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播州 「 姫路おでん 」ぅ! http://www.e-himeji.com/oden/himejioden/index.htm#1 おでん人気ぃ投票で、一位ですっとぅ! 昨夜のぅテレビで、言うてましたで〜! 「 好きだ 」 っと 素直にぃ 想う女に想いを伝えられなくって、その勇気もなくぅ 歯痒いほどにぃどぉぅしようもなく、遣り切れなくって刹那くて この身ぃ何処にもぅ、もってゆく事も叶わずにぃ 身の置き所やぁ、遣り場もなくぅ ・ ・ ・ ・ 他人に理解しては もらえません。 けどぉぅ、普通のお付き合い以上ならぁ ・ ・ ・ ・ 其処には、思わぬ気持ちが溢れ出ます。 何処か っからぁ、限り以上の思い遣りと共にぃ 悪友、自分でも気づかず サッキは、気持ちの昂りでものを言ったのでしょう。 だから、照れ隠しなんかじゃぁ済むものかぁ ・ ・ ・ ・ っで、必死な気持ちでぇ 迷えるぅ若者にぃ話します。 「まぁ、座れ。 頼むさかいにぃ座ってくれるか、塚本君 」 「はぁ ・ ・ ・ けどぅ ・ ・ ・ ! 」 「ボウズ、座ったらえぇねん!っ 」 「ホンマや、なぁちぃ〜ふぅが言うとぉりやで、座りぃ 」 自分気づきました。 三人に言われたボウズの顔に、微かな、救われたような表情を。 女が嗚咽交じりで、想いを込めてのぅ願いを、言います 「なぁ、ウチかてお願いやから座ってんかぁ ・ ・ ・ 」 っと おしぼりで、涙を拭きながら言いました。 「 ね、塚本君 千珠子ちゃんかてぇ ・ ・ ・ ! 」 「 ・ ・ ・ ・ ハイ、わかりましたぁ 」 自分、此の時初めてこの女の名が 「千珠子」 っと言う名前だとぅ それまで誰も教えてくれなかったし、知りたいとも思いませんでした。 人の何かを知れば、その話事にぃ気持ちが入ります。 他人の心の深くにぃ入れば、忘れようとしているぅ、自分の昔ぃなぁ ・ ・ ・ ・ ・・・想い出したくもない想い出事ぉがぁ ・ ・ ・ ・ ! それが、知りたくなかった理由でした。 「ぉい、何処に行くねん! 」 ボウズの背中に、浴びせかけるようにぃ聞きました。 「ちぃふ、ショウベンいってきますわぁ 」 「ナンや ・ ・ ・ ・ ! 早ぅ戻るんやで 」 「解ってますぅ 」 其れから自分、暫くして直ぐに靴を履きました。 「かっきゃん、お前は何処行くんやっ! 」 「ハリマ(播磨)の連れションや 」 「ぇ! ・ ・ ・ ホナ、わいも 」 悪友と連れだって、店奥のぅトイレ目指し歩き始めると 「千珠ちゃん、男ドもってなぁデリカシィないなぁ ・ ・ ・ 」 背中の後ろ側で、円が喋っています。 何故悪友も一緒っか、解ってる筈やのにぃ言いました。 悪友従えてトイレまで行きかけたら、 お会計場で店仕舞いしていたぁ、若女将サンが居たので、問います。 「女将さん、スマンけどぅ奥の部屋ぁチョット借りても宣ぃやろかぁ? 」 「へぇ、よろしぃですぅ 」 「おぉきにぃ すいませんぅ 」 「ついでにぃ、熱いん二三本ん、アキマヘンやろぉかぁ? 」 悪友メッ! 「迷惑ナン、こないなぁ時間に言うな! アホ! 」 「えぇですぅ、御用意ぃいたしますぅ 」 ホンマにぃえぇ人やぁ〜! 「ホレみぃ、なっ! 」 アホがぁ〜! 「ッケッ! 」 「カっきゃん、ドナイナン? 」 っと、悪友が喋りかけたら 入り口のぅ襖ぁ開けてましたさかいにぃ、トイレ帰りのボンが通ったのでぇ 「あっ! ボウ、コッチぃ入れ 」 って、呼び止めました。 「ぇ!、ナンでぇここですんかぁ? 」 「まぁえぇ、兎も角ぅ入って来いやぁ 」 「おまえなぁ、もぅ、ウスウスぅ気づいてるやろぅ? 」 「ちぃふぅ、いったいぃなんですんかぁ? 」 「ぅん、あんなぁ、昨日の夕方にぃコイツがやなぁ、迷惑なこと言うねん 」 悪友にぃ、ガンぅ(眼)飛ばしもって話します。 コトの経緯をぅ、愚意呑み猪口ぅボウズにぃ握らせながらぁ 「実はな、コイツの店の娘がやな、スキなんおるって円に相談したッちゅうねん 」 「 ハァ? ・ ・ ・ ・ ! 」 この悪友、夜の大人の繁華街ぃ 「 魚町(トトマチ)」 界隈の ホステスさんの間ではぁ、通称 「 お兄ちゃん 」 っで通っております。 性格はぁ、いぃ加減なところが多少ぅ ・ ・ ・ どころか! ホンマにぃ随分なほどにぃ、モットぅ ・ ・ ・ ・ っな感覚持ちやけどぉ! その日の営業の準備や仕込みなんかで、クソ忙しぃ夕方の時間帯にぃ 自分の店の女のコの自慢話に、他所さんのぅ店にぃ ノコノコぅ、出張って来るような男じゃぁない。 「かっきゃん、おまえんところの若いんで、塚本っちゅぅんおるやろ 」 「ぅん? 見習いボウズなら居るがな、それが何ぞやったんかぁ? 」 「実はなぁ ・ ・ ・ ・ 」 チョット前にぃ男にぃ、逃げられた女がいた。 その女、悪友のぅ店(某、純和風ラウンジ?