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昭和17年に竣工されたそうですので、今から、65年前の建物です。 移築され奇麗になったとはいえ・・・ 素材の使い方や、建築的な納まりは、お教えいただくことが多い 建物です。 浴室です。 床と壁はモザイクタイルですが、なんと、天井は木製の仕上げです。 正面の窓も、上下に分かれているのは、換気を考慮したレイアウトです。また、下側の窓のみスリガラス で、プライバシーを保っています。 では上のガラスは、どうして、透明なのでしょうか? お風呂につかりながら、夜空を見上げたのでしょうか? 寝室です。 南側の開口部は、きちんと、引き込み障子になっています。 私たちの近辺で65年前の建物で、障子を引き込み、開けたら全開になる建物を見たことがありますか? |
社会見学&建物探訪
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昭和17年当時の 「キッチン」 です。 当時の図面を拝見させていただくと、「厨房」 と書かれてい ました。 それにしても、白いタイルと、ガスコンベックのようなヨーロッパ製っぽい器具は、昭和17年とは、思え ません。 南側の寝室側からの廊下から、見てみました。 普段の動線の一番見えやすい位置に、時計があります。 この右手に、洗面所、トイレ、浴室、があります。 左手の扉の向こうが、食卓です。 厨房から、食器を差し出す小窓も、重宝されてことと予想されます。 反対側の、食卓から見てみました。 吹抜けの階段を上がりきった、真下あたりに位置します。 |
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見事に柱も何もありません・・・ 2階のゲスト用寝室が宙に浮かんだ状態なのです。 建築用語では、 「 片持ち梁 」 という、言い方をします。 しかしながら、 「 片持ち梁 」 を反対側から支える方法が必要なのです。 「 天秤 」 で、平衡を保つには両側に同じ重さの錘(おもり)を置かなければなりません・・・ どのように、支えているのだろうか・・・??? と、「 天秤 」 の支点の部分から見てみました。 なあ〜るほど・・・ ちゃんと、1階の北側の外壁面を支点に、2階部分を北側に跳ねださせて、ちゃんと、柱で地上から 引っ張っているんです。 この発想には、まさに、眼からウロコ・・・ おまけに、2階のゲスト用寝室も、1階の外壁面から、半間以上、北側に跳ね出しており、構造的にも バランスをとりながら、リビングに柱を立てることもなく、まさに、合理的なデザインであるという事を お教えいただきました。 |
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大きな中軸回転扉から、リビングに入って、南側の吹抜けを見たところです。 吹抜け上部の格子窓から入る光が、両側の白いしっくい壁に影をもたらしています。 深い軒の出もあり、夏はきちんと日射遮蔽ができ、冬は太陽の熱でポカポカ陽気の居心地の良いリビング でした。 照明器具は、イサム・ノグチ だそうです。 続いて、階段を見てみました。 あいにく、2階の寝室は、進入禁止でしたが、毎年、11月3日文化の日だけは、江戸東京たてもの園、全て の建物の、普段は入れない小屋裏なども、開放させるそうです。 吹抜けの北側を見てみました。 柱もないのに、約1間の跳ね出し部分が、ゲスト用の寝室になっています。 跳ね出しの根元の部分は、北側の外壁になっています。 たしかに、柱も立っていません・・・ 一体どうなっているのでしょうか・・・ ??? |
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アプローチと玄関の関係が分かるように、近写してみました。 玄関に入ってから、リビングに入るメインの扉です。 なんと、中軸回転の扉に、ビックリ!!! まだ、丁番の強度の技術が発達していなかった頃の、 大きな開口部の開閉を可能にした納まりなのでしょう・・・ 閉めてみました。 建具自体の縁取りは木製ですが、周りの枠材と一体化した納まりになっていて、ギラギラとした丁番の ような金物の存在すらありません。 この極意は、現在では金物の強度を保てる納まり方を、各メーカー様が開発しておられ、私たちは、 新たな情報収集をするだけで商品開発ができますが、当時は、そうはいかなかったことでしょう。 |



