品川徹の役者日記

眞緑のキャベツ畑に蝶が舞いジェット機飛びし三里塚あり 「三里塚に生きる」を観て

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転 形劇場初期の頃4

  • http://img.mixi.net/img/emoji/38.gif演劇企画集団66では2年くらいでしたか小林は別役実一辺倒で、「象」小林逸郎演出。「赤い鳥のいる風景」観世栄夫演出。の二本の公演をやったが、小林と私たちの集団の考え方の違和が生じ、太田も私も女性2人も彼らとは別れることになりその後それぞれの道をしばらくのあいだ歩むことになるのだが、68年頃程島が関わった教え子達と新集団を創るからと、太田も品川も誘われ、ごちゃ混ぜの10人ぐらいの集団が出来た、ごちゃ混ぜというのはいろんなところで程島が教えた若い演劇生たちであり演劇に対する考え方が一致した思想的な集団とは言えなかった。しかし集団は早急に勉強会で宮本研の戯曲「美しきものの伝説」(私はこの勉強会で→止揚(Aufheben)の概念を程島から学んだ)を取り上げ公演目標ではない座学的な勉強などをやりながら会合を重ね、集団名をどうするかということで、メンバーが提出した中から太田の「転形劇場」が選ばれた。文字どうり演劇の転形期を意識したネーミングとなった。最初の公演は主宰者程島の意向でつつましく試演会と銘打って、ボルフガンク・ボルヒエルトの「戸口の外で」を青山の草月ホール(今の新ホールではなく)でわずか三回の試演会だったと思う。台本は太田が脚色。演出は程島武夫。演出助手太田。品川はべックマンを主演したが、この頃はまだ稽古場を持つことができず、豪徳寺の河田母子寮の広間を借りた2か月ほどの夜の稽古であった。この稽古での程島の熱烈で懇切な指導的演出のおかげで、演出家程島の劇のこころが現在も品川の身体にコアのように残って在る気がする。「戸口の外で」試演会楽日の終りに舞台暗転になり上手袖幕に入って行くと暗闇で大きな手が私の右手を掴んだ。太田の手だった。太田の熱い想いを感じた。太田の脚色で、原作には無い男女のコーラスが6人ほどいていくつかのシーンを繋ぐ役目を負っていて、6人は手にそれぞれ薄闇のなかで「ランタン」を持っての出演だった。
    このランタンは太田の母上美枝子さんが精魂こめて創ったものだった。
  • mjxiから転載しました。
イメージ 1
                                         小さなつぼみの梅の木(3月3日撮影)

転形劇場初期の頃2

品川の(水の駅mixi日記より転載。)
http://img.mixi.net/img/emoji/38.gif70年代の小劇場は何処の劇団も手作りの作業で舞台を立ち上げていた。
役者は役者だけをやっていいれば済む劇団状態ではなかったのだ。経済的ににも人的にもそんな余裕はなかった。普段使っている稽古場を本番になる時はそこを劇場にするために、舞台の装置や客席を劇団員全員で大工さんのように道具を腰につけて働いた。赤坂の稽古場もその例にもれず公演の時はそんな感じだった。
ある公演の舞台と客席を3、4日かけて仕上げるわけだが、そんなある時2名のAとBが途中で今日は用事があるので早びけしますと早退した。
残った団員はその後2時間くらい仕事をして稽古場を引き上げて駅への帰り道、銭湯の前にさしかかると、早退したAとBがなんと銭湯からくつろいだ感じで手ぬぐいぶら下げて出てくるではないか、それを見た太田は怒ったね。「先に帰ったのは風呂に来る為だったのか」と「それでいいのか」「ええっ!!」「みんな働いていたんぞ!!」この時の太田は原理主義者的な太田の面目やくじょとした態度だった。彼は何につけ原則を破るものは許せなかったのだ。今でも小規模の劇団はこんなふうに劇を立ち上げているところがある。回顧趣味で書いているのではない。

転形劇場初期の頃

2月6日。(mixi品川の日記より転載。)
http://img.mixi.net/img/emoji/38.gif太田省吾も私品川も30代の前半だっただろう1970年頃だったろうか。
稽古帰りに何人かの劇団の仲間で安い居酒屋で飲んだ帰りに、新宿駅の東口から地下に降りたJRの改札の前あたりで(あの頃はまだ国鉄と言っていた)立ち話をしたのを覚えている。何故覚えているかというと、私にとって今も忘れられない言葉だから「俺がいつか歳をとって本を書けなくなる自分が怖い」と太田は言った。その頃の演劇界には錚々たる大先輩方がいて、戯曲を書いているが太田にとっては眼を見張るような新機軸な戯曲あるいは台本が無かったのだろう。
その頃太田の頭の中には劇作家・別役実に注目していたことは間違いない。
夜の新宿駅地下道の雑踏での立ち話が今でも鮮やかによみがえってくる。40年以上も前の情景だ。
太田省吾はもういない。

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