クラブ)で勤めてる大姐御肌なぁ円(マドカ) っとは、逃げた男とぅ一緒になる前からの、ホステス仲間ぁ。 一応ぅ、逃げてしまった男とは、祝言を挙げております。 まっ、ナにかとぅ、色々とぅ、ゴタついてからの、その挙句のぅ ・ ・ ・ 添い遂げぇ! っで男はぁ、身持ちもユルユルなぁ、如何にもコウニモぅ ・ ・ ・ ・ナァ、 男ぅですねん。 「あないなぁ男とクッ着いたらなぁ キッと千珠ちゃん、苦労しますよぉ〜! 」 っと、円姐さん式のぅ、お祝いのぅ言葉の裏でぇ ・ ・ ・ ・ 後にぃ談 コの円が、男にトンズラされ(逃げられ)て、沈み込んでる女を励まそうとしぃ 魚町通りの交差点の角に在ります、喫茶 「 宵待ち草 」 っでぇ シミジミとぅ濃い目のブラック珈琲ぃ味わいながら、お話し相手になってます。 この喫茶店、夜勤めのホステスが、宵の口に此処で客と待ち合わせしましてぇ 同伴出勤しますのにぃ、よぅ使う茶店です。 「円姐さん、ウチぃコンナンなってなぁ、よぅ解りました 」 (ウチのぅ宿六をぅ、旦那コブ付きぃ女にぃ寝取られたぁ!) 「なにぃ? 」 「ウチぃ男ハンなぁ、見る目ぇ無いなぁって 」 「 ・ ・ ・ ・ そぅやねぇ 」 「ソヤカラお願いがぁ 」 「なぁにぃ? 」 「御姐さんのぅ、御店で働きたいですぅ 」 「見る目ナイんっとマタぁ夜働くって、ナになんやぁ? 」 「ウチぃドナイナ男ハンぅでもぅ、手玉にぃ取れるって勘違ぃしてたぁ ・ ・ ・ ! 」 「 ・ ・ ・ ・ っでぇ? 」 「このママやったらぁ、もぅ ・ ・ ・ ・ ウチぃ立ち直れヘンみたいぃ ・ ・ ・ 」 っと、下唇噛みながらぁ涙ぐんでぇ 珈琲が半分に減ったカップぉぅ、微かに震えさせながら、お皿にもどした。 そして、以前勤めていたころにぃ、客から巻き上げた ぁ!チャイマ。 頂いたぁ、仏蘭西製の某ハンドバッグから取り出した、ウイスキぃ(角)ポケット瓶 華奢な細ッコイ指でぇ傾けぇ、減ってましたカップぅ満たしますぅ! 「元気ぃだしんかぁ! 応援するよぅ! 」 「ぅん、おぉきにぃ! 姐さんしかぁウチのコトぅ解ってもらえヘンぅ ・ ・ ・ ・ 」 「ぁ!ソンなん飲んだらぁ ・ ・ ・ ・ ! 」 冷たいウイスキーっで、薄まって温くなった珈琲 イッキぃ! 「ふぅ〜! ゥウン、姐さんぅ酔わないとぅ言えへんさかいにぃ ・ ・ ・ ・ 」 「もぅ!・・・・ どうしたいんやぁ? 」 「もぉイッペン、夜勤めぇしょう思うたんやぁ ・ ・ ・ ・ 」 「どないしたんよぅ? 」 「アんなぁ、実はぁなぁ、ウチぃ好きな人がぁ居てますねんぅ 」 ガボッ!って姐ハン、口に含んだ褐色液体ぃ、撒き散らしぃ〜! 「ハァ? ・ ・ ・ ・ ・ ・ 誰?ぇ 」 「高校の時のぅ同級生ですぅ 」 「 って、誰ぇ? 」 「もぉチョット待ってぇ、モット酔わないとぅ言えへんよぉ 」 「勿体つけんとぅ早ぅ言いぃ! 」 ってな、会話がぁありましたぁ〜! その後にぃ、円がぁ、悪友にぃご相談。 それから後にぃ、悪友からぁ自分にぃ、話が回ってきました。 ボウズ、正座してました。 っで、ジット俯いたまま黙り込んで 悪友と自分がぁ、酔いに任せてのぅ、前後するぅ 話の辻褄をぅ、聴いてました。 悪友、酒が入ってのヨッパラッテのぅ、話しぃ可也なぁシツコサです 漸く話し終えて、喉を湿らせる為にぃ、 途中から愚意呑ミ猪口からぁ、ビヤカップにぃ切り替えた酒ぇ 全部ぅ、喉にぃ流し込んで再びぃ、喋りぃ! 「なぁ、そやからサッキぃ言いそびれたんがぁ 塚本君わぁ千珠子ぉぅって、なぁどうなん? なぁ? 」 「!っ ・ ・ ・ ・ ボクかて、好きです 」 「ハッ?ぁ、チッコイ声じゃぁ、聴こえんがなっ! 」 「好いとります 」 「誰ぉぅじゃぁ! 」 「モォえぇやろぅ、コイツかて好きやゆうてるがなっ! チョットしつこいんとチャウカァ! 」 「ぉう、そぉやな、わるいワルイぃ堪忍やで、塚本君ぅ 」 「ぃぇ、どぅもぅ ・ ・ ・ 」 「アンタら此処でなにぃゴチャゴチャ言うてからにぃ!美女ふたりぃホッタラカシぃかぁあ〜! 」 向こうで、痺れを切らした円ぁ突然襖を開けてぇ怒鳴り込みぃ! っで、戻りました。 矢来の仕切りで囲まれた座敷にぃ。 他のお客さん、何方も居なくなってます。 店の入り口にぃ、表で提がってました暖簾こちら側にぃ 。 若い板前ぇ、明日の分のおでんの昆布出汁ぅ摂ってます。 おッきな寸胴から、ギョウサンのぅ湯気がぁ! 静かな店内にぃ、グツグツって大根の下炊のぅ音もぅ ・ ・ ・ ・ ! 店の客は、自分らだけになってました。 戻りがけにぃ、カウンターの中のぅ大将と目が合います。 俯き加減で店仕舞いをしていた亭主。 上目遣いでニッコリっと微笑んでくれました。 「カっきゃん、気にぃせんとぅ、ゆっくりしたってえぇよぅ 」 「ぅんオォキニぃ、もぅチョット居させてなぁ 」 「酒ぇ、追加してかぁ? 」 「さぁ? チョットみんなにぃ聞いてみるわぁ 」 「大将してかぁ、ワイわぁ冷でえぇさかいにぃ 」 悪友メッ!未だぁ呑みますんかぁ! 「お兄ちゃんぅモぅ!えぇ加減にぃしぃ〜! 」 円ぁ、悪友のぅなんなんやぁ〜! 「ちぃふぅ、えぇ似合いですやんかぁ 」 っとボウズぅ、自分の背中で、呟くようにぃ言いますねん。 「おまえなぁ、アンナンニぃ憧れてるやろぅ! 」 「ぇ! ・ ・ ・ ・そぉかもぅ 」 まぁ〜普段なら、ケッコウハキハキぃしてるボウズ。 恋の病ぃ、随分とぅ人間をぅ変えますねんなぁ
