流通の歴史と未来のブログ

食品流通は凄く面白い世界です。昔・今・未来を語りたい

外食企業の経営 5

 生産性という意味では、外食産業の中で最も高いと見なされるのは、ファスト・フードではないかと思われます。そのファーストフードが好調であるならば、前回のロジックと合致する事になりますが、これがなかなかそうでもないところが、面白いというか、研究的には課題です。

 我が国のファーストフードは基本的に若い消費者をマーケットとしてきました。早く、安く食べたいというニーズに応える事が、最大のポイントだから、どうしても若者であり、年寄りにはあまり向いていないところがあります。
 それでもハンバーガーでは多くないと思いますが、吉野家あたり、あるいは天やなどの和食系には、そこそこ年寄りがいます。私もまぁ、利用します。これはひとえに安いからで、貧乏人の年寄りにはあり難い存在です。

 他の業種をみると、初めの内こそ若者を対象としていた業種業態、例えばコンビニとか、ゲームセンターとかも、今や年寄りがマーケットとして大きな存在となってきています。そう考えると、ファストフードにおける年寄りマーケットの開拓が不十分である事が分かるかと思います。

 つまりは生産性が優れていても、マーケットの開拓が巧くなければ、経営は厳しいものになるという事例でしょう。これはファミリーレストランでも同じ事が言えます。

 ファミリーレストランに行って喜ぶ家族とはいったい何歳の子供なのか。非常に限定された年齢層になる。少子高齢化の中でファミリーを中心としたマーケットを設定することの間違いというか、業界が相変わらずこの分類を採用している方が奇妙というべきかもしれません。現実の話、業態という枠組みよりは業種、和食とか、洋食とかの分類の方が機能しているように見えます。

 ただ大手のファミレスはメニュー的に何でもアリの大衆食堂化してきているので、ここでもおかしくなってきているのですが、私なんかは、食べるものが無いので全然、行かなくなっています。ハンバーグやフライものを食べる為にファミレスに行くか? そんな感じです。

 ある種のたまり場と化しているところが私なんぞと縁をなくしているところがあり、ではそういうたまり場として価値を高める活動、集客なりメニューなり、サービスをしているかというと、少なくとも私には感じられないのです。

この記事に

外食企業の経営 4

 昨日の話ではないですが、外食産業の不振の最大のポイントは、人口減、少子高齢化に帰する事ができるのかもしれません。その一方で、確かにそれが原因だとしても、どこに収斂していくのか、どの分野が切り捨てられていくのかが大きな問題です。

 流通全体が縮んでくるのは、やはり流通業の生産性が低い、つまりは稼げない、投入した労働時間の割には収入が低い事が原因と考える事が出来ます。つまり全体としてパイが縮んできていても生産性が低い方から消えてくる可能性が高いと考える事が出来ます。

 また、飲食業の場合は直接的に顧客である消費者と向き合っているのですから、一般的な傾向よりも個々の店の力なり、地域の消費者あるいは遠来のお客様との向かい方によっても左右される話であろうと考える事が出来ます。

 そういう目でマーケットを見渡した時に、非常に多くの従来型の飲食店が生産性、高齢化した店主夫婦に後継ぎになるような人を見出せなくなっている、それはつまり端的に稼げない、将来的に不安という結論に達しやすいことに現れています。

 このことはフランチャイズのオーナー達にも同じ話が出てくることを意味しています。未来に確信を持てるチェーンが現在、どれだけあるのかとなれば不安だらけのように見える。発展の限界に達して、これ以上、店数は増えていかない。
 新しい取り組みを模索するチェーンは数多いのも、どこかに突破口というか、何かしらの可能性を求めて、多業種多業態をグループの中に抱え込む形が増大しているのが現状です。

 昔の高度成長時代を知っている私らのような世代には、複雑な経営に戸惑いを感じるものですが、懸命なる努力の結果なのでしょう。さてしかし・・・・・。

この記事に

 先日、イギリス人の日本に関する講演会で、流通とはまったく関係ない話だったのですが、戦後の経済成長の多くの部分、あるいは現在のGDPの先進国間の違いが、人口の観点から容易に説明できるという話があって、50回にわたって、あぁだ、こうだと迷いに迷った話も、もしかすると人口の話で結論が出るのかもしれないと思い、この補論めいた話を付け加えておきます。

 戦争が終わった時点で日本の人口は8千万人だったそうで、それが1億2千万人まで拡大したのが、戦後の人口の推移で実に1.5倍まで上昇したのであり、同じ敗戦国であったドイツでも、この半分しか増えていないそうです。それが著しい経済発展の最大のポイントなのだと。

 日本人は経済大国になったことの原因が技術力や産業力として考えたがるけれど、そうではないのだと。この人口の規模、需要量の大きさが大量生産を可能にした、ひいては海外輸出をも高める力となったと。

 戦後の商業の爆発的発展というのも、若々しい消費者の旺盛な需要こそが、商業を拡大させた最大の要因であり、駅前商店街、○○銀座商店街を誕生、発展させた力なのではないかと考え始めました。
 そして同時に明治に入ってからの商業の大きな発展も、当時の爆発的な人口増加が関係しているのかもしれないとも思うようになりました。

 個々の商業の問題、あるいは駅前商店街という形、都市形成のあり方よりも、総じて人口かと。でもまぁ、もう少し考えます。

この記事に

[ すべて表示 ]


.


みんなの更新記事