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(画像は勝手イメージ)
【老いの繰り言】 あの頃のボンと真二と自分のさんにん、随分と若かった。 その若さが故にそれぞれが、自分の身を、どぉぅしようもなく持て余していました。 だから、ナニもできなくなった今に為って想えばなぁ
ひとが望まなくとも老いるとゆぅことはなぁ、心も老いるんですよ。 そやさかいぃ ユックリと精神が参るし 残酷なモンやねんなぁ。
あの晩は、街中にこれでもかと、ギョウサンのパトが溢れていました。
あの騒動のとき。オレらの逃げ道を封鎖するために
緊急配備中のマッポが、道路に設置した検問所を突破したり 追いかけてくるパトを、如何にかして煙に巻こぉとして躍起になっていました。 逃げ回りながら考えてたんはぁ、コンナン何時までも続けばえぇんや。ッテ。
そないな時の状況をなぁ 頭の中で楽しんどる自分が居った。 毎日マイニチ退屈だけが日々繰り返す、ソナイナ普段の生活では決して味あえへんモンをっと。
若かったさんにんな ナンも知らずに訳も判らずに追い求めていたんやで。 老いた今になり、あの騒動を振り返り想いだしますと。
緊急配備中の警官からナントカ逃れようと、捕まらないようにと逃げまわっていたあのとき。 言葉ではナンとも言い難いけど、なんや気分がムチャクチャ高揚し充実したような 気持ちのえぇ快感に溺れていたのを憶えています。 けどなぁ そんなん長続きぃなんかしませんねん。
醒めるんも早いさかいな。 お楽しみのあとには、想いもせぇへん物事が始めりますんや。
簡単には済ましたり、終われん物事がなぁ。 そん時ぃ若さだけが っとでは済まされんかったんです。
(映像は文章のイメージ 無関係)
バイバイ
夜の時代【深夜倶楽部】
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夜の時代 【深夜倶楽部】
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(画像は勝手イメージ 無関係)
【永い夜】 平成の冬の とある夜更けた頃 あの日の晩、夜はユックリと終わろうとしていました。 だけど夜明けは、自分の焦る想いとは裏腹にぃ 直ぐには巡ってきませんでした。 だから今になって、あのときのことに想いを馳せるとき 自分が今現在 此処に居られるとは あのときはマッタク想像もしていませんでした。 当時、自分が棲んでいた街は、幹線道路の国道や県道など主な道路以外 ご立派なアスファルト舗装などされていない路のほうが多かった。 車で何処かに物見有山にでもと ドライブに出かけると 大都会の街中なら兎も角、自分が住んでいた関西の田舎街じゃぁ 車で街外れの河に架かる橋を渡り、郊外にへと暫く走りますと 直ぐに路の両脇には、広々とした田圃の風景が眺められていました。 ッデ、国道から少し狭い脇道にと乗り入れますと、一応は簡易舗装だったけど 国道なんかの幹線道路のような、アスファルト舗装じゃぁなかったんですよ。 当時の軽自動車規格だった小さな車がですね、如何にかスレ違えるかどうかの 狭い隘路みたいな道の幅だったかと。 だけどなぁ その狭さな道幅が場合によっては 都合が宜しいこともありましたなぁ 老いた今に為り、独り寝の布団の中でこの頃 よくあの物騒な晩にへと想いを巡らすことがございます。 