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2004年 日本
監督 緒方明
大場美奈子(田中裕子)は親兄弟もなく、生まれ故郷で朝の牛乳配達と
スーパーマッケットでのレジ仕事をして、おばさんの家で暮らす50歳の独身女性。
夜には大好きな本を読んで暮らす日々。
高梨槐多(岸辺一徳)は市役所に勤めながら、末期がんの妻容子(仁科亜季子)を
家で介護する日々。美奈子と槐多(カイタ)は高校時代に付き合っていたが
ある事故をきっかけに疎遠になってしまっていた。
しかし美奈子は心密かに槐多への思いをつのらせていた。牛乳を飲まない夫槐多が
牛乳を取り続ける理由を容子は知り、美奈子に会って夫と暮らすように頼む。
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う〜ん、この映画のことを「大人の恋愛」っていうけど、私はこの二人があまりにも
不器用すぎて・・・ま、だから映画にもなるんだけど。
通勤時にすれ違っても、美奈子のいるスーパーに槐多が買い物に行っても、
決して目と目を合わさず、でも心でお互いを確認するような、秘めた関係、
それをまたお互いなかなか本音を語らない・・・。
17歳で別れた男を30年以上も心に秘めて愛するか!?と私なら思う。
しかし世の中にはそんな人もいるのでしょうね。私は何か滑稽にすら感じる。
人生って一度しかないのに、何て狭くて小さな世界なんだろうかと・・・。
いや別に美奈子はその事を後悔も情けなくも思ってなくて、毎日を一生懸命生きている。
長崎の坂の多い町を精一杯強さすら感じさせて。
だけど死期がせまって本音で二人に迫る仁科明子の方が正直で素直で現実味があるな。
優しいがつかみ所が無くてよくわからない夫、その心の底を死期も迫った頃にわかるなんて、
それも切ない気がする。これが自分の夫ならやっぱり嫌だわ。いくら優しく介護されていても、
30数年にわたって夫は心の底で別の女性を愛していたなんて・・・。
奥さんに「私が死んだら夫と暮らして」と言われて、美奈子も「ああそうですか、
それじゃ任して下さいね。」とも言いにくいし、どうなんだろう。
あれは奥さんの最後の嫌味なのだろうか?違うか、ただ素直に二人を結び付けたいと
思ったのか?いやしかし、自分が死んだら、この二人くっつくなと思い、
先を見越して夫が愛する女に会ったのか!?考え過ぎかな?
児童虐待、福祉、認知症などの、話も出てきて、結構飽きなかった。
英文学者の夫、皆川真男(上田耕一)のボケた世界を彼の内面から描いていて、
とても面白かった。それを介護する妻敏子(渡辺美佐子)も良かった。
田中裕子はいつも凛として好きな女優さんだ。
2005年日本映画プロフェッショナル大賞:作品賞、主演女優賞(田中裕子)
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