・ ・ ・ ・ って。
(situkokuぅ!続きますねん)
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忘れ物。
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コメント(1)
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播州 「 姫路おでん 」ぅ! http://www.e-himeji.com/oden/himejioden/index.htm#1 おでん人気ぃ投票で、一位ですっとぅ! 昨夜のぅテレビで、言うてましたで〜! 「 好きだ 」 っと 素直にぃ 想う女に想いを伝えられなくって、その勇気もなくぅ 歯痒いほどにぃどぉぅしようもなく、遣り切れなくって刹那くて この身ぃ何処にもぅ、もってゆく事も叶わずにぃ 身の置き所やぁ、遣り場もなくぅ ・ ・ ・ ・ 他人に理解しては もらえません。 けどぉぅ、普通のお付き合い以上ならぁ ・ ・ ・ ・ 其処には、思わぬ気持ちが溢れ出ます。 何処か っからぁ、限り以上の思い遣りと共にぃ 悪友、自分でも気づかず サッキは、気持ちの昂りでものを言ったのでしょう。 だから、照れ隠しなんかじゃぁ済むものかぁ ・ ・ ・ ・ っで、必死な気持ちでぇ 迷えるぅ若者にぃ話します。 「まぁ、座れ。 頼むさかいにぃ座ってくれるか、塚本君 」 「はぁ ・ ・ ・ けどぅ ・ ・ ・ ! 」 「ボウズ、座ったらえぇねん!っ 」 「ホンマや、なぁちぃ〜ふぅが言うとぉりやで、座りぃ 」 自分気づきました。 三人に言われたボウズの顔に、微かな、救われたような表情を。 女が嗚咽交じりで、想いを込めてのぅ願いを、言います 「なぁ、ウチかてお願いやから座ってんかぁ ・ ・ ・ 」 っと おしぼりで、涙を拭きながら言いました。 「 ね、塚本君 千珠子ちゃんかてぇ ・ ・ ・ ! 」 「 ・ ・ ・ ・ ハイ、わかりましたぁ 」 自分、此の時初めてこの女の名が 「千珠子」 っと言う名前だとぅ それまで誰も教えてくれなかったし、知りたいとも思いませんでした。 人の何かを知れば、その話事にぃ気持ちが入ります。 他人の心の深くにぃ入れば、忘れようとしているぅ、自分の昔ぃなぁ ・ ・ ・ ・ ・・・想い出したくもない想い出事ぉがぁ ・ ・ ・ ・ ! それが、知りたくなかった理由でした。 「ぉい、何処に行くねん! 」 ボウズの背中に、浴びせかけるようにぃ聞きました。 「ちぃふ、ショウベンいってきますわぁ 」 「ナンや ・ ・ ・ ・ ! 早ぅ戻るんやで 」 「解ってますぅ 」 其れから自分、暫くして直ぐに靴を履きました。 「かっきゃん、お前は何処行くんやっ! 」 「ハリマ(播磨)の連れションや 」 「ぇ! ・ ・ ・ ホナ、わいも 」 悪友と連れだって、店奥のぅトイレ目指し歩き始めると 「千珠ちゃん、男ドもってなぁデリカシィないなぁ ・ ・ ・ 」 背中の後ろ側で、円が喋っています。 何故悪友も一緒っか、解ってる筈やのにぃ言いました。 悪友従えてトイレまで行きかけたら、 お会計場で店仕舞いしていたぁ、若女将サンが居たので、問います。 「女将さん、スマンけどぅ奥の部屋ぁチョット借りても宣ぃやろかぁ? 」 「へぇ、よろしぃですぅ 」 「おぉきにぃ すいませんぅ 」 「ついでにぃ、熱いん二三本ん、アキマヘンやろぉかぁ? 」 悪友メッ! 「迷惑ナン、こないなぁ時間に言うな! アホ! 」 「えぇですぅ、御用意ぃいたしますぅ 」 ホンマにぃえぇ人やぁ〜! 「ホレみぃ、なっ! 」 アホがぁ〜! 「ッケッ! 」 「カっきゃん、ドナイナン? 」 「あっ! ボウ、コッチぃ入れ 」 入り口のぅ襖ぁ開けてましたさかいにぃ、トイレ帰りのボンが通ったのでぇ。 「ぇ!、ナンでぇここですんかぁ? 」 「まぁえぇ、兎も角ぅ入って来いやぁ 」 「おまえなぁ、もぅ、ウスウスぅ気づいてるやろぅ? 」 「ちぃふぅ、いったいぃなんですんかぁ? 」 「ぅん、あんなぁ、昨日の夕方にぃコイツがやなぁ、迷惑なこと言うねん 」 悪友にぃ、ガンぅ(眼)飛ばしもって話します。 コトの経緯をぅ、愚意呑み猪口ぅボウズにぃ握らせながらぁ 「実はな、コイツの店の娘がやな、スキなんおるって円に相談したッちゅうねん 」 「 ハァ? ・ ・ ・ ・ ! 