そぉしますと、ナカナカ寝付けないもんやから布団からゴソゴソと這い出します。 ッデ暗い中を台所にへと。足の指や体の何処かを敷居や柱にブッツケながらね。 睡眠薬代わりの酒を求めて、台所まで家の中を漫ろ歩きします。 狭い台所は昼間でも薄暗く、夜の室内の灯りといえば 流し台向こう側の壁に穿ったような、小さな窓の磨り硝子越しに射しこむ 一晩中瞬く近所のラブホのネオンの輝きくらいしか、灯りがない部屋でした。 自分の老いた眼の視力では視え難いけど、酒が何処にあるかぁなんてのはぁ、 長年棲んでいますからね、慣れの感覚手探りで直ぐに探し当てます。 流し台の洗い桶に洗いもせず突っ込んだまゝの湯呑みを手にとり 冷たい水気を手首の一振りで飛ばし、安酒な日本酒の紙パックを傾け 滴を垂れる濡れた茶碗に注ぎます。 茶碗の中の酒は表面が注ぎ揺れし 窓越しに射し込むネオンの点滅灯りで仄かに輝くネオン色。 その舐めるような仄かな輝き、独り者の眼には優しさな感じで映ります。 流し台の前に立ち、先ずはと茶碗を口元に。 一気で飲み干しました。 ッデ直ぐに紙パック傾け再び注ぎます。 その時、一気で堪えていた息を吐き出すと 握りしめていた茶碗の酒が、縁を超え素足の上に滴りおちました。 寒さでカジカンダ足の指を濡らしました。 そんなコトを無視しながら、茶碗酒ぉ幾度もと重ねます。 だけど指を濡らす酒の冷たさは、老いの胸の心の中を責め始めます。 頭の中では、物事を突きつめ判ったつもり、終わったつもりの物事がイッパイ。 胸の中の心の中じゃぁ、その突きつめ重なった物事が 忘れもせずに幾度もかと、限りなくと酒を呼び戻します。 茶碗ぉナン杯呷っても、頭の中は痺れて判断を迷わせてもなぁ。 胸の中の心がなぁ、終わった筈の物事なんやろぉけどもなぁ 苦しさで、悲しさでと責めながらやねん。 心が醒めながら、自分の心ぉ攻めるんや。 早くぅ 朝が来ないんやろかぁ。 アン時ぃみたいにぃ。 ッテ想いながら、永い夜が続きますんやぁ。 (映像は文章の勝手イメージ・絶対無関係)
バイバイ
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「ボンッ!なんでお前が居るんやッ! 」 ボンの胸倉摑んで引きよせ真二、ボンの顔面寸前で怒鳴りました。 「怒鳴ったかてドナイもならんッ!」 っと自分。 静か喋りな怒り言葉で。 窓に分厚い毛布を吊り、声が外に漏れないようにしてある 暗い裸電燈だけの、部屋の中には、血の匂いが満ちていました。 ボンが、ナニかを求めて遣った、怖気ナ嵐が過ぎ去った跡だから。 「シッ真二さん、クック苦しいがなッ! 」 真二、暫くボンの眼の奥を観てから、突き放した。 ボン、後ろにヨロケたら、畳の上の男に躓いて、尻モチを着いた。 上に乗られてしまった男、苦しそうな小さな呻き漏らした。 「ナンでボンがここに居るんや? 」 「ちぃふぅ、ナンでってゆうても、つねさんがコンナン自分独りで如何にかなるさかいにぃって 」 「つねッ!・・・・・ぁのぅアホッがあぁ! 」 真二が つねが、公衆電話ボックスから、別に慌てる様子もなく、普通な感じで出てきた。 ボン、其れ、惚れ惚れと観て、こぉぅ思いました。 ≪つねさん噂どうりに、肝(ハラ)が据わってるなぁ!≫ っと つね、一晩の騒動にでも、何事もなかったような綺麗な化粧顔してた。 