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【寂しき心】
何がいけなかったのか。
若かった頃の昔の僕には判らなかった。
あの日から僕の意識は堂々巡り。 暗黒な脳内妄想世界 其処の迷宮回廊にて。 為す術も無い苦悶な懊悩は 永久にかと。 何時までもな終わりなき堂々巡り。 もしもと もしかの 無間地獄な堂々巡り。 未熟者な青の時は刹那で過ぎ去り。 今振り返っても 未だに未だにぃ ット。
あの時。何故にと。 限りなく悔やむもの胸に迫り続けました。
夜更けて明かり燈さぬで黒い壁に囲まれ。
音量絞った深夜放送のラジオ聞きながらでした。
毎晩酒に溺れ。想い出責めで逝きました。 我の肉体は知らずとも。大人へと爛熟せしも。 育たぬ胸の内の心根。 幼さ心算の半端な。情けないほどな未熟者でした。
夜明けて寝乱れし枕元。
餓狼かと求めし翳も視へない 終わり芝居。
目覚めれば 知らぬ女がと同衾。 「あんたぁ。もぉ少しぃ寝てようよぉぅ。」
っと。無理にと聞き覚えなき声。 だと。 無理にと。見覚へなき女の。冷たき白き手がと。 其れに優しく摑まれし我の二の腕。 頭に僅かばかり残りし酒精の残滓。 夜の出来事へと戻します。
酔いがと。そのせいにした悔やむ出来事。 脳を焼いて直ぐに想い出させてくれました。 「もぉぅ明るい。お前ぇ帰ってくれ。」 閉めきった明るい障子から顔逸らさずに唇。僅か動かしで喋ります。 「 エッ!・・・・・そぅ。醒めたんやねぇ。」 「ぅん。もぉ酔ぉてない。わるいな。そやから帰ってくれ。」 玄関扉。音ナク静かに閉じました。 小股ナ踵で鳴らす靴音。煙草銜へ視つめる扉の向こう側。 段々消えながら遠のいて逝きます。
胸中。忸怩たる責めな物。広がり続けます。 心の奥で。迎え酒ぇでもするかぁ。 布団踏みしめ立ち上がろうとしたら。靴音が。 アパートの鉄の階段踏む音。聴こえてきました。 今度は。段々とハッきりと聴こえて来ながらでした。 小股ナ踵で。古びた板敷きの廊下を蹴る様に鳴らしながら。 靴音。玄関の外で消え。急にドアが外側にと開かれました。 出ていったサッキの女。怖い顔して玄関に入ってきました。
肩から提げてた茶色い蜥蜴革のバック。自分目がけて投げてきます。
自分。ワザと避けませんでした。
左の耳元掠め。背中の後ろの襖に当たる音。 「弱虫ッ!泣き言しかないんかッ!阿保ッぅ!」 「ぇッ。お前ナニ言うんや。」 「うちはアンタに慰めしたんと違うッ!」 「・・・・!」 「うちもアンタと同じやっと想うたさかいにや!」 「オッ同じぃ?」 「そぉや。うちかて忘れたいことイッパイあるぅ。そやからやっ!」 玄関の外。アパートの住人が歩く足音していました。 朝の普段の生活が始まったから。 「コッこの味噌汁ぅ。旨いわ。」 「そぉかぁ・・・アリガトぉ。」 「ぅん。ホンマニや。」 「・・・・・そぉ。」 朝から味噌汁の匂い嗅ぐん。久しぶりやった。 「さっきぃ。キツイことしてゴメンね。」 「ぇえよッ。ホンマのコトやし。」 「・・・・・!」 「!ッ なんで泣くんや?」 「・・・・泣いてない。」 「・・・・・そっか。」 「ぅん。」 二人。味噌汁啜る音。静かに部屋の中でしてました。 二人。互いの顔伏せてました。 「アッツイ(熱い)けど旨いなぁ。」 「ぉぉきに。」 「なぁ。」
「なにぃ?」 「すまんかったなぁ。」 「もぉぅ。えぇわぁ。」 「ちがうねん。謝ってない。」 「ぇ! 」 「自分になぁ。ゆ(言)ぅてるんや。」 「ぇ? 」 「わぃ。何時までもなぁ。コンナンしていたいわ。」 「意味ぃ判らんとよぉ。」 「もぉなぁ。忘れるやワイ。そやから此処に居ったらえぇ。」 「・・・・ぅちがぁ。」 「そや。此処に居ったらえぇ。」 「ホンマニ言うてるん?」 「嘘ぉ言うてどないするんや。あかんかっ?」 「ぁかんって・・・・・」 「もぉ。泣かんといてくれるかぁ。」 「なぁんもぅ泣いてないぃ。」 「ほな。なんや?」 「嬉しかったら泣いたらアカンのんかぁ。」 過去に在った出来事は。書き換えることなんか出来ないけど。 後から何かが生まれなかったら。心ん中で想い出にも為らんようでした。
何かを忘れ去らなくても。新しく生まれしもので包んでしまい。 何時の間にか忘れたようにする事は。できるようだなぁ。 後からそぉぅ思えるコトかなぁっと。 |

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