」 この悪友、夜の大人の繁華街ぃ 「 魚町(トトマチ)」 界隈の ホステスさんの間ではぁ、通称 「 お兄ちゃん 」 っで通っております。 性格はぁ、いぃ加減なところが多少ぅ ・ ・ ・ どころか! ホンマにぃ随分なほどにぃ、モットぅ ・ ・ ・ ・ っな感覚持ちやけどぉ! その日の営業の準備や仕込みなんかで、クソ忙しぃ夕方の時間帯にぃ 自分の店の女のコの自慢話に、他所さんのぅ店にぃ ノコノコぅ、出張って来るような男じゃぁない。 「かっきゃん、おまえんところの若いんで、塚本っちゅぅんおるやろ 」 「ぅん? 見習いボウズなら居るがな、それが何ぞやったんかぁ? 」 「実はなぁ ・ ・ ・ ・ 」 チョット前にぃ男にぃ、逃げられた女がいた。 その女、悪友のぅ店(某、純和風ラウンジ?クラブ)で勤めてる大姐御肌なぁ円(マドカ) っとは、逃げた男とぅ一緒になる前からの、ホステス仲間ぁ。 一応ぅ、逃げてしまった男とは、祝言を挙げております。 まっ、ナにかとぅ、色々とぅ、ゴタついてからの、その挙句のぅ ・ ・ ・ 添い遂げぇ! っで男はぁ、身持ちもユルユルなぁ、如何にもコウニモぅ ・ ・ ・ ・ 男ぅですねん。 「あないなぁ男とクッ着いたらなぁ キッと千珠ちゃん、苦労しますよぉ〜! 」 っと、円姐さん式のぅ、お祝いのぅ言葉の裏でぇ ・ ・ ・ ・ 後にぃ談 コの円が、男にトンズラされ(逃げられ)て、沈み込んでる女を励まそうとしぃ 魚町通りの交差点の角に在ります、喫茶 「 宵待ち草 」 っでぇ シミジミとぅ濃い目のブラック珈琲ぃ味わいながら、お話し相手になってます。 この喫茶店、夜勤めのホステスが、宵の口に此処で客と待ち合わせしましてぇ 同伴出勤しますのにぃ、よぅ使う茶店です。 「円姐さん、ウチぃコンナンなってなぁ、よぅ解りました 」 (ウチのぅ宿六をぅ、旦那コブ付きぃ女にぃ寝取られたぁ!) 「なにぃ? 」 「ウチぃ男ハンなぁ、見る目ぇ無いなぁって 」 「 ・ ・ ・ ・ そぅやねぇ 」 「ソヤカラお願いがぁ 」 「なぁにぃ? 」 「御姐さんのぅ、御店で働きたいですぅ 」 「見る目ナイんっとマタぁ夜働くって、ナになんやぁ? 」 「ウチぃドナイナ男さんでもぅ、手玉にぃ取れるって勘違ぃしてたぁ ・ ・ ・ ! 」 「 ・ ・ ・ ・ っでぇ? 」 「このママやったらぁ、もぅ ・ ・ ・ ・ ウチぃ立ち直れヘンみたいぃ ・ ・ ・ 」 っと、下唇噛みながらぁ涙ぐんでぇ 珈琲が半分に減ったカップぉぅ、微かに震えさせながら、お皿にもどした。 そして、以前勤めていたころにぃ、客から巻き上げた ぁ!チャイマ。 頂いたぁ、仏蘭西製の某ハンドバッグから取り出した、ウイスキぃ(角)ポケット瓶 華奢な細ッコイ指でぇ傾けぇ、減ってましたカップぅ満たしますぅ! 「元気ぃだしんかぁ! 応援するよぅ! 」 「ぅん、おぉきにぃ! 姐さんしかぁウチのコトぅ解ってもらえヘンぅ ・ ・ ・ ・ 」 「ぁ!ソンなん飲んだらぁ ・ ・ ・ ・ ! 」 冷たいウイスキーっで、薄まって温くなった珈琲 イッキぃ! 「ふぅ〜! ゥウン、姐さんぅ酔わないとぅ言えへんさかいにぃ ・ ・ ・ ・ 」 「もぅ!・・・・ どうしたいんやぁ? 」 「もぉイッペン、夜勤めぇしょう思うたんやぁ ・ ・ ・ ・ 」 「どないしたんよぅ? 」 「アんなぁ、実はぁなぁ、ウチぃ好きな人がぁ居てますねんぅ 」 ガボッ!って姐ハン、口に含んだ褐色液体ぃ、撒き散らしぃ〜! 「ハァ? ・ ・ ・ ・ ・ ・ 誰?ぇ 」 「高校の時のぅ同級生ですぅ 」 「 って、誰ぇ? 」 「もぉチョット待ってぇ、モット酔わないとぅ言えへんよぉ 」 「勿体つけんとぅ早ぅ言いぃ! 」 ってな、会話がぁありましたぁ〜! その後にぃ、円がぁ、悪友にぃご相談。 それから後にぃ、悪友からぁ自分にぃ、話が回ってきました。 ボウズ、正座してました。 っで、ジット俯いたまま黙り込んで 悪友と自分がぁ、酔いに任せてのぅ、前後するぅ 話の辻褄をぅ、聴いてました。 悪友、酒が入ってのヨッパラッテのぅ、話しぃ可也なぁシツコサです 漸く話し終えて、喉を湿らせる為にぃ、 途中から愚意呑ミ猪口からぁ、ビヤカップにぃ切り替えた酒ぇ 全部ぅ、喉にぃ流し込んで再びぃ、喋りぃ! 「なぁ、そやからサッキぃ言いそびれたんがぁ 塚本君わぁ千珠子ぉぅって、なぁどうなん? なぁ? 」 「!っ ・ ・ ・ ・ ボクかて、好きです 」 「ハッ?ぁ、チッコイ声じゃぁ、聴こえんがなっ! 」 「好いとります 」 「誰ぉぅじゃぁ! 」 「モォえぇやろぅ、コイツかて好きやゆうてるがなっ! チョットしつこいんとチャウカァ! 」 「ぉう、そぉやな、わるいワルイぃ堪忍やで、塚本君ぅ 」 「ぃぇ、どぅもぅ ・ ・ ・ 」 「アンタら此処でなにぃゴチャゴチャ言うてからにぃ!美女ふたりぃホッタラカシぃかぁあ〜! 」 向こうで、痺れを切らした円ぁ突然襖を開けてぇ怒鳴り込みぃ! っで、戻りました。 