赤い髪が歩く度に、優美にぃフワフワとぉ・・・・! ボン、つねがドアを閉めるのを待って、車を発進させようとして、フトッ! フトッぅ、何かがぁ・・・・っで、車を出すのを止め、ボン聞きます。 「どないですか ? 」 「ぅん、チャンと教えたさかい、直ぐに着よるわぁ 」 「・・・・・チャンとって? 」 ボン、ナンとなく問いました。 つねの言葉尻に、なにかがぁ・・・・? 「はようぅ(早く)出しぃ来るよぉ 」 走り出すと直ぐに、遠くの、アッチコッチの何処かで、パトの悲鳴がぁ! 其れ、次第に自分たちが走ってる方に、近づいてました。 ボン、窓をすべて全開にし、箱のセダン≪510SSS≫ アクセル床まで踏むと、車内は激しく舞う風でッ! 互いの会話がぁ! し難くなる。 「ボン、コンナンうち独りで十分大丈夫やぁ、そやからアンタ逃げりぃ 」 「ジュウブンってッ! ナニ言うてますねん頼まれたん自分ですよッ! 」 「ァホッ! 大のおとッ・・・ぉガァ・・ッ! 二人もいらへんッ! 」 「いやや! 」 「チョット停めてッ 」 「アカンって! 」 つねボン、怒鳴り喋りの喧嘩腰ッ! 助手席からつね、赤い爪の手伸ばしハンドル摑んだ。 「ナにするねんッ! 」 「そこで止まりッ! 」 ボン、左手で振り払おうとッ! 3S(スリーエス)ケツ振って蛇行ッ! 「止めッってッ! 」 ボン、意地でもと、アクセル踏みッパナシッ! ボン、左手の裏拳ッ!飛ばしたッ! ヒットッ! つねの何処かに当たったッ! つね、一声呻いてハンドルから離れた。 ボン、ハンドルを元に戻すと怒鳴ります 「ボケッ!ナニ訳判らんコトさらすんやッ! 」 返事の代わりに、つねの黒いストッキングに包まれた 綺麗な細い右脚、ボンの方に伸びたッ! 真ん中のコンソール乗り越え、ブレーキペダル踏もうとッ! っで、此処で流石にボン・・・・ 捲くれ上がったスカートから伸びている、つねの右脚の太腿の チョット粗めの黒いストッキング吊ってる、ガーターベルトの黒紐ぅ視たら 止めようとする気力、何処かにと失せました。 つね、これ以上ないほどナ感じで右脚 ボンに見せびらかすように、ユックリトヒールの先でブレーキ踏むッ! ボン、剥き出しの其の脚、視たくは無かったので、ナにもしなかった。 クラッチも踏まなかったので、車体がギクシャクしながら路肩に停車した。 「真ちゃんと、ちぃふぅにぃ、よぉぅゆうといてなッ! 」 「なんやって? 」 「何時までも、待っといてッテ 」 「アホッ!直ぐに釈放されるがな 」 「ぅん、アンタみたいな前モチ(前科)ちゃうもんね 」 つね、車の窓硝子閉めるとき、物凄い嬉しそうな艶然顔ッ! 遠のく3S見送りながら、ボン心で。 「アホゥガッ!コッチにウインクしながら、前方を観もしないで タイヤに悲鳴上げさせ急発進やぁってッ!・・・馬鹿タレ目ぇ〜! 」 ボン、ゴムタイヤが焼け焦げる青い煙の匂い、アンマシィ香しくはないなぁ! ボンとつね、後から此の時のコト、こぅ言います。 「つねさんなぁ、もぉ!無茶しますんやでッ! 」 「アホ言わんときぃ、あのときなぁアンタは前モチやし、ちぃふかてなぁ・・・・」 「ワイ、ナにもないッ、綺麗な体やったでぇ 」 「真ちゃんは面倒みなアカンあの娘がいたしぃ そやからウチしか居らん思ぉてやったんやでぇ! 」 「そやけど、事故ったらどないするねん 」 「ぁ!ウチぃ傷モンに為ったら、ボンにもろうてもろたらぁ・・・! 