流通の歴史と未来のブログ

食品流通は凄く面白い世界です。昔・今・未来を語りたい

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 敗戦の瓦礫の中では、まともな産業は機能しておりません。農漁業くらいで工業は壊滅しています。そこに何十万という帰還兵が戻り、今日のご飯にも困る状況でした。当然、妻子の方も困窮の限りでしたから、ともかくどうやって暮らしを作るかが緊喫の課題である世帯がそれこそ何百万という時代です。

 商品はほとんどが闇市で売られる。闇市はどうやって仕入れたかと言えば、都市の住民が農村部に買い出しに出かける形で流通が形成されます。皆さんは写真ですらもう見たことも無いのではないかと思いますが、列車に鈴なり状態になって、列車の屋根にまで登って移動する庶民が映し出されています。

 こういう形の流通は非合法でした。ですから大都市に入る駅では検問が行われ、闇物資の摘発が行われました。それでも配給なんてものは、戦前ならまだしも、秩序が崩壊した戦後では、ほとんど期待できないものでした、配給以外は食べないと実行した大学教授が栄養失調で死んだことが新聞で話題になる時代です。たとえ国会議員だろうが、大臣だろうが、闇市失くして生きることも難しかったのです。

 猛烈なインフレーションが起きてきて、戦前の財産は無意味化します。悲惨であったのは戦前に華族・・これも知らない人が多くなったのでしょうねぇ・・貴族がGHQの命令で、特権をはく奪されます。彼らは生活する術を知りませんから、群がる胡乱な人々によって財産はまたたくまに喪失します。これは戦前に大富豪を誇った財閥一族もほとんど同じ運命をたどる事になりました。

 のし上がってきたのは闇市でボロ儲けした連中でした。まぁ、それはともかく闇市に多くの人々が係わる事になり、闇市で商売をする、あるいは闇市に商品を卸すことで稼ぐ人々が大量に現れた、それが商業の爆発的発展を呼び起こすものとなった事は確かです。そしてそれ以外に、都市において生計を立てる方法が少なかったことも確かです。

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