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なんやねん?

 
 
 
イメージ 1 語りイメージ
 
   

ボクは。お前の顔を直視すること。出来なかった。
胸の中。戸惑いと迷いで隙間なく満たされていたから。
 
俯き加減で煙草を咥えた。
顔を上げれば動揺を隠せなかった。
 
ジッポで火を点けた。煙が眼に沁みた。眼を眇め瞬かせた。
 
 
煙を 吐き出すついでみたいに訊いた。
 
「もぉぅ(別離)四年くらいかぁ。なぁ?」 ット
 
 
何故って? お前えがあの頃より。綺麗になっていたから。
どぉしようも無く。ボクの胸の鼓動が! 
苦しかった。堪へしょうもなく。
 
 
想いだした。あの時。最後にお前が叫んだ言葉礫。
 
「アンタぁ。鈍感よおぉ!」 ッ!
 
今でも鈍感なボクの耳の奥。脳の中で響き渡っていた。
 

どぉぅして?君は優しそうに微笑んでいられるの。
 
 
 
なぁ。何故?ボクのぉぅ!ッ
 
「茶ぁ。しばかへんかぁ!」 
 
っの。無理強い決め誘いを。あの時。
ナンの迷う素振りも無く。受けたの?
 
 

「ぉッ! 久しぶりやなぁ~!」
「ぅん。あそこの角からぁ。アンタに気付いてたよぉ。」
「エッ? ソッそぉなん!」

「うん。右肩上がりで歩く姿の人って。あんまりいないよぉ。」
「ぅん。そぉかぁ。」
 
 
もぉ少しで泣けそうになる言葉です。
だからボクは息を呑んで我慢ッした。
 

出逢ったのは想いがけずな。偶然でした。

観るからに。重たい黒っぽい。ドブ鼠色の雨雲。
濡れて立ち並ぶ高層ビル群のテッペンを。
覆う様に低く垂れ込む梅の雨空。
 
朝から降り続いていた雨。ヤットの切れ間の薄暗い夕方頃。 

店(倶楽部)の今夜の仕込みをする為にの出勤途上で。 
何時もの街角を曲がり。俯き加減で歩いていたら。
お前と別れるまで見慣れていた踵の高い赤い靴が。
ボクの脚を蹴る様な感じで足元にっ!
 
雨溜まり水。蹴り弾く様にボクの眼の前に突き出し。置かれました。 
今では随分昔みたいな。懐かしい想いの気持ちでした。
お前の誕生日にボクが。贈った赤い靴ぅでした。
 

お前が幸せそぉでボクね。嬉しかった
けどね。心の何処かで何時かはって。
だからね。必死で笑顔っ。作っていたよっ!
 
っで。君の言葉。
 
「今でも無理してるんだぁ!」
 
恥ずかしかった。ボクね。ゼンゼン成長してないから。あの頃から
 

真っ白いティカップ。摘んだ細い指。赤いエナメル塗った爪。 
懐かしさで横目で盗んで視詰めた。
 
細く長い洋モク。カッコよく吹かす仕草が眩しかったッ!
 
 
「どぉしてるのっ?」
 
っと聞かれて詰まったっ!返事に。
今でもって言えないコトがあったから。
 
「今でもあそこに居るのっ?」
「ぅん。居るっ。何処にも往けないから。」

「そぉぅ。苦しくなかった?」
 
想いがけないお前の言葉っだった。
 
「ぁあっ。どないもぉないよぉ。」
 
何時かは帰ってくるかも。っとの言葉を飲み込んで言ったぁ!
 
 
後から幾ら想い出そうとしても此の時。
他になにをお前と話したか。あんましぃ想いだせない。
 
唯ぁ。お前が。
 
「ウチぃ。離婚したんよぉ。ェへッ!」 明るく笑った。
 
其れを聴いたボクの心の底に。静かに何かが広がった
 
「ぁのねっ。明日ね。佐世保に帰るんよぉ。」
「ぇ!そぉなん?」
「ぅん。帰るのっ。」

「そぉかぁ。」
「・・・・そぉ。」
 
ボクは益々。お前の顔ぉ観れなかった。
 
「何時なん?」
「ぇ?」

「何時ごろになん?」
「ぁ。あぁ!始発に乗るんよぉ。朝ぁ早いからぁ起きれるかなぁ・・・・。」

「そぉやなぁ。未だに苦手なんかぁ?」
「ぅん。起き難いよぉ。」

「そぉかぁ。チャンと起きんとアカンでぇ。なぁ。」
「ぅん。頑張ってみるなぁ。」

「ぉぉ!頑張りんかぁ。」
 
お前との話し。何の蟠りも無くやった。
 

其の日の夜。ボクはなぁ。店で散々荒れたって。
理由は一つ。自分の不甲斐なさやった。

酒に逃げて酔い潰れた。
目覚めれば。閉店後の暗いボックス席の下。絨毯の上。
 
酔脳が時間は?っと。
 
眼の前に持ってきた腕時計。
文字盤が夜光塗料で正午過ぎと。
 
涙ぁ。止め処も無くやった。
声ぇ。幾ら堪えても暗闇にぃ。嗚咽の響きがぁ。 ヤッタ
 
 
 
暫くした或る日の深夜。
 
店がハネてから。駅裏のアパートに帰ったら。
切れかけた蛍光灯瞬く階段下の。
錆びて赤色ペンキが剥げ掛けた金属の郵便受けに。葉書が。
 
 
『 アホッ!馬鹿たい!鈍感たい!』 
 
ット。お前の怒り文字での言葉が。
 
続く文字言葉はボクにの。非難と責める言葉の羅列。
瞬く蛍光灯の下で葉書を読み続けると。葉書の端に。
 
何かの雫が落ちて。濡れて乾いた様な痕がぁ・・・・アッ!
 
言葉の裏が読めました。
文字言葉の最後に。
 
 
『迎えに来てください。お願いします。』
 
 
 
         
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