ストラヴィンスキー

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ストラヴィンスキー「春の祭典」。この曲との出会いは高校生の時です。
それまで色々とレコードを聴いてはいたものの、どの演奏も興味をそそられるものでは無く、曲自体にもさほど魅力を感じていませんでした。
ところが、当時コリン・デイビス/アムステルダム・コンセルトヘボウのレコードが発売されて認識が一変、20世紀クラッシックの中で一番好きな曲となったのです。

それからというもの、スコアを見ながら毎日聴きまくり楽譜研究。ある時、友人の同級生の家でこのレコードがかかって私は思わず歌い出し、それを暫くじっと見ていた友人K氏が「凄い、暗譜してる」とつぶやいたほど。それだけのめり込んだ曲だったのです。
古い友人は常々「美しい曲は楽譜も美しい」と言いますが、この「春の祭典」の楽譜もそれは美しいものです。変拍子の連続ですが、各パートのうねりやパワーが音符として躍動しています。

このデイビスのアルバムはゴールドディスクも獲りました。
今聴いてもアナログ録音の最高峰、現在のデジタル録音では出せない艶やかさとダイナミズムがそこにあります。
当時、オーディオフェアーが晴海で開催されていましたが、スピーカーの「タンノイ」のブースでは、このレコードが必ずかかっていました。社会人になってオーディオにのめり込みましたが、これを良い音で聴く為に投資したと言っても過言ではありません。
プレーヤーだけでも、カートリッジがEMT(MC)10万、ターンテーブル20万、上に被せるカバーが4万、その他、トーンアーム4万*2(ダブルアーム、もう一つのカートリッジはシュアー、MMです)。まあ、若さ故の金の使い方ですが、そこから生まれるストラヴィンスキーの「音」には凄まじいものがあります。
「ストラヴィンスキー人気はオーディオの発達と共に生まれた」
このように評される事もありますが、間違ってはいないと思いますね。

私の好みとしては、大地の響き・鼓動、炎の揺らめきまで感じさてくれるものがいいです。
一つ一つの音を露わにして鳴り切らせ、美しく芸術的にまとめよう、仕上げようという意識は持たないで欲しい。
木管も細部まで濁らず、バスドラ、ティンパニーも音の波をぶつけてくる。冒頭のファゴットのハイトーンに続いて現れる弦のスタッカートも、粒を揃えず長めに荒々しく。
音を言葉で表現するとしたら「爆発」「破裂」、原始の息吹を感じさせる演奏を、ストラヴィンスキーは思い描いていたのではないでしょうか。

さて、作品についてですが、初演時の騒動などはあまりにも有名なので割愛しましょう。
ただ、よく誤解されるのが振り付けとの問題です。
「何だ、振り付けとドンピシャじゃない。だから変拍子になるんだよ」
こういう方もいますが、それは認識不足。
これは曲が先に書かれ、後から振り付けが付けられました。だから面白いのですね、この曲は。次々に想像が膨らみます。

例えば、後半で強打11連音符から曲が大きく動き出しますが、何故11なのか。
人は無意識に3拍子4拍子を心で取ってしまうのですが、それを回避するにはどうするか。割り切れない数は「5,7,11,13・・・」。
5拍子はよく使われている。7はどうか。これも「4拍子+3拍子」で結構据わりが良い。だから11なのか? 
しかし、ムソルグスキー「展覧会の絵」のプロムナードでも使われるように、11拍子(5+3+3)は昔からロシアにある独特の拍子。
もしかすると、拍子感覚を無くすためではなく、古典的なロシアの拍子から11を持ってきたのかもしれません。


では演奏です。
私の年代ではデイビスの演奏がお馴染みですが、今の若い方はこのトーマス「MTT/サンフランシスコ」でしょう。

Michael Tilson Thomas / The San Francisco Symphony
「PART−1」
「PART−2」

何と、スコア付き演奏も発見。バーンスタイン/ニューヨークフィルです。
10代の頃にはスコアも買いましたが、今はもう買えません。高いですからね、春の祭典は…。

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