詩:鳥獣虫魚

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なめくじ

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なめくじの聞こえない歌声が家の下から聞こえる
なめくじの湿った心がぬるぬるの木屑から立ちのぼる
なめくじがゆっくりと顔をめぐらして食い物を探している
大食いなのだ この楽観論者は

金属質の足跡を残しまるで
歌うことが楽しくて仕方がないように
軟体動物の微笑ましいわき腹をくねらせている
今日も聞こえるよ 排泄物だらけの路地裏の歌姫の歌が

なめくじの銀の道に従い
なめくじに従って喜びの歌を心に呟き
土砂降りの中を行進しよう

なめくじについて行こう この道は見つけやすいから
そして塩を浴びるんだ みるみる縮む安いストライプ
ああ溶ける溶けるとその顔は笑っている

かわうそ

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かわうそは水をくぐる

水は瑠璃色に光り、水音は鈴だ

そう言うかわうそは嘘つきなのだ

かわうその棲家は荒れて、臭気すらただよう



かわうそは魚を獲る

餌はあふれるばかり手当たり次第だ

嘘つきかわうそは得意げだが

魚はほとんどいないし、たまに捕れるものも嫌な味だ



かわうそは虫も鳥もいないことが気にかかる

空の色がみょうに赤いのも気にかかる

嘘をつく相手が減ったことが一番気にかかる



かわうそは水をくぐった

かわうそは魚を獲った

いつもと変わらないと、自分に嘘をついた

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小さい蓑でも欲しそうな猿がいる

バスで山道をたどって行くと

樹木の陰にちらりと見えた

芭蕉なら喜びそうな猿だ



猿は群れから離れたのだ

猿は群れを憎んだのだ

群れには暗黙の了解があるから

暗黙の了解に従わせるから



ボスはその猿を激しく咬んだ

猿は痛みの中で仲間の猿の苦笑いを見た

落ちていた石をつかんでボスの脳天を打った



血まみれでボスは倒れたが

ボスと仲間への憎悪は消えなかった

そんな一匹の猿が時雨の中で動かずにいた

白兎 ver2

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(若干、以前バージョンと変わってます)




白兎は視界から消える

羞恥にまみれ、しかも無防備に

何も見ていない兎の目

盲目の充血が痛ましく雪原に消える



去った後に残されたもの

汚された雪

汚らしい食い残し

おびただしい丸い糞



こどもが抱きしめるぬいぐるみに似て

しかも肉の臭い

充満する血と 薄皮の中の死



白い毛皮の下の生々しい肌色

赤い肌色を覆うボツボツした毛穴

毛穴の奥には何もない暗黒

毛虫

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毛虫




湿気と暑熱が凝り固まるジャングルの奥

そのはば広の葉の重なりを覗きたまえ

黒く蠢くものこそ無数の毛虫

黙々と食べ累々たる糞を垂れる



糞は山となりジャングルとなる

すなわちジャングルとは彼らの糞であろう

濃緑の闇の濃い体の深奥は毛虫

ジャングルの正体を知る者はいない



糞とはバナナの葉と羊歯の葉であり

光る瞳孔の黒豹の母であり

黒豹の餌となるバクどもの父



サクサクという咀嚼音は大きくなる

光を食い光を生み闇を食い闇を生み出す

世界のうらがわに無数の毛虫がはりついている

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