22日にJR東海の金子社長が記者会見で、大井川の流量保全問題について、「リスク管理の考え方を説明し、理解を得たと思っている」とし、今後は本体工事に向けて県側と話し合いを進め、新年度中の着工にこぎつけたいとの考えを示したそうです。

(朝日新聞3/23)
リニアトンネル掘削「新年度着手」 JR東海社長

どこかで聞いたようなセリフだなぁ・・・。

2016年9月8日南信州新聞

記事から重要部分を引用します。
JRによる14年11月の事業説明会で、澤田部長は「地元の理解が得られなければ着工できないと考えている」と回答。これを受け、この日の説明会では「住民理解」とは何かを改めて問う声が複数上がった。澤田部長は「誰が判断するかと言えば事業者であるわれわれだ。今後は自治会別の説明会が始まり、そこでのやり取りなどを踏まえ、どの程度理解を得たか見極めたい」としたが、参加者からは「一方的な判断はおかしい」との声が出た。
…説明会後、澤田部長は「説明会を通じて理解が進んだと考えている」との認識を示した。
 


この説明会から2ヵ月も経たずして、同年11月1日にはシュプレヒコールの中の起工式となります。

産経新聞2016/11/2
リニアトンネル建設 “最難関”手探りのスタート 地元住民 不安・反発くすぶる 長野 https://www.sankei.com/region/news/161102/rgn1611020010-n1.html

実際、2年余りたった昨年秋には、発生土運搬ルートについて地権者との調整をつけられず、長野県公害調停委員会に調停を申請され、県側に受理される事態となってまして、「理解が進んだ」とは程遠い状況にあるようです。

ちなみに、大鹿村で「誰が判断するかと言えば事業者であるわれわれだ」とおっしゃった澤田部長は、現在、静岡県担当に就かれております。 


さて、静岡県民の理解は進んでいるのでしょうか?



  


この記事に

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中央道と新東名とを結ぶ中部横断自動車道の全線開通が1年遅れる見通しになったそうです。

開通先送りは、2016年に次いで2度目となります。
イメージ 1
2016年8月20日 静岡新聞記事 

工事が遅れているのは、
・自然由来の重金属等を含む残土が大量に発生して処理に苦慮
・大量の湧水
・掘削中の崩土
などが原因とのことです。

また、工事費がさらに360億円追加されるとのことです。2016年の事業再評価時の増額は600億円と合わせ、960億円増えることになるのでしょうか。

当初の事業費見込みがどれほどだったのかよく分かりませんが、2016年資料には、全区間(新清水〜増穂)での事業費を5010億円としており、これを基準にすると、約1.2倍になります。

なお詳細な資料が国土交通省関東地方整備局から発表されているようです(どこのページに記載されているのか未確認)ので、興味ある方はご覧ください。
・富沢〜六郷における平成30年7月5日の再評価(PDFファイル7.56MB)
・同じく平成28年11月22日の再評価(PDFファイル6.48MB)




ところで昨年末以来、リニア中央新幹線整備事業の難航(というか迷走)を伝える報道が続いています。

●つい最近、名古屋市の名城非常口(立坑)掘削工事中に大量の地下水が湧き出し、50mほど掘った穴の半分が水没し、掘削作業工事は停止しているという報道がありました。作業再開は今年秋ごろになる見込みだと報じられています。
中京テレビニュース 2019/3/18 
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190318-00010002-sp_ctv-soci
・・・なおこの件、出水が起きたのは昨年12月というのが気になります。場所は名古屋市の官庁街。そんな場所で異常事態が起きていたのに、JR東海は3カ月近くも公表せず、行政側も状況を把握していなかったのでしょうか?


●JR東海が名古屋市に委託して進めている名古屋駅周辺の用地買収が、最大2年延長することになったという報道もありました。
日本経済新聞 2018/12/25
リニアの用地買収、最大2年延長 名古屋市など
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39362930V21C18A2L91000/ 

●今年3月1日に発行された「リニア新幹線を考える東京・神奈川連絡会」の「ここが問題!リニア新幹線」によると、川崎市側から行われている非常口の掘削工事は、市側の説明で「1年近く遅れている」ことが明らかにされたそうです。

●山梨県南アルプス市では、リニアの予定ルート上の住民グループ250人が、今年4月にもJR東海に対し工事の差止めを求める訴訟を起こすことを決定しています(2月5日)。したがってこの区間での用地買収は泥沼化しそうです。

●今年1月には、長野県松川町に計画されていた3つの発生土置き場候補地のうち、規模の大きな2地点(容量:計590万立米)について、使用を断念することが決まりました(新建News中南信版 2019年1月24日既にリンク切れ)。

このほか南アルプストンネル静岡県側での着工については未だ見通しがたっていません。

しかし、これだけいろいろと壁に直面しているのに、JR東海はいまだ2027年開業の予定に変更はない、と説明しているようです。



…絶対にしわ寄せがくる。

工期が短くなっても、突貫工事でトンネルをどんどん掘り進めることは、技術的には可能かもしれません。しかし一般論として、杜撰な工事に結びつくのではという懸念がどうしても湧いてきてしまう。

それに突貫工事を始めたら、周辺の住民生活や自然環境へのダメージは絶対にひどくなります。

単純に考えても、工期が三分の二になっても完成年度の変更がなければ、その期間内の作業量は1.5倍にならなければならない。発生土搬出を例にとれば、ダンプの通行量を1.5倍に増やすようなことになってしまう。また、発生土の仮置き場を次々と増やす必要が出てくるかもしれない。




あちこちで工事が遅れ、着工も遅れているのに2027年開業に変更がないというのであれば、なぜそれが可能なのか説明すべきだと思います。そうしてくれないと沿線に余計な懸念を増やすことになるでしょう。



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JR東海が、「毎秒3トンに達したら掘削工事を中断する」と提示してきたそうです。
これについて、県は「毎秒3トンが適切な数字かどうか検討したい」との反応を示したとのこと。

⇒静岡新聞

毎秒3トンって、ものすごい量じゃないでしょうか?

小学校のプール(25m×12m×1.2m)の容積が360立米なので、たった2分で一杯になります。

日光の華厳の滝の流量は毎秒1.0〜1.8トンに調節されているらしいので、その2倍? 

ちょっと考えてみると…
掘削中のトンネルの幅を6mとします(先進坑なので)。
流速を毎秒0.5mとします。1秒で50㎝だから、普通の川としてもやや速い流れです。
この場合、トンネル内の水深は1m。人どころか自動車だって流されそうです。。。
(訂正)
毎秒3トンを想定しているのは本坑でした。幅約12mなので、流速0.5m/sならば水深0.5mです。もっとも、これでも十分に深く、踏ん張っていないと流されてしまうかもしれません。


上越新幹線の高崎−上毛高原間に中山トンネルがあります。大量の湧水により大変な難工事となったトンネルとして有名です。
ここでの主な「異常出水」は、

小野上北斜坑(1974年9月27日)
340トン/分≒5.7トン/秒

四方木工区(1979年3月18日)
80トン/分=1.5トン/秒

高山工区(1980年3月8日)
110トン/分=1.83トン/秒

だったそうです。いずれもトンネルが水没し、復旧や水抜きに長期間を要し、さらにルート変更もなされ、ひいては開業の遅れにつながっています。

(日本地質境界連合会 編集(2001) 「日本の地形・地質 安全な国土のマネジメントのために」より

JR東海のいう「毎秒3トン」とは、過去の大事故レベルじゃないのかなあ?



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