モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトを中心にしたブログです

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八重奏の上は?

シューベルトの「八重奏曲ヘ長調D803」を語りだしたら長くなってしまいました。夏休みでもありますし、ちょっと一息気分を変えて、今日は少し脱線します。

八重奏曲というのは室内楽の中でもかなり大きな編成で、ほとんど室内オーケストラといってもいいくらいですが、「八重奏」のことを英語で「オクテット(Octet)」といいます。八重奏曲としては、弦楽四重奏が2つ合わさった編成が最も多く、メンデルスゾーンの「弦楽八重奏曲」は非常に有名です。
ところでオクテットのOctは8という意味で、イタリア語も似ていますが、ラテン語やギリシャ語が基になった言葉です。音楽用語では「オクターブ」や自動車のガソリンの「オクタン価」などにも出てきますね。ちなみに10月のことをOctoberと言いますが、これも同じ語源です(10月は“8”じゃないではないか、という疑問をお持ちの方は暦の歴史を調べてください。要するに西洋の暦では農耕生活の始まる3月が1年の最初で、2月が最後の月なのです。ですから2月が短くなっています。September、November、Decemberも同じように、7、9、10から来ています。)。

さて、そこで問題です!

八重奏がOctetなら、ほかの数の合奏は何と言うのでしょうか?音楽が専門の人なら簡単でしょう。正解は以下の通りです。

1人で演奏→ソロ(Solo)
二重奏→デュエット(Duet)
三重奏→トリオ(Trio)
四重奏→カルテット(Quartet)
五重奏→クインテット(Quintet)
六重奏→ゼクステット(Sextet) セクステットとも発音
七重奏→ゼプテット(Septet) セプテットとも発音
八重奏→オクテット(Octet)
九重奏→ノネット(Nonet)

ここまではちゃんとした英語として認められているようです。しかも、実際にノネットの曲もあります。たとえば、何を隠そうシューベルト自身が1813年に作曲した「Eine kleine Trauermusik」(“小さな哀悼の音楽”とでもいうのでしょうか?) という室内楽曲は、クラリネット、ファゴット、ホルン、トロンボーンが各2本ずつにコントラファゴットが1本加わり、計9人のノネットになっています。ただしこの曲は「ノネット」とは表記されていません。正式に「ノネット」という標題が付いた曲としては、シュポアの「ノネットヘ長調Op31」が比較的有名です。この曲は、シューベルトの曲と同じ1813年に作曲され、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスが各1台ずつという編成です。何とも不思議な編成で、ここまで来ると楽譜を書く手間は同じなので、オーケストラにした方がいいような気がしますが、どうなんでしょうか?ただ弦楽器が1本ずつなので、オーケストラとは違う独特の響きがあります。
さて、10人以上(十重奏以上?)はどうでしょうか?調べましたが、あまり言葉も決まっていないようです。
十重奏!?の場合は一応、decatetという言葉があるようです。インターネットを調べたら、日本語で「デクテット」と書いている人がいました(“de”のあとは“ca”なので、デカテットのほうがいいと思いますが・・・)。それより上になると、もう趣味の世界です。英語がネイティブの人の話では、

十一重奏→hendecatet(ヘンデカテット)
十二重奏→duodecatet(デュオデカテット)
十三重奏→tredecatet (トゥレデカテット)または triskaidecatet

ではないか、ということでした。11から19までは、decatetの前に接頭語を入れればいいので、このまま十九重奏!?までは行けそうです。実はこの先も考えることはできます。
というのは、化学の世界で、methane(メタン)、ethane(エタン)、propane(プロパン)といった分子を表すのに同じようなギリシャ語を語源とする言葉を使っているからです。専門的にいうと、アルカン化合物の炭素の数なのですが、methane(メタン)(炭素の数が1つ)からheptane(ヘプタン)(炭素の数が7つ)までは、なぜか音楽用語と若干違います。しかしその次の炭素数が8つの分子は、同じように「Octane(オクタン)」といいます。ガソリンの「ハイオク」の“オク”は同じ意味です。炭素数9個はnonane(ノナン)、炭素数10個はdecane(デカン)、と先ほど述べた何々重奏というのと同じです。
20以上の接頭語としては、20はicosa(イコサ)(またはeicosa(エイコサ))で、実際に炭素数が20個のアルカン分子を「イコサン」と呼びます。ということは、二十重奏はicosatet(イコサテット)ということになるかもしれません。以下は私の創作?です。

三十重奏→triacontet(トリアコンテット)
四十重奏→tetracontet(テトラコンテット)
五十重奏→pentacontet(ペンタコンテット)
六十重奏→hexacontet(ヘキサコンテット)
七十重奏→heptacontet(ヘプタコンテット)
八十重奏→octacontet(オクタコンテット)
九十重奏→nonacontet(ノナコンテット)
まだまだあります。

百重奏→hectatet (ヘクタテット)
二百重奏→dictatet(ディクタテット)
千重奏→kiliatet(キリアテット)

いやはや、疲れました。あまり意味がないのでこの辺でお開きにしますが、最後に実際には何重奏曲まであるかについてだけふれましょう。
先ほど述べたとおり、九重奏(ノネット)まではあります。それ以上は今のところ発見できませんでした。ひょっとしたらあるかもしれません。どなたかあったら教えてください。  
ただし、「・・・重奏」と名乗っていなくても、10台以上の楽器を指定した合奏曲はたくさんあります。一番有名なのは、モーツァルトの「セレナーデ第10番変ロ長調K361(370a)」です。この曲は「グラン・パルティータ」という名称が付いています。演奏形態は、本来は12本の管楽器とコントラバスのための曲ですが、コントラバスの代わりにコントラファゴットが使われるので、「13管楽器のためのセレナーデ」(専門家の間では単に「13管」)というニックネームで呼ばれています。後年、リヒャルト・シュトラウスもこれをまねて、「13管楽器のためのセレナード」を作曲しています。

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