」 「要らんッ! 」 三人、黙り込んだら、其れを待っていたようにぃ呻き言葉が、下から湧いてきました。 「お前らぁ・・・・タッ唯で済むと想うなよぉぅ!絶対ぃみぃ 」 気絶してると思ってた、畳に転んでた血塗れ男がぁ・・・・! ボン、男が言い終わらないウチに、横っ腹に蹴りぃ入れました。 部屋の中、三人分の煙草の紫煙が、静かに漂っていましたけど ボンの動きで、渦巻くようになってました。 自分、其の渦眺めながら想いました。 こぅやってぇ物事は、益々複雑に為ってゆき ドンドンッドンドン 悪い方に転がって逝きますんやなぁ・・・・! 喉の奥乾ききりッ! 潤す酒ぇ・・・・! 欲しがっていました。 潤すだけじゃぁ無かったんやけどぅ。 煙草、砂噛む味がしていました。 |
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【 止の心算がぁ ・ ・ ・ ・ ッ! 】 夕方が近づくと 逃げ回る者の心は 漫ろ(ソゾロ)に為ってきます。 何時か 終わる時が来るかもぅ っと 想いながら眺める 沈みかけの太陽 暗い赤さで魅せながら 人の心を遣っ付けます。 此れでもか と モット! アクセル回さんかぁ〜! っと 人の言葉が話せるなら そぉ喋るかもなぁ 自分、そないに思いながらでした。 自分も、強く握ったアクセルは、こんな半端な開きじゃぁなく 捻り過ぎて、回らんくらいにしてやりたかった。 そしたら、今の行き詰った状況から抜け出せる ・ ・ ・ ・ っかもなぁ 「コウジ、もぉソロソロやで 」 「ぅん、そやな 」 肩越しに言われたので、肩越しに返事した。 進む道の先の方に、ボンから教えられた 縁取りのペンキも剥げかけた 古ぼけた看板が見えてきた。 「コウジ、あれ違うんかぁ? 」 「あれやな 」 「何処ぞにぃ トイレないかなぁ 」 「ナンや ビビッタんか 」 「アホッ! チョット冷えたさかいにや 」 マッハを惰性で走らせ、看板を遣り過ごした。 次の角に在る、ホームセンターの駐車場に 単車ぁ 突っ込ませた。 「なぁコウジ、居るやろかなぁ 」 「解からん、行ってみんと 」 「 ・ ・ ・ ・ 居ったらえぇんやけどなぁ 」 「そぉぅやな 」 自分、居ったらドナイする心算やねん っと 言わずもがななコトを、聞きそうやった。 自分の小便、濃い目の水割みたいな 烏龍茶のような 濃いぃ色やった。 路地の入り口辺りで、古い木の看板を見上げると 【 新和壮 】 っと 書いてあった。 看板、電信柱に勝手に括り付けたような感じヤッタ。 縁周りの赤も色褪せた 縦長木造看板 前もって、ボンが教えてくれてたから 自分らには判ったけど 書かれた文字は 長年の雨風に遣られていたので ヨッポド気をつけて 睨んで視ない事には 何と書いてあるのか 判断できずに タブン、通り過ぎてしまっていた。 アパートの出入り口には 扉もなかった。 中を覗くと、通路には明り取りの窓もなく 傘もない裸電球の通路灯が 大きな間を開けて灯っていた。 通路の両側に、部屋の扉。 並んでる。 入って直ぐにの右手に、二階への階段。 二階にと、木の階段を ゆっくりと気をつけて踏んでも 枯れ木が擦れ合うよな 軋んだ音を発てる。 二階の廊下も、歩くと床板が靴の下で撓んで軋んだ。 「此処や 」 「・・・・ぅん 」 自分、部屋の扉の上の番号を見つけ 後ろの真二に 聞こえるくらいの小声で喋りました。 