モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトを中心にしたブログです

モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトを中心にしたブログです。

全体表示

[ リスト ]

イメージ 1

イメージ 2

チャイコフスキーの「悲愴交響曲」を続けます。第2楽章は何と4分の5拍子です。5拍子の曲というのは、いったいどのくらいあるのでしょうか?現代曲は“何でもアリ”ですから除外して、それ以前の曲ではどうでしょうか?ちょっと思いつくところでは、ホルストの「惑星」の「火星」や「天王星」があります。スクリャービンやバルトーク、ショスタコーヴィチなどにもあります。しかしこの「悲愴」の第2楽章が一番古いようですが、どうなのでしょうか?古典派以前で5拍子の曲があれば、どなたか教えてください。
それにしてもこのチャイコフスキーの5拍子は親しみやすいですね。聴いていると、5拍子であることを忘れさせます。しかも、中間部の短調のメロディーも同じ速度の5拍子で、この楽章は最後まで一貫してこの拍子が続きます。
さて、第3楽章のマーチが華々しく終わると、この曲の神髄、終楽章に入ります。演奏会では、第3楽章から第4楽章は間をとらないで、すぐに第4楽章に入る指揮者が多いようです。ただ、あまりにも第3楽章のマーチの終わり方が派手なので、思わずここで拍手をしてしまう聴衆もいます。実際、本場ドイツでこの曲を聴いたとき、大勢の人が拍手をしていました。
余談ですが、日本のクラシック演奏会では、楽章の間に拍手をするのは「クラシック音楽を知らないやつだ」と思われるようですが、そんなことはありません、そもそも、モーツァルトやベートーヴェンの時代の演奏会というのは、ある交響曲や協奏曲の一つの楽章だけをいくつか演奏して、その間にアリアやピアノ独奏を挟むという、いわば“つぎはぎだらけ”の演奏会でした、つまり4つの楽章を通して演奏しなければならないというルールはなかったのです。ですから当然聴衆は、曲や演奏がよかったと思えば、どこでも拍手をしたのでしょう。
さて、「悲愴交響曲」の第4楽章の出だしは、弦楽器の物悲しいうめき声で始まりますが、ちょっと楽譜を見てください(楽譜3)。なんだか、第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリン、そしてヴィオラとチェロの音程が交錯しています。しかし聴いていると、一番高い音をなぞったメロディーに聞こえます。実際に、後半でこのメロディーが再現するときは、楽譜4のように、通常のメロディーになっています。私は耳が悪いのか、この2つの楽譜の違いを区別することができません。

ちょっと聴いてみましょう。

http://www.youtube.com/watch?v=GVC9JiIIk1M

これはチェリビダッケの指揮ですが、すばらしい演奏ですね。チェリビダッケはカラヤンのライバルと称された人ですが、コンサート一本の人で、レコード(CD)を残さなかったのは残念です。でも現在ではYoutubeで聴くことができるのはうれしいことです。
ところで、いったい、どうしてチャイコフスキーはこのような凝った楽譜を書いたのでしょうか?おそらく耳のいい人には、音程が交錯する楽譜3の方が、悲愴感が増して聞こえるのでしょう。
それにしてもこの楽章の“暗さ”は例えようもありません。一瞬、長調のメロディーが登場して、一条の望みの光を放ちますが、それもつかの間、またすぐに暗く重苦しい楽想に戻ります。そして金管楽器のピアノの合奏が終わったところで、「ドラ」が静かに一発なります。この部分は、もう涙なしに聞くことができません。それにしても、この一発の「ドラ」は何を意味しているのでしょうか?死の宣告?弔いの鐘の音?なかなか意味深な「ドラ」です。
ところで、この「ドラ」は普通、打楽器奏者が叩きますが、長い交響曲の終楽章の最後にピアノで1発なので打楽器奏者は緊張するようです。以前、オーケストラの打楽器奏者が、あまりの緊張感のために、手が震えて叩けなかったという話を聞いたことがあります。もっとも、ここで「ドラ」を叩く打楽器奏者は、普通は第3楽章のマーチでも他の打楽器を大きな音で叩いているので、一応“場慣れ”はしていると思いますが。そういえば、前回ご紹介したドヴォルザークの「新世界交響曲」でも、シンバルが第4楽章でたった1発出てくるだけで、しかも弱音(ピアノ)です。こういたところも、チャイコフスキーとドヴォルザークは影響し合っているのかもしれません。
「ドラ」の響きの後は、もう奈落の底に落ちていくような暗い楽想が続き、最後は消えるように終わります。この初演の後、わずか9日でチャイコフスキーは帰らぬ人となりました。
蛇足ですが、ドイツでこの曲を聴いたとき、演奏が終わってもしばらくの間、誰一人として拍手をしませんでした。ある女性は泣いていました。何分かたって、パラパラと、拍手が聞こえましたが、それも途切れました。
この間の日本でのコンサートでは、終わった後に「ブラボー!!!」と絶叫した男性がいましたが、いくらいい演奏でも「しらけ」ますね。

閉じる コメント(2)

チャイコフスキー大好きです。
やはり、その楽器の音域のなかでは高い音域を出すほうが、悲痛な、苦しい感じがでると思うのですが、いかがでしょうか?
拍子については教会音楽などはまた何でもありな感じになのですが、そのあたりの時代で使ってる人他にもいそうな気がするので、調べてみますね。

2011/10/16(日) 午後 10:29 [ まよ ] 返信する

顔アイコン

まよさんへ。コメントありがとうございます。チャイコフスキーは、例の「どんちゃん騒ぎ」も迫力があっていいですが、緩徐楽章がいいですね。特に私は木管楽器の使い方が好きです。まよさんもフルートを専門に演奏されるとのことなので、オーケストラでチャイコフスキーを演奏されるときはブログで報告してください。5拍子の歴史はどうなのでしょうか?音楽専門の方から教えていただきたいです。何かわかったら教えてください。

2011/10/17(月) 午後 11:19 [ モーツァルト考 ] 返信する

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事