矢来の仕切りで囲まれた座敷にぃ。 他のお客さん、何方も居なくなってます。 店の入り口にぃ、表で提がってました暖簾こちら側にぃ 。 若い板前ぇ、明日の分のおでんの昆布出汁ぅ摂ってます。 おッきな寸胴から、ギョウサンのぅ湯気がぁ! 静かな店内にぃ、グツグツって大根の下炊のぅ音もぅ ・ ・ ・ ・ ! 店の客は、自分らだけになってました。 戻りがけにぃ、カウンターの中のぅ大将と目が合います。 俯き加減で店仕舞いをしていた亭主。 上目遣いでニッコリっと微笑んでくれました。 「カっきゃん、気にぃせんとぅ、ゆっくりしたってえぇよぅ 」 「ぅんオォキニぃ、もぅチョット居させてなぁ 」 「酒ぇ、追加してかぁ? 」 「さぁ? チョットみんなにぃ聞いてみるわぁ 」 「大将してかぁ、ワイわぁ冷でえぇさかいにぃ 」 悪友メッ!未だぁ呑みますんかぁ! 「お兄ちゃんぅモぅ!えぇ加減にぃしぃ〜! 」 円ぁ、悪友のぅなんなんやぁ〜! 「ちぃふぅ、えぇ似合いですやんかぁ 」 っとボウズぅ、自分の背中で、呟くようにぃ言いますねん。 「おまえなぁ、アンナンニぃ憧れてるやろぅ! 」 「ぇ! ・ ・ ・ ・そぉかもぅ 」 まぁ〜普段なら、ケッコウハキハキぃしてるボウズ。 恋の病ぃ、随分とぅ人間をぅ変えますねんなぁ
・ ・ ・ ・ って。
(situkokuぅ!続きますねん)
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【 湯気の向こう 】 土鍋は沸騰してました。 矢来の衝立で仕切られた座敷に 昆布出し汁の匂いイッパイ漂っていました。 食べて飲む間 無口でした。 みんなは。 「かきちゃん、此れ食ってくれるかぁ 」 「ぁ、はい、おぉきにですぅ 」 頂いたのは はんぺんやガンモドキなどの「おでん」の具が入ったお皿でした。 湯気がたっていました。 その皿を此の店の亭主が持ってきました。 差し出された皿を受け取ったのは、ボウズ 「なんでお前が礼言うねん、アホか、大将いっつもおぉきにです 」 「えぇで、気ぃせんといてんかぁ 」 「おぉきに、よばれますわぁ 」 「たいしょぅ イッパイどうですかぁ 」 悪友勧めます 「もぉすぐ店じまいのよういせなアカンからぁ 後でやったらもらいます 」 「おにぃちゃん、無理ゆうたらアカンよぉ! 」 円ぁ悪友の女房みたいやった。 後ろで声がした 「あんなぁ、あの人ぅなんか言うてたんかぁ? 」 っと。 「いぃやぁ、ボクかて知らんかったんやでぇ 」 「そぉぅかぁ、やっぱりなぁ 」 「ぅん、カンニンなぁ 」 「なんもぅ、塚ちゃんが謝らんかてえぇねん、ごめんねっ! 」 自分、振り返れんかった。 悪友も確かに聞こえてたはずやった。 けど、振り返らんかった。 コイツにしたら上出来やった。 「なぁ、塚本君。 あんたぁ彼女ぅ居るんかぁ? 」 って、円。 「ぇ! ボ、ボクですんかぁ? 」 「そぉやぁ、居るんかぁ? 」 「・・・・居やしません 」 みんなが黙りました。 店の亭主、何かを察して 静かに居なくなりました。 土鍋がね、ぐつぐつ喋ってました。 湯気が天井目がけてね登ってますねん。 揺ら揺らって。 矢来の衝立の向こうの話し声、急に止みました。 ナニやら店中が 鎮まりました。 暫く、黙って食いました。 おでん、暖かくって美味しかったですよ。 心がね、旨い旨いぃ・・・・っと、言いました。 悪友が、「なぁ塚本クン、どないやろぅ シッカリ考えて欲しぃねんけどなぁ? 」 「ハァ? なにぃですんかぁ 」 自分、円と目配せ交わしました。 円ぁ、醤油に浸かった生姜の摩り下ろしたヤツぅ ギョウサンぅ載っけたコンニャクぅ 銜えたところやった。 其れぇ慌てて、お皿にぃ戻しよった。 自分、顎で悪友指した。 円ぁ、悪友のぅ肘ぃ掴んだ。 「あんた、ナニぃ言うねんかぁ 」 「アホ! 邪魔すなっ 」 「ぇ! 」 肘ぃ離した。 「塚本ぅ、スキなんおるんかぁ? 」 身ぃ乗り出してた。 卓の上にぃ ヨッパライのぅ長話ぃ始まったぁ〜! 自分、箸で挟んだ厚揚げぇ 鍋の中にぃ落とした。 湯面が弾いてしまい、雫が飛んだ。 頬に懸かって熱かったけど、熱いと言えへん雰囲気やった。 悪友の目ぇ ヨッパラッテ以外の 座りようやった。 ぐつぐつ って、お鍋が言ってました。 ぐつぐつ って。 「わしぃ店の娘らなぁ、大事ぃやねん。 みんなぁ大事ぃやねん 」 悪友 「・・・・ぅん 」 ボウズぅ 顔ぅ伏せてました。 横顔ぅ真っ赤やった。 「おにぃちゃんぅ・・・・! 」 円ぁ、チョット驚き顔やった。 湯気の向こうでぇ、ナにかが少しぃ蠢いたみたいやった。 自分の心がね、動いたみたいやった。 自分、二合徳利の首ぃ掴んで悪友が握った愚意飲みにぃ注いだ。 自分、ヨッパラッテたのかぁ手元が狂ってしまい、酒が溢れて零れた。 「かっきゃん、なにぃするんやぁ ! 」 悪友のぅズボンが濡れてしまってた。 「ぉ〜! スマンなぁ けどなぁチョットぅ シツコイんと違うんかぁ? 」 「ぅん、そぅやなぁ、悪かったわぁ! 」 「ちぃふぅ、ボクぅ帰りますぅ 」 ボウズ 「ぇ! なんでや? 」 わい 「千珠ちゃん、止めたりぃ 」 円 「ホンマや、止めんか! 」 悪友 「わっ! って泣きました。 」 旦那に逃げられた 千珠子ぅ お店の中がぁ 静かにぃなり過ぎてるぅ っと。 つくずく 思いましたぁ〜! |