真二、ワイの背中を突っつきながら、微か言葉で耳元囁き 「なんや聴こえるやろ ! 」 っと。 「ぇ!・・・・・ 」 「なっ! 」 暫く部屋の中の様子を見てました。 二人で扉に、片方の耳をソバダテテでした。 誰かが何かを話したら 静かになり、同じ者が再び喋ったら静かに。 それが何回か繰り返されました。 静かさの合間に、何か鈍い音が混ざってる。 「なんや? 思う 」 っと問われて 「わからんわ 」 って返事して 振り返り見ると、真二、上着の懐に腕を突っ込んでいた。 ヤッパシぃ、遣るつもりかぁ ! 真二ぃ。 じゃぁ仕方ないかぁ! ・ ・ ・ ・ ・ 自分がぁ ! 先にぃい! えぇえ〜ぃい! いかんかぁあ〜!! っと、本気の覚悟を下腹でして 扉を叩いた。 中の話し声が止んだ。 「ワイが先や 」 っと 真二が後ろから 自分の肩を強く摑んだので 身を揺すって 真二の手を振り解いた。 「何方さんや? 」 中から その声聞いたら わ!ッ っと驚いた。 自分の中でナンデや? って。 っで、直ぐに口から出た言葉が 「ボケ!ナニサラスねん 」 「ぇ?・・・・・! 」 「はよう (早く) 開けさらさんかい! 」 扉が少し開いたので、ノブを摑んで肩で押し開いた。 中に押し入ると、真っ暗やった。 部屋の中 「電気点けんか 」 「ハイぃ チョとまってんかぁ 」 明かりが点いたら、部屋の窓には カーテンの代わりに毛布が吊られていた。 その下の、畳の上には、赤い血染めのパジャマ姿で 顔中を腫らして血だらけの男が 転がっていました。 部屋の中には、生臭な血の匂い、赤錆びた鉄の匂いが充満してた。 その中には、小便の匂いも混ざっていました。 っで、部屋の真ん中の暗い電燈の下で 右手に 特製匕首を持ち提げた 見習い若ボンが! 背筋を伸ばして姿勢もいい、綺麗な立ち姿で お立ちに為ってました。 「二人ともぅ 遅すぎやぁ〜! 」 ボンが何かに酩酊寸前のような、感じの声で! 自分、思わずに右の平手で ボンの頬を打ちました。 「痛ぁ〜! なんでやねん! 」 血の匂いに酔ってるボンが 「アホッ! 勝手なことしくさってからに 」 ボンの目を覚ませる為に自分が 「お前!ッ ナンで此処に居るんや 」 っと真二が、おかぁハンから頂いてた、切っ先鋭い得物を握り締め 此の場に出遅れて、腹立たしげに言うた。 自分、此れで何度目の 「なんでや?」 って 聞いたんかなぁ? 想ぅたっ! |
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【昨夜のボン っと 赤い髪の女】 っの、お話しの心算がぁ 番外です。 ボン最初、夜更けに清美の身柄を貰い受けに 此処(H警察署)に来た時は 未だ、騒ぎの始まりで、署内の様子は騒然として苛立ち雰囲気が在った。 っと 次の一晩で二回目の強制御訪問時(警察署に連行された時)は、 初回時よりも、署内は殺気立っていました。 っと だけど不思議と、取り調べ担当の刑事(縄澤)の態度は、妙に優しかった っと。 ボン、随分後になって事件が凡て片付き落ち着いてから、そぉ話してくれました。 話してくれた其の飲み会、あの時の騒動の関係者一同で集まり、 昔ぃのぅ其の当時の 想い出話を話し合っていました。 飲み交わす酒の酔い、想い出に耽って懐かしむ仲間たちの口を滑らかにします。 