流通の歴史と未来のブログ

食品流通は凄く面白い世界です。昔・今・未来を語りたい

付加価値の配分 10

 更新に時間が空いて、どういうストーリーで展開しようとしていたのか、忘れてしまいましたが、まぁ、気にせずに行きたいと思います。

 前回は貨幣経済と不可分であるということを書きましたが、その一方で生産側の革新も非常に重要な要素です。つまりは生産性が上昇することもまた、大きな要素である事です。

 皆さんも戦国時代が一方で戦いによる耕地の荒廃があったと同時に、この時期に非常に生産性が上昇したと言われている事を聞いたことがあるのではないでしょうか。生産性上昇の要因については、これだという話は寡聞にして知らないのですが、戦国時代が終了した直後くらいから、豊臣政権にしろ、徳川政権にしろ大規模灌漑が盛んに行われ角倉了以などの有名な人物が出てきましたように、戦国大名が国力の充実を図って戦いに勝利しようとしたこともあって、相当に農業にテコ入れしたことは間違いありません。

 この頃に鉄の農具が盛んに使用されるようになったということもありました。つまり飛躍的に生産性を上げており、余剰農産物なり、農業以外でも食べて行ける人間達を大量に生み出せる背景が整いつつあったこともまた、流通の発展に欠かせないものになったことです。

 同時代の東アジアの状況でみても、朝鮮半島で商業が何故、繁栄できなかったのかという問の一端がここにあると思われます。支配階級である両班が農民からの収奪に明け暮れ、生産性の向上に関心を持たなかったことが大きかったのではないかと思われる事です。
 中国においても海外交易こそ盛んに行われますが、国内の商業は権力者との関係に腐心するばかりのように見えます。農民も捨て置かれる。それが停滞を生み出したように見えます。

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付加価値の配分 9

 中間流通の発展には、商品経済の発展と不可分に結びついてます。そしてここでの商品は、王侯貴族相手の貴金属やら工芸品というレベルから、大衆相手、最初は都市住民が対象になりますが、彼らが日用使用する商品にまで広がって行った時に爆発的な発展が始まると思われます。

 そうは言っても、初めは静かに、そろそろと、やがて爆発的に。自給自足で何とかする、ご近所や近隣の住民同士で都合するものから、買ってくるのが当たり前になるには、結構時間がかかります。一世代くらいの時間がかかる。

 商品経済の発展は、貨幣経済、つまり働くとお金がもらえるという仕組みが成立しないと、商品経済ばかりが発展するという訳には参りません。

 歴史を遡れば、鎌倉室町期に多量の宋銭が流れ込む話があり、その頃にようやく商品経済の萌芽が出てくることになり、秀吉から始まって江戸時代に幕府の力によって通貨が発行された事は皆さんも、よくご存知の話でしょう。

 つまりは近世に入ってから、貨幣経済、商品経済が本格的に始まることを意味しています。勿論、それ以前にも様々な商取引があり、宋銭による取引も、銀や鉄、綿、米などを貨幣代わりにした’流通’はあったのですが、その範囲は極めて限定されたものであり、信用経済が生まれるのは江戸中期くらいですから、細々としたものであったのでしょう。

 こういう経済的な動きに気づいて行く戦国大名というのは、世界史的にも非常に珍しい存在であり、我が国の流通の特徴の一つではないかと思わないではありません。

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付加価値の配分 8

 中間流通、問屋業が流通の付加価値の大きな部分を享受していた時代は、近世から昭和の30年代、つまりスーパーが登場して付加価値の大きな部分を強奪するまでの長い期間がそれに当たります。つまりは商業史そのものに、ほぼ該当する事になります。

 欧米ではどうであったのか、他のアジア諸国、特に中国ではどうであったのか。実は時期こそ違っていても、それほどの差は無かったのではないかと思われます。問屋業あるいは我が国の分類的には海外交易を主体にするなら商社ということにもなりますが、これも別に差がある訳ではありません。

 商業史においては小売業が大きく発展してくるのは商品経済の発展、中でも産業革命以降の大量生産大量販売が登場し、それが家庭消費の製品分野にまで達した段階、20世紀に入ってのアメリカから始まるものだからです。

 そう考えると、現代の流通環境がまだ、未整備で未熟なもの、持続的発展を支えるものでない理由も、歴史の浅さと捕えることも可能かもしれません。

 商業史をおさらいする必要は無いでしょうから、江戸中期を中心に、問屋業が隆盛を極める中で、どのように変化して行くのかを考えてみたいと思います。

 私事ですが、他で書いていますが、ブログの更新がかなり大変な時でして、更新がま遠になることもあろうかと思いますので、よろしくお願いいたします。

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