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【つづきのつづき】 店の前に戻ってみると 三人の姿が見えなかった もぉ、店の中に入ってしまったのかもなぁ? っと。 引き戸を開けて確かめようとしたら、 自分らより後から来た 夜のお嬢ぅ風な女を連れた男が 太さ二分の棕櫚縄の暖簾を掻き分け 引き戸を少し開け覗き込みました。 直ぐに振り返り 女に言った。 「中ぁイッパイやで! 」 自分、少し開いた引き戸を大きく開き 中を覗きこむ、っと男が 「にぃちゃん、満席やで! 」 背中に言葉を掛けてきた。 引き戸を掴んだまま店内を眺めると、手前から店の奥の厨房辺りまで いつ見ても綺麗に磨き込まれた清潔な、白木の長い一本無垢カウンター、通ってます。 長さの半分ほどは一段高めが設けられ、其処に寿司屋と同じで 新鮮なネタが氷の上に並べられた 冷蔵硝子ケース、載せられてます。 此処、「おでん」 以外にも色んな和風料理 出してます、其の為のです。 残りの半分は、料理が盛られていただろうな大皿が ズラズラット並んでました。 此の深夜の時間帯ですからね、空き皿が目立っています。 此の店は、多くの酒飲みや酔い人が 今夜の〆で最後に立ち寄る場所でした。 花街で働く女同士、今夜ぁ何かを求めてナンにも得られずに男同士で来る奴。 夜のお嬢ぅ連れた チョット得意げなお顔の男ハンや、他にも夜水勤めの男や女たち、 此処で、今夜一夜の限りの〆場所をぉ・・・・でした。 店内見回しますと、殆どが見知った馴染みの客ばかり、です。 そんな多くの客で夜毎ぉ賑わっていました。 カウンター内の手前には、 角がキリリッ!なっ 白の板長帽子を頭に被り、身に纏うは藍染作務衣 大きな俎板で良くは視得ぬが、腰前に舞わすは洗濯糊が此れでもか! っと 見事にパリッと利いた割烹前掛け姿 っの 此処の中年親父亭主。 っと、其の向こうにもぅ一人、白い板前割烹着姿で白の和帽子の若い衆がおりました。 忙しそうにぃお二人とも、輝き刃の包丁ぅ使ってますねん。 奥の 突きツキ辺りの天井近くにコンコンさん(お稲荷さん)、祀られていました。 小さな祠の手前に小さな赤い鳥居が並んでます、 っで 両脇にぃ此れも小さな瀬戸物の 白狐さん一体ヅツ。 其処から、小さな模型の掌みたいな熊手に載った 吉兆の笹 っが、垂れてます。 笹にはぁ 布袋さんや鯛や打ち出の小槌 金色小判、紅白の麩餅ぃや、 他の諸々の縁起物と一緒にぃやった。 お稲荷さんの真下がぁ お会計場所で、カウンターと通路の出入り口ぃ 其処では若女将が自分に気づいて下さり 此方に頭を下げてくださいました。 傍らでは手伝いのおババが、古風を通り越して漆塗が剥げ掛けてるお盆に載った 此処の屋号が書き殴り文字で印されてる、鷲掴みな大きさの湯飲茶碗にぃ 上薬も真っ黒艶な急須を 傾けてました。 反対側 真向かいの漆喰粗擦り仕上げな壁側が 一段高くなった裸足で上がる畳敷きの 掘り炬燵風な座敷造りで、 青竹矢来な衝立が 仕切りになっていました。 其の三席並んだ座敷造りの奥の方から円姐さん 此方にと手招きしてきた。 ボウズを先にと背中を押し後ろ手で引き戸閉じ 歩き出したらボウズが振り返った。 「ちぃふぅ サッキのん言わんといてください 」 「わかった 」 「チィ~フゥ おはよぉ〜! 」 店のおババが声を掛けて下さった。 おババは、此の店の先代さんの奥さんです 今は息子が屋台を引き継ぎ 嫁に女将を譲りまして 自分は店の手伝いをしています。 「おかあさん、お孫さんどないですかぁ? 」 「ぅん、おぉきにねぇ、もぉだいぶぅよぉなったぁ〜」 「ほぉかあ、よかったなぁ! 」 「気ぃかけてくれて、ありがとぉさんやったねぇ 」 「そないなぁ、お礼ぃ言わんといてくださいぃ 」 「かきちゃん、ほんまにありがとぉやったねぇ! 」 此の人のお孫さん、チョット厄介な病気になってます。 とある遠方の大病院の個室で 半年ほど経ってぇ でした。 この頃やっと、親御さんならぁ っと、面会ができるようになってます。 そやから、寂しぃかろうと当時人気一番のパンだの縫いぐるみ人形さん、届けました。 お孫さんよりも大きかったです。 「あの子ぉ喜んでたそぉやぁ〜! 」 「そぉか、そらよかったですぅ 」 「あんたぁ 気ぃ使わしたねぇ 」 「はぁ ・ ・ ・ 」 「おかあハン、もぉ今夜はお疲れさんやからぁおやすみしてくださいぃ 」 若女将さん、おババの後ろから枯れて細くなった両肩に 手ぇ添えながら 労わるように優しいぃ声ぇ掛けました。 