|
【 ガンブチイケ 】
此の世の果てとゆうのは 此の世の何処かに在るのでしょうか
其処は 水に沈んだ世界なれど 人が何かを想い願えば 本当に 叶へられるのでしょうか
此の国の果てが 海に面し 切り立った断崖ならば
星無い暗い晩に 其の絶壁の淵に佇み瞳を閉じ 心の暗闇を 黄泉の国を 覗いてみましょう
あなたの心の暗闇から 忸怩たる声 漏れ聴こへましたら
閉じてた眼を開け 夜の闇の吸い込まれるような 濃縮された暗さの向こう 覗きましょう 荒磯に 荒波激しく弾け散る時 潮の中の夜光虫
幽鬼ナ青色輝き するのでしょうか 其れは 幽玄な黄泉世界に 「おいでぇ・・・・ 」 って 青く輝いて 招いてくれるのでしょうか あなたは 断崖の其処から 此の身をッと投げます
刹那な 生き死の狭間な空間に 堕ちて飛べるなら 潮の中にと最後まで 意識は途切れない儘 わたしと共に 堕ち逝けるでしょうか
暗き深海の深間が 望んで捜す果てなら 黒色潮流渦巻く 海の深き処の海溝まで 独りで沈んで見せましょう 「ぇッ! 溺れても知りませんよ 何故ッ? 」 ッと?
如何にもぅ・・・・・今更 おかしなことを お言いで
ナに思う夜に 透明水晶を砕いて 無数の欠片にし 暗き静かな庭に巻き散らし 蝋燭を一灯 燈しましょう 吐く息を堪へて 息苦しさで指先震えながら マッチを擦って そしたら 蝋燭が燈る間 闇ナ庭に
宙が 星が輝く宙がッ! 出没 無数の星々が 瞬き輝く空の高みが 果てなッ? と言うのなら わたしたちは 願っても望んでも 哀しいけれど往けません ぼくは 翼を 持たないから
あなたは 心を 持たないから なら 如何しても 二人揃って星の世界に逝けません
闇夜の中を 音無く歩く死人さん 歩く事は 魂だけなら楽でしょう 何故なら 仄かな蒼きに燃える燐光 霊魂其の物 冷たいねぇ って輝きますから ふわふわ ふわふわ 漂い歩き
賽の河原の向こう側 其処が果てなんでしょうか 地獄旅行しましょうか 地獄巡行為さりましょうか 誘うのは 死招きなお迎えさん おいで って何回も 何回も
音無く流れる三途の川 何処から何処まで流れ逝く 無音ナ上流には 何が
暗さ透かして望む下流には 何が 果てから果てにと 何処までもって流れるの 何方か教えて下さいな
其処が 果てだよと
人を前から捉えずに 斜めから 足音殺します 観得ぬ明日が怖くって 静かに土踏む ソロリ歩きは 平家蟹の横歩き 琵琶法師 一際に 掻き鳴らします 果てを見詰よと
二人が望んで 初めて同衾した夜 後から思えば 瞬く如くナ 其の時間 コッソリ 昔の人が 覗いてましたそうな 小さき和船 船尾の櫓が
確かに漕がぬのに 揺れました 悪い鬼が 船底の水垢に浸かり 幼子抱いて啼き狂うた女々(メメ)に
弱気赤子 潮に儘よと浸けませ っと目強(メシ)いましたから 女々 膝が浸かった水垢の向こう側覗き
異次元ナ 決して往けぬ世界を眺め 驚きましたから 船 揺れました 狂気が招いた幻覚 恐ろしげなぁ・・・・・! 早く此の苦しめから 逃れたい
琵琶の音 ベンベン ベンベン 鳴り止まず 一想いの其の時から 耳に刻まれました 潮水の底に 二匹の蟹が 戯れ合うがの如くに 揃って横に歩きながら 遊んでいましょうか 鋏を振ってるのは 此方にと 招いてるのでしょうか 何も考えず 何も持たず 何も 何も なにも なんでしょうか 逝く時は 何も
心は空っぽなんでしょうか
二人 願はずに気づけば 潮水満々たる 蟹淵池の暗き底 其処で 快楽貪り
挟みが 開いて閉じて カチカチカチカチ 何回も開いて閉じて カチカチカチ カチカチカチ |
全体表示







