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森鴎外の小説「カズイスチカ」「高瀬舟」「妄想」をお読みになることをおすすめします。文庫本で手軽に手に入ります。
鴎外のこれら三つの小説の主人公たちも、あくせくあくせく毎日を過ごしていって、一体全体こういうことに何の意味があるのだろうかと疑い出すのです。これを早く済ませてしまってから、あれをやる。あれも済ませて、というふうに永遠に何かに追いかけられていくこの人生にいかなる意味があるのかと問うているのです。 そして人生の意味は、現在目前の境界を十全に生き抜くこと以外にはないという結論に到達するのです。たとえば髪をくしけずる時、その人の人生はその時にはその髪をくしけずるということ以外にはどこにもない。実は人生とは無数の、一見つまらない現在の集積以外のものではないということにわれわれは普通気づかないのですね。望遠鏡を逆にしてすべてを見ると、すべてがひどく小さく見える。今のあなたはそういう心境ですが、その心境がつまりあなたの人生そのものだとお考えになるべきでしょう。 |

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