場所は知り合いが当時遣っていました、路地裏場末に在った 「某」スナック。 其の晩、路地裏入り口付近に置いてます、店は此処よと案内の行灯看板 今夜は端(ハナ)から明かり消し、少し路地奥にと引き込んでいました。 店は普段ならば、ケッシテ落とさぬ、夜の水化粧をです 落とすと 不気味な能面顔! っのママと、 ママの娘と同い年な感じの若い女二人、の、三人で遣っていました。 其の飲み会のあった夜 此の店、何時もなら、夜晩くまで、薄暗い路地奥の店の扉の上で ネオン蛍光管が古くなって消えかかっている、かのように瞬いていた、 扇形に形取ったネオンのピンク色蛍光管 宵の口から消されてました。 ケバイネオンや看板が、派手に光った飲み屋が軒を連ねる 酔眼には 殊更明るかった魚町通りから狭い路地に踏み入ると、 其処、街灯照明など在る筈もない暗がり。 夕方に、縁起担ぎの水打った狭い歩き道、乾きかけてます。 此処ならもぉ自分、目を瞑ってもっと表通りの明かりを背に、 地面に浮かんだ長い自分の影 追いながら歩いて突き当たり。 手探りでっと、ドアの取っ手を掴み引き開けばぁ・・・・! 薄暗い普段よりも 随分と明るく照明を点した中は、 此の辺りの界隈で家業(水仕事)で巣食う、古狸ぃらの貸し切り状態。 有線チャンネル、音楽ジャンル設定ダイヤルは、ドッ演歌止め合わせ。 聞こえるかどうか程度に音量落とし、微かに流れ聞こえる曲 騒動当時の 流行り演歌。 啼きのでした。 全員で廻し呑みいたしまする、可也な量の酒が満たされた大きな硝子の器。 化けモンみたいにぃ怖ろしくデッカくて重い、物騒なブランデーグラス風置物。 呑口口径、直径一尺余り、中には麦酒の中瓶ぅ、七ぃ八、九ぅ、十っ本んぅくらいは軽くぅ 難なく真にナンナク 注げ込めましたでしょうぉか っと。 此れぇ以前は、色々な種類の綺麗な乾き花束ぁ っが飾り盛られていました。 その次は、店のマッチが山盛りっで、マッチが減るにしたがって、 店に勤める女の娘らが、ポーチや財布等の私物入れにと、成り果てます。 「なぁ、イチイチ注ぐんも邪魔臭ぁないかぁ? 」 誰かが 「そぉぅやなぁ、べつにぃ気ぃ使う相手もおらんしぃなぁ 」 ヨッパライが 「ここられでなぁ、一服したってぇナンかせぇへんかぁ? 」 多少ましなヤツが 「飲む以外にぃなにやぁ? 」 飲み足らんお人がぁ 「ぁ!そぉや、此の前なぁゲ〜ムしたわぁ 」 店のママが 「なにぃ? 」 カウンターで腕を枕にぃお眠りしていた、もぉ可也なヨッパライがぁ 「アンタぁ寝とったらえぇねん、あんなぁチョットまってんかぁ 」 っで、店の奥の着替え室ケン厨房ケン仲間内でのヒソヒソ謀議室ケン・・・・ から、持ち出したのが デッカイブランデーグラス。 「ホナ、ワイからいくで〜 」 「ハイハイやったらんかぃ 」 「ホンマニ参ったゆうたヤツがやなぁ 罰金なんやからなぁ 」 「分かっとぉ! 早にぃせんかい 」 っで、栄誉ある一番目ぇジャンケンでぇボンやった。 (この時にはもぉ「若ボン」じゃぁなかった。 けど、全員がボンゆうてた。) 「おぃ、ナンボも減らんで 」 「ムゥフフムゥぅぅぅぅ・・・・ぅ! 」 ボン、飲みながらの返事ぃ 「ぁ! 離したれ、溺れよる !! 」 「ホンマかぁ! 」 まぁ、最初からの遭難者一号やった。 其れぇ 両腕で抱え込むようにして持ち上げ、両脇のお方ラにお手伝いして貰い、 口をつける時に、前歯の二三本も欠けるくらいの覚悟を決めまして、 そぉっと唇を近づけますと、顔がっ!