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画像はセカンドライフ内でモデリングの練習に励むJETの社員
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子供の頃、私は本が読めなかったらしい。
字面は追えるが理解できていなかったようなのだ。
小学校低学年の頃、読んだ本の感想文というか紹介文をイラストを添えて書くという課題があった。
私は「おばけ雲」だったか、そんなようなタイトルの本を読み、その紹介文を書いた。
イラストには、湾を見下ろす小高い丘に立つ主人公ら五〜六人の小国民たちが、
湾内で沈没しかかっている艦隊を絶望の眼差しで見ている絵を描き、
紹介文には、これこれこうあって「〜日本は戦争に負けたのです」と書いた。
断言していいが、絶対、そんな内容の本ではなかったはずである。
挿絵を一つ覚えている。倒れていた死体が実は生きていて「水をくれ・・」と言ったので
主人公達はびっくりして逃げる絵である。
今現在その本の内容を推理するに、なんらかの理由で疎開先から戻ってきた主人公達が、
原爆投下直後の広島か長崎で地獄の光景を見たという話だと思われる。
それなのに一体何故、上記のようなイラストつき紹介文のようになってしまうのか。
頭がおかしかったとしか思えない。
一つには、年齢相応の本を選んでいなかったというのもあるかもしれない。
理由は分からないが、常にちょっと上の世代の本を手にとってしまっていたらしい。
そういうわけで、内容は全く覚えていない(というか当時理解していたのか怪しい)本の中でも、
25年以上も私の心に引っかかっていた本がある。「ビビを見た!」である。
上で書いたように内容は理解できてなかったようだが、
イラストが強烈な印象として文字通り「脳裏に焼き付いて」いたのである。
一体、どういう内容の本だったのだろうと25年間思いつづけていたら、ある日、本屋で見つけた。
一度廃版になり、ある理由により再版は不可能とされて長らく放置されていたのが奇跡的に復刻したのである。
本棚から手にとるときには本当に心臓がどくどく鳴って、後頭部を冷たいものが走った。
言わば25年の封印が解かれる時がきたのである。
2〜3ページ読んで、今買わないと二度と手に取れない気がして即買いした。
あらためて見てみると、覚えていた以上にすごいアートワークだった。
印象どころかトラウマにもなりかねない。
こりゃ25年も覚えているわけだ。どんなに凄いか是非お買い求め頂きたい。
しかしもっと凄いのは本の内容だった。大人になって本が理解できるようになった私は、
この本を読み終わって涙が出た。どんなに凄いか是非お買い求め頂きたい。
25年も私の心に強烈なインパクトを残しつづけたアートワーク(お話も凄いです)・・
こういう仕事ができればいいっすね。
追記
私の家に「考える力をのばす」という知育の本があった。
私はそれを「かんがえる ちから おのばす」と読んでいた。
(「おのばす」の部分は氷河の「クレバス」と同じ発音で読んでください)
本の内容はおろか、私はタイトルすら読めていなかったのだ。
で、その本の中に、ウイスキーの空き瓶の挿絵と
「これを再利用する方法を考えなさい」という問題がそえてあった。
要は花瓶にしたり、紙粘土人形の芯にしたりという回答を望んでいるわけだが、
私は答えを書く欄に、ウィスキーの瓶をもったハゲちゃびんのカトちゃんが
千鳥足でフラついている絵を書いたのだった。
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