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困った顔

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 敵地に墜落したパイロットは放っておくしかない。
 救出できるくらいなら地上戦をやっている。
 地上にはすさまじい怨念が渦巻いているのである。
 遠巻きに空爆するだけでも怖くてたまらないはずである。
 アメリカは「ソマリアの悪夢」が忘れられないのである。

「捕虜のパイロットを焼き殺すなんて、『イスラム国』って、つくづく残酷ですねー」
 日本のメディアは「イスラム国」の悪行だけを痛烈に非難するが、空爆の下というものはどこも同じであろう。
 かつて空爆の下にいた日本も、墜落したB29などの米兵に対して凄惨(せいさん)なことをやってきた。
 B29などは毎日のように空爆に来たため、毎日のように落ちる米兵があった。
 墜落しても、落下傘で脱出すれば助かる米兵もいる。
 しかし、海に降りた米兵は助かるが、陸に降りた米兵は助からない。
「鬼畜米兵見っけ!」
「待ってました!」
「よくも僕達から全てを奪ってくれたな!」
「これが父さんの分!」
「これが母さんの分!」
「これがうちのダンナの分!」
「全員の恨みを晴らすまでくたばるんじゃねえぞ!」
 なぶり殺しにされずに捕虜になったところで同じ運命であった。
 処刑されるか、消息不明になるのがほとんどだったという。
 当時のメディアは今と違ってアメリカびいきではなかった。
 たとえば、現在の愛知県豊田市にB29が墜落した際の昭和二十年(1945)一月六日付の朝日新聞にはこうある。
「掘り出された敵屍7、その他の『鬼ども』はこなごなに砕けているのも痛快だ」
 


● イスラム教スンニ派過激派武装組織「イスラム国」 ●


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