「ねっ、お願いやからぁ 」 言葉の言い方は 懇願やった。 「そぉかあ、ほんならそないぃさせてもらおかぁ カキチャンゆっくりしたってなぁ 」 おババ、周りの客に挨拶しながら店の奥に消える時ぃ 振り返ってお辞儀ぃした。 頭を深く下げた時ぃ、土間に雫が落ちたぁ ・ ・ ・ ! ボウズ、立ち止まってやり取り観てました。 「ちぃふ、お見舞いぃ送ってましたんやなぁ 」 「ナニがやっ、サッサト席に着かんかい! 」 六人掛けの卓には 囲炉裏みたいな四角の穴が 穴の真ん中には 七輪コンロ。 だし汁の匂いがイッパイの湯気を上げているのは、おでんの土鍋。 此処では、食べたい品を注文致しますと 煮込んだのを持ってきます。 其れを、だし汁が沸騰した土鍋に入れてくれますねん。 カウンターに座ってやったら 注文しますとお皿にです。 座敷はチョット 離れてますからね、だから土鍋で、でした。 「まぁ、じっくり座って呑んだくれて おでん食べようと致しますと、 グだグだ、ナンやらカンやラ言いまして、なかなか喰いよらん。 そやしぃ、冷めるしぃ、土鍋でなぁ炊き込んでる方が暖かいやろぉ 冬なんかなぁ、特にやろぉ。 そぉやろぉ、なぁ? 」 こぉう、随分前に此処の大将が言いよりました。 靴を脱いだ脚は、掘りごたつ風になってましたから、ぶらぶらぁ っとですねん。 自分、眼の前に座って お品書きを見てる悪友の脛ぇ爪先で突っついた。 悪友、急に顔を此方に向けることもなく ホンマニ自然な感じでぇ ・ ・ ・! 先ずは横目でした。 其れからお顔が向いてきました。 自分 頷きますと悪友、『 ほぉ〜! 』 って 顔がぁした。 悪友、何かを訴える目で煙草を灰皿で揉みながら、瞬きます。 お目目がぁ! 「おにぃちゃん、目ぇにぃ何ぞ入りましたんかぁ? 」 円 「ぃや、ぁあ、ぅん。 想わんもんが入ったみたいや 」 悪友 「あんたの想わんもんちゅうたら なんやろなぁ・・・・! 」 わい 「目ぇ洗ぅてきたらどないですんかぁ? 」 ボウズ 「ハンカチぃですぅ〜 」 男に不倫相手と駆け落ちされた女ぁ〜 (シカモ、お相手さんぅ旦那持ちでコブツキ女ぁ!) 「みなさん、御注文わぁ? 」 此処の若い板前さんぅ 「熱燗っ!ぶっとい(太い)やつ(徳利) 」 ↘ 「酒ぇ もらいますわぁ〜! 」→ ほぼ 全員一致ぃで〜! 「いつもん焼酎ぅお湯割りぃでなぁ 」↗ 「ビッビぃビ〜ル くださいぃ 」 まだ未だ 呑むつもりですぅ〜! さ、熱々 「おでん」 生姜醤油ぅ効かせたん頂きましょうかぁ〜! 【つづく】 |
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【つづきのつづき】 店の前に戻ってみると 三人の姿が見えなかった もぉ、店の中に入ってしまったのかもなぁ? っと。 引き戸を開けて確かめようとしたら、 自分らより後から来た 夜のお嬢ぅ風な女を連れた男が 太さ二分の棕櫚縄の暖簾を掻き分け 引き戸を少し開け覗き込みました。 直ぐに振り返り 女に言った。 「中ぁイッパイやで! 」 自分、少し開いた引き戸を大きく開き 中を覗きこむ、っと男が 「にぃちゃん、満席やで! 」 背中に言葉を掛けてきた。 引き戸を掴んだまま店内を眺めると、手前から店の奥の厨房辺りまで いつ見ても綺麗に磨き込まれた清潔な、白木の長い一本無垢カウンター、通ってます。 長さの半分ほどは一段高めが設けられ、其処に寿司屋と同じで 新鮮なネタが氷の上に並べられた 冷蔵硝子ケース、載せられてます。 此処、「おでん」 以外にも色んな和風料理 出してます、其の為のです。 残りの半分は、料理が盛られていただろうな大皿が ズラズラット並んでました。 此の深夜の時間帯ですからね、空き皿が目立っています。 此の店は、多くの酒飲みや酔い人が 今夜の〆で最後に立ち寄る場所でした。 花街で働く女同士、今夜ぁ何かを求めてナンにも得られずに男同士で来る奴。 夜のお嬢ぅ連れた チョット得意げなお顔の男ハンや、他にも夜水勤めの男や女たち、 此処で、今夜一夜の限りの〆場所をぉ・・・・でした。 店内見回しますと、殆どが見知った馴染みの客ばかり、です。 そんな多くの客で夜毎ぉ賑わっていました。 カウンター内の手前には、 角がキリリッ!なっ 白の板長帽子を頭に被り、身に纏うは藍染作務衣 大きな俎板で良くは視得ぬが、腰前に舞わすは洗濯糊が此れでもか! っと 見事にパリッと利いた割烹前掛け姿 っの 此処の中年親父亭主。 っと、其の向こうにもぅ一人、白い板前割烹着姿で白の和帽子の若い衆がおりました。 忙しそうにぃお二人とも、輝き刃の包丁ぅ使ってますねん。 奥の 突きツキ辺りの天井近くにコンコンさん(お稲荷さん)、祀られていました。 小さな祠の手前に小さな赤い鳥居が並んでます、 っで 両脇にぃ此れも小さな瀬戸物の 白狐さん一体ヅツ。 