グラスの中にぃ! 目前には真っ白き微粒子たる細かき泡がぁ〜! チョイ目線を上げれば、泡の上の硝子越し、夜の店内世界が、望めました。 泡立ち琥珀色液体、啜るコとなく喉へと・・・・自然とな、流れ込みかと! 息継ぎは、出来ませぬ。 すれば肺にと琥珀泡立ち液体自然とぉ・・・・! 溺れる覚悟で、時間の遅しな感覚世界。 口の端より、多少は零れる儘にぃ・・・・!死ぬ 逝きつく先は、トッテモなぁ酩酊村までかぁ! 酔いどれ村かのぅ村長はぁ、俺様かぁ! 何処じゃ此処どこじゃぁ〜! 一口三口呑むだけじゃぁ 満々と注がれましたる琥珀色液体表面の泡の、上限赤色マジックペン印から、 殆どと言っていい程 マッタク下がりません。 一口三口ぃじゃぁ・・・・・途中で数を数えるのが無駄なコトぉ・・・・・っで、 何回目かは、もぉ数がイッパイやぁ〜!・・・・ っとしかぁ ゴクンッ、ゴクゴクゴックン! 喉の動きに合わせて、胃袋がどぉにかぁ! 腹が今まで考えた事無いほどにぃ、無茶苦茶張り出します。 徐々に酩酊気分真っ盛りにぃなるのが 自分でもハッきりっと、解かって来ます。 す〜っと、ドッカに逝きますなぁ・・・・スゥット! 「今となってはあの時にぃ ナニが善くって、どうやったらモット巧く遣れたか。 今更なぁ・・・・との感慨だけで、ものノ言いようがぁ・・・・ 」 自分、ついヨッパラッテ喋って、即、「しまったっ!」 っと遅い感づきやった。 くの字のカウンターに腰据えたみんなの 咎める眼差し視線 全部、お引き受け致しておりました。 「場持ちの解からんヤッチャデ! 」 誰が言ったかは解かります。 けど、何も言い返せませんでした。 麦酒グラスから生還し、場を見かねたボン話し出しました。 あの夜の出来事をぉ 店の中に再びのぉ静かな演歌の流れがぁ! ボン、取調室から嫌いな男と一緒に出て来がけに その嫌いなサッキまで部屋の中の机の向こうに座り続けてた、デカ(古強者)が 出口のドアを開け、妙に馴れ馴れしく肩を組んできた。 縄澤が厳つい顔に似合わぬ 猫撫で声、耳元近くでぇ! 「ボォゥン 話したらんかいぃ、なぁ? 」 嘗めつけるような口振りでぇ!! 若ボン 無理矢理肩組んだまま俯いて歩き、無言で応じます、 心で 「クソがぁ!・・・・ケッ!! 」 っと。 それから、ボンの顔を下から覗き込むように近づいてる不細工な顔に 思いっクソ 唾棄したかった。 とも けどっ歩きながらの目線、 リノリュームがアッチコッチと剥げている汚い床から外しませんでした。 「君ぃなぁ、何時までも黙っててえぇねんで、出るんが遅ぅなるだけや 」 言い終わると、ボンの耳元で ジュルジュルジュルっと何かを啜る音がっ! 音に釣られ見ました。 間近のクソ刑事(デカ)を。 サッキの取調室の備品、プラスチックの湯飲茶碗を アホみたいにクソ大きな掌で包み込んで、歩いてた。 中の白湯を喉を湿らす程度に啜り 唇ピチャっと鳴らして嘗めまた。 ボン、後から此の時のコトを散々喋った挙句 「縄澤の遣り口なぁちぃふぅ、厭らしくってイチイチ癇に障るんよぉ もぉ背筋に怖気が這い上がるねん、寒疣がなぁザザザって来るで〜! 」 店の中の雰囲気ぃ あの夜になぁ、戻りますねん。 みんなの眼ぇ、酔い以外のなぁ 心で何かを燃やしてるようなぁ ナニヤラナなぁ、目尻が吊るされたようなぁ酔眼にぃ なりましたぁ! |







