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メンデルスゾーン/ピアノ協奏曲第1番。 私がこの曲に出会ったのは、そう古い話ではありません。 元々管弦楽曲で育った私にとって「ピアノ協奏曲」と言えばチャイコフスキーやショパン、グリーグやリストなどであり、コンサートに行ってもあまり演奏される機会の無いメンデルスゾーンとは縁が無かったのです。 そんな事もあって、何故かこの曲をピアノコンチェルトの代表曲から外してしまっていました。 ところがある日、友人の薦めから譜面とCDを借りて聴いてみるとどうでしょう。 演奏は(P)シブリアン・カツァリス/クルト・マズア&ライプツィヒ・ゲヴァントハウスでしたが、なんと素晴らしい曲だこと。紛れもないピアノの天才による疑いも無き名曲でありました。 たとえば、グリーグやチャイコフスキー(1番)のピアノ協奏曲は、和音とスケール・アルペジオを多用したものとなっています。 これはこれで良いのですが、私はショパンやリスト、あるいはラフマニノフの様にピアノならではのテクニックが繰り広げられるもの、よく言われるピアニスティックな曲に惹かれます。 勿論メンデルスゾーンもそうで、しかも圧倒的なピアノ。媚びること無く奇をてらわず、気品に満ちています。 私はしばらくの間、明けても暮れてもこの曲ばかり聴いておりました。 さて演奏を比べてみましょう。 まずは先ほどのカツァリス。 これは当然の事ながら圧倒的なテクニックを誇っています。 テンポを維持したまま進む様は「機械的」にも聞こえますが、それを好む向きