏だが,後半は,ジャズ特有のスウィング感に満ち溢れていて,チックの才能の豊かさを感じさせられる。
スクリアビンといえば,神秘主義の作曲家だが,チックにかかると,その神秘性がどこかにすっ飛んでしまったようだ。 笑
因みに,プレリュード第2番もありましたので,ご参考までに掲載しておきます。
最後のピアノ・トリオは,どこか異国情緒あるようなところもあるが,3者のインタープレーによる演奏がとてもよく,アルバム中のベスト演奏かもしれない。
わたくしは,チックはいろいろと聴いたわけではないが,チックを聴くなら,まずこのアルバムからといってもいいほどの内容の充実した演奏で,万人にオススメできるのではないでしょうか。
1. The Loop ( 6:28 ) 2. I Hear A Rhapsody ( 6:40 ) 3. Summer Night, Night And Day ( 14:24 ) 4. Prelude No. 2, Mock Up ( 12:21 ) 5. Transformation ( 5:08 ) 6. Hittin' It ( 5:22 ) 7. Mirovisions ( 11:27 ) ChickCorea ( p ) Miroslav Vitous ( b ) Roy Haynes ( ds ) Recorded September 1984 ECM– 1310 827769-2 TheLoop p { margin-bottom: 0.25cm; line-height: 120%; }a:link { }IHear a Rhapsody p { margin-bottom: 0.25cm; line-height: 120%; }a:link { } SummerNight-Night and Day p { margin-bottom: 0.25cm; line-height: 120%; }a:link { }PreludeNo. 2 - Mock Up p { margin-bottom: 0.25cm; line-height: 120%; }a:link { } Mirovisions
p { margin-bottom: 0.25cm; line-height: 120%; }a:link { } Scriabin24 Preludes Op.11 - No.2 in A minor |
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チック・コリアのこのアルバムは,当初LPでリリースされたときは,次のような曲及び曲順だったようです。
A面
1. Steps - ( with What Was ) 2. Matrix B面
3. Now He Sings, Now He Sobs 4. Now He Beats The Drum, Now He Stops 5. The Law Of Falling And Catching Up
ところが,CD化に伴い,新たな曲が8曲追加され,嬉しいやら悲しいやら全13曲となっているようです。
しかも,全13曲もCDによっては,その曲順にも違いがあるようなので,オリジナルを重視される向きには,笑いが止まらないのかもしれません。
わたしのCD(輸入盤)では,次のような曲順となっています。(* は追加曲)
01. Matrix ( 6:25 ) 02. My One And Only Love ( 3:35 )* 03. Now He Beats The Drums, Now He Stops ( 10:34 ) 04. Bossa ( 4:41 )* 05. Now He Sings, Now He Sobs ( 7:05 ) 06. Steps – What Was ( 13:49 ) 07. Fragments ( 4:02 )* 08. Windows ( 3:09 )* 09. Pannonica ( 2:58 )* 10. Samba Yantra ( 2:39 )* 11. I Don't Know ( 2:40 )* 12. The Law Of Falling And Catching Up ( 2:25 ) 13. Gemini ( 4:21 )* Chick Corea ( p ) Miroslav Vitous ( b ) Roy Haynes ( ds )
1968年3月NY録音
SolidState盤(BlueNote から発売)
さて,チック・コリアといえば,あのカモメのジョナサンじゃなかった,カモメの「ReturnTo Forever 」が思い起こされます。 このカモメは60年代にあった,重厚で重苦しいようなジャズの雰囲気を一変させたともいわれており,正に新しい時代の幕開けともいえるようなアルバムであったようです。
それが1972年のことですが,この「ナウ・ヒー・シングズ,ナウ・ヒー・ソブズ」は,それよりも前に演奏された1968年3月の録音です。
このアルバムが世に出たのはいつかはしりませんが,1968年にリリースされたとすれば,カモメと同じように注目されなかった?のは,何故かという疑問はあります。
というのは,この「ナウ・ヒー・シングズ,ナウ・ヒー・ソブズ」も60年代ジャズの重厚で重苦しい雰囲気とは一線を画す演奏であるし,雰囲気的にもカモメに通じるものがあると思いましたので,60年代にカモメのようなインパクトがなかったとすれば,まだまだ,それまでのジャズが支配的だったのかとも思えるのだが,どうでしょうか。
何れにせよ,当時としては,キースとともに,新しいピアノ・トリオのスタイルの一つとして注目すべきものであったのではないかと思います。
まあ,キースの雰囲気とは全く異なりますが,チックのこのピアノも現代感覚に通じるようなものを感じます。
さて,演奏はYouTubeで全て耳にすることができますので,チックのクールなピアノの中に息ずく音楽性のある表情と,ヴィトウスのベース・テクニック,ヘインズのダイナミックなドラムも聴きどころです。
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このアルバムは,すがすがしいイメージのジャケットと収録曲の爽やかさとが,とてもよく合っているなと思いました。 |

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