『火花』を読んで

今回の読書感想文は芸人の又吉直樹さん著の小説である。実は、発売当初かなり話題になっていたこともあり購入したのだが、半分まで読んで、なかなか読み進められず家の本棚で眠っていた。

作者独特の表現がなかなか進まない要因だったのだが、物語というより一つの芸術作品という感じがした。

主人公はお笑い芸人で、お笑いの世界が描かれている。作者が現役のお笑い芸人なのだから、多少なりとも実際のお笑いの世界に近いのだろうという想像で感想を述べさせていただくと、芸能界は私たちが思っているより華やかな世界ではないのだなと思った。

実はこの作者の本では、次作の『劇場』も気になっているので、機会があれば読んでみたいと思った。

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「私は、その真実を伝えるために、ノンフィクションでなく、小説を書いた」この本を手にとったとき、帯の作者の言葉に、まず心惹かれた。
真実を伝えるならばノンフィクションだろうと、私は安直な考えが浮かぶが、真実を伝えるために小説を書いたとはどういうことだろうかと思った。

今回の本では、私の知らなかった自動車業界の闇を知ることができた。小説であるからフィクションなのだが、誰もが某自動車会社に当てはめながら読んだことだろう。登場人物も、実在の人物を彷彿とさせるものである。
中には、私でもニュースなどでよく知っている出来事があり、その裏側でそんなことがあったのかという驚きと面白さがあった。
最も驚いたのは、やはり裏の世界というか、これはいいのか、ということも多かったことだ。知ってはいけないことを知ってしまった感覚だ。これは、ノンフィクションとしては世に出すことはできないだろうなと思ったりもした。

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『友情』を読んで

今回の課題図書は武者小路実篤の『友情』である。

まず、読む前のイメージで、さわやかな青春ストーリーかと思いきや、三角関係で割とショッキングな内容であった。

友人の妹、杉子に恋心を抱いていた野島を常に応援していた大宮だが、野島は杉子に断られ、その後、大宮と結ばれてしまう。友情を裏切って、愛情をとり、2人が結ばれるに至ったいきさつのような手紙のやりとりを雑誌に発表し、それをわざわざ野島に知らせてくる大宮。
その結末だけを考えると大宮に腹が立つが、野島は杉子の容姿や声など外見的なものを見ており、杉子はそれに気づいているから野島のそばには1時間以上いたくないと大宮へ伝えている。

まだ学生のころだったら大宮に腹が立って終わりだっただろうが、今、読んでみると、杉子の気持ちもわかる気がするし、杉子の気持ちを受け入れた大宮の気持ちもわからなくはない。
自分も、これを読んだ時期によって感じ方は違っただろうなと思う。ただ、全てを知らされた野島が、仕事の上で決闘しようと返事を送るのは格好いいと思ったし、ぜひそちらでは勝ってほしいと思った。

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タイトルからして、何だか怖いような、物悲しいような雰囲気だと思った。
妻を亡くした男ユーグと、その妻にうり二つの女ジャーヌと、ユーグの家の家政婦バルブが主な登場人物だ。

終始、ユーグにいらいらしながら読んだ。愛する人を亡くしたら、想像できないほど辛いとは思うが、余りにも身勝手で不気味で、結末もあんな形になってしまうのだから、救いようがない。

この作品は、後にオペラになっているらしい。人物よりも、情景の美しさが際立つような作品だと思ったので、見てみたいと思った。

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『火星の人』を読んで

今回の感想文は『火星の人』という小説である。SF小説は余り読まないのだが、この本は読みやすくスムーズに読むことができた。
死んだと思われ、火星に残されてしまった宇宙飛行士のワトニーが、無事生還する物語である。
最初は助かる見込みもなかったが、試行錯誤しながら生きる道を見つけていく。植物も育たないような星で、ジャガイモを育てることに成功したことには、彼の生命力と精神力の強さを感じた。
もし自分だったらと考えると、途方に暮れて生きることを諦めてしまいそうなのに、ワトニーは常にポジティブで明るくいたことが、彼が生き残ることができた最大の理由だと思う。
また、ワトニーが生きているとわかったときの地球側の仲間の歓喜も手に取るように伝わってきて、何とか彼を地球へ戻そうと頑張る仲間の気持ちもすごくいいなと思った。
ショッキングだったのは上巻の最後で、主人公へ物資を届けるロケットの打ち上げに失敗したところである。けれども、ワトニーを含め誰も諦めずに信じ続けたことで、最後は生還することができたのだろう。
私も、もうだめだと思うときでも諦めず、常に前向きに考えるようにしたい。

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