其処から、小さな模型の掌みたいな熊手に載った 吉兆の笹 っが、垂れてます。 笹にはぁ 布袋さんや鯛や打ち出の小槌 金色小判、紅白の麩餅ぃや、 他の諸々の縁起物と一緒にぃやった。 お稲荷さんの真下がぁ お会計場所で、カウンターと通路の出入り口ぃ 其処では若女将が自分に気づいて下さり 此方に頭を下げてくださいました。 傍らでは手伝いのおババが、古風を通り越して漆塗が剥げ掛けてるお盆に載った 此処の屋号が書き殴り文字で印されてる、鷲掴みな大きさの湯飲茶碗にぃ 上薬も真っ黒艶な急須を 傾けてました。 反対側 真向かいの漆喰粗擦り仕上げな壁側が 一段高くなった裸足で上がる畳敷きの 掘り炬燵風な座敷造りで、 青竹矢来な衝立が 仕切りになっていました。 其の三席並んだ座敷造りの奥の方から円姐さん 此方にと手招きしてきた。 ボウズを先にと背中を押し後ろ手で引き戸閉じ 歩き出したらボウズが振り返った。 「ちぃふぅ サッキのん言わんといてください 」 「わかった 」 「チィ~フゥ おはよぉ〜! 」 店のおババが声を掛けて下さった。 おババは、此の店の先代さんの奥さんです 今は息子が屋台を引き継ぎ 嫁に女将を譲りまして 自分は店の手伝いをしています。 「おかあさん、お孫さんどないですかぁ? 」 「ぅん、おぉきにねぇ、もぉだいぶぅよぉなったぁ〜」 「ほぉかあ、よかったなぁ! 」 「気ぃかけてくれて、ありがとぉさんやったねぇ 」 「そないなぁ、お礼ぃ言わんといてくださいぃ 」 「かきちゃん、ほんまにありがとぉやったねぇ! 」 此の人のお孫さん、チョット厄介な病気になってます。 とある遠方の大病院の個室で 半年ほど経ってぇ でした。 この頃やっと、親御さんならぁ っと、面会ができるようになってます。 そやから、寂しぃかろうと当時人気一番のパンだの縫いぐるみ人形さん、届けました。 お孫さんよりも大きかったです。 「あの子ぉ喜んでたそぉやぁ〜! 」 「そぉか、そらよかったですぅ 」 「あんたぁ 気ぃ使わしたねぇ 」 「はぁ ・ ・ ・ 」 「おかあハン、もぉ今夜はお疲れさんやからぁおやすみしてくださいぃ 」 若女将さん、おババの後ろから枯れて細くなった両肩に 手ぇ添えながら 労わるように優しいぃ声ぇ掛けました。 「ねっ、お願いやからぁ 」 言葉の言い方は 懇願やった。 「そぉかあ、ほんならそないぃさせてもらおかぁ カキチャンゆっくりしたってなぁ 」 おババ、周りの客に挨拶しながら店の奥に消える時ぃ 振り返ってお辞儀ぃした。 頭を深く下げた時ぃ、土間に雫が落ちたぁ ・ ・ ・ ! ボウズ、立ち止まってやり取り観てました。 「ちぃふ、お見舞いぃ送ってましたんやなぁ 」 「ナニがやっ、サッサト席に着かんかい! 」 六人掛けの卓には 囲炉裏みたいな四角の穴が 穴の真ん中には 七輪コンロ。 だし汁の匂いがイッパイの湯気を上げているのは、おでんの土鍋。 此処では、食べたい品を注文致しますと 煮込んだのを持ってきます。 其れを、だし汁が沸騰した土鍋に入れてくれますねん。 カウンターに座ってやったら 注文しますとお皿にです。 座敷はチョット 離れてますからね、だから土鍋で、でした。 「まぁ、じっくり座って呑んだくれて おでん食べようと致しますと、 グだグだ、ナンやらカンやラ言いまして、なかなか喰いよらん。 そやしぃ、冷めるしぃ、土鍋でなぁ炊き込んでる方が暖かいやろぉ 冬なんかなぁ、特にやろぉ。 そぉやろぉ、なぁ? 」 こぉう、随分前に此処の大将が言いよりました。 靴を脱いだ脚は、掘りごたつ風になってましたから、ぶらぶらぁ っとですねん。 自分、眼の前に座って お品書きを見てる悪友の脛ぇ爪先で突っついた。 悪友、急に顔を此方に向けることもなく ホンマニ自然な感じでぇ ・ ・ ・! 先ずは横目でした。 其れからお顔が向いてきました。 自分 頷きますと悪友、『 ほぉ〜! 』 って 顔がぁした。 悪友、何かを訴える目で煙草を灰皿で揉みながら、瞬きます。 お目目がぁ! 「おにぃちゃん、目ぇにぃ何ぞ入りましたんかぁ? 」 円 「ぃや、ぁあ、ぅん。 想わんもんが入ったみたいや 」 悪友 「あんたの想わんもんちゅうたら なんやろなぁ・・・・! 」 わい 「目ぇ洗ぅてきたらどないですんかぁ? 」 ボウズ 「ハンカチぃですぅ〜 」 男に不倫相手と駆け落ちされた女ぁ〜 (シカモ、お相手さんぅ旦那持ちでコブツキ女ぁ!) 「みなさん、御注文わぁ? 」 此処の若い板前さんぅ 「熱燗っ!ぶっとい(太い)やつ(徳利) 」 ↘ 「酒ぇ もらいますわぁ〜! 」→ ほぼ 全員一致ぃで〜! 「いつもん焼酎ぅお湯割りぃでなぁ 」↗ 「ビッビぃビ〜ル くださいぃ 」 まだ未だ 呑むつもりですぅ〜! さ、熱々 「おでん」 生姜醤油ぅ効かせたん頂きましょうかぁ〜! 【つづく】
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