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自分を取り巻くすべてのものに対して敵意をむき出しにして生きてきたヒロインが、その感情のすべてをピアノに叩きつける、ほとばしる激情と悲しみに満ちた美しさが同居する破壊的かつ爆発的な演奏に、私、しばらくは言葉を失い放心状態で座席から動けませんでした。 物語は、刑務所で囚人にピアノを教えているクリューガーがジェニーという逸材の娘と出会い、コンクールを目指してレッスンをほどこすプロセスです。 クリューガーが目指したものは、自分も含め世の中のすべてを傷つけようとするジェニーを、音楽を通じて再生させるなどという甘いレベルではなく、音楽そのもので魂を浄化させ創造の高みに導こうというものでした。クリューガーはジェニーの矯正など眼中になく、興味があるのは彼女のピアノの才。それを磨き世に出すことが人生の集大成と考えているのです。ジェニーは激しく鍵盤を打つことでしか自分の気持ちを表現できません。2人はお互いの身の上話に同情を示すわけでもなく、ただ指先が奏でるメロディだけを通じて意思の疎通を図っていく、淡々と・・・ コンクールの決勝直前、ジェニーの身の回りはあんなにごたごたしたのに、演奏前のジェニーには緊張のかけらもなく無心そのもの。ジェニーはクリューガーが“下劣”という旋律をあえて奏で、見事な美に昇華させる。まさに人間の真実を完璧に描ききった作品でした。と、と、とにかくエネルギッシュに観客を引っ張り込む完成度の高い映画です。超お勧めです。 私は、これを見て、クラシック音楽の伝統やナチスに支配された暗い過去の“歴史”を強烈に感じました。ドイツ映画ならではの脚本だと感じました。場所は、福岡天神、西鉄ソラリアプラザ7Fです。 ちなみに、この”4分間のピアニスト”は以下の賞を受賞した映画だそうです。すごいですよね! ●ドイツアカデミー賞、作品賞、主演女優賞、受賞
●バブァリアン映画祭主演女優賞、新人女優賞、脚本賞、 最優秀新人プロデューサー賞受賞 ●上海映画祭、最優秀作品賞、受賞 ●ドイツ映画祭2007オープニング作品 |

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