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p { margin-bottom: 0.25cm; line-height: 120%; } ジャズの友人が自分のメール・アドレスに「Maiden Voyage 」を使っているので,よほどこのアルバムを気に入っているのだろうと思っています。 しかも,ハービー・ハンコックを代表する名盤として,数あるジャズ入門誌での推薦盤として取り上げられており,名盤,傑作の誉れ高いものがあります。
わたくしもそのような評判とともに,印象的なこのジャケットが忘れられなかったので,ジャズを聴き始めた頃はまっさきにゲットしたといってもいいほどのものでした。
今からそれを思いますと,聴く前のワクワク感とでもいいましょうか,そういうものがありました。どんなに素晴らしいのだろうかという期待感でもあります。
しかし,その期待に反して「これのどこがいいの」というのが第一印象で,サッパリわかりませんでした。
ところで,昨日,新宿のブック・オフでCDコーナーを物色しておりましたところ,この最初の曲(処女航海)のメロディーが流れていたではありませんか。
それはこのアルバムではありませんでしたが,ジャズでもありませんでした。そのとき思ったのは,こういう曲は有名なのかなーということでした。
さて,このアルバムが演奏されたのは1965年ですから,いわばコルトレーン全盛時代の真っ只中にあって,突如として現れたのかどうか知りませんが,そのときのインパクトがいかなるものであったのか,知る由もありません。
コルトレーンのあの血も沸き立つようなジャズと,このクールなといいますか爽やかさを感じるジャズとでは,かなりの落差を感じます。
ジョージ・コールマンの一瞬ショーターを思わせるかのような渋いテナーと抑制された中での溌剌として,どことなくハード・バップの影をも感じるようなフレディ・ハバードのトランペット,あくまでクールに徹したハービー・ハンコックのピアノが印象に残るといったところですが,ジャズにコルトレーンのような演奏を求める向きには,「何じゃ,コリャ。」といったところかも知れません。
わたくしはこのアルバムを聴いて,音楽は全く異なりますが,この爽やかさということでは,メンデルスゾーンの「フィンガルの洞窟」をイメージしてしまいました。
まあ,風景描写とでもいいますか,そういう空気を運んできているようにも思えますが,ドビュッシーの印象主義にも通じるようなものがあるのかなーと,思いました。
ハービー・ハンコックがこのアルバムについて,次のようなコメントを残しています。
「海は,ありとあらゆる分野の芸術家の想像力を事ある度に刺激してきた。今でも,海や海の生物達には一種の神秘性がつきまとっていて,それが想像力に活力のエキスを補給している。アトランティスやサルガッソー海や大海蛇や人魚は,人間と海との関わりから生まれた数ある不思議ばなしの,ほんの数例にすぎない。
本アルバムのねらいは,海の広大さ及び厳かさ,処女航海にある船のまばゆい眺め,いたずら好きのイルカたちの優雅な美しさ,目に見えぬ微生物ですら繰り広げている絶え間ない生への闘い,そして,水夫達の大敵であるハリケーンの恐ろしい破壊力を,音楽にとらえることにある。」
というわけで,このジャズは「俺のジャズを聴け!」というような自己主張を求めて聴くのではなく,あくまで爽やかな雰囲気を楽しむという感覚で聴かれた方がいいと思います。そうでないと「何じゃ,コリャ。」になってしまいそうです。
1. Maiden Voyage (7:56) 2. The Eye of the Hurricane (5:59) 3. Little One (8:48) 4. Survival of the Fittest (10:05) 5. Dolphin Dance (9:18) Freddie Hubbard (tp) George Coleman (ts) Herbie Hancock (p) Ron Carter (b) Anthony Williams (ds) 1965年5月17日録音
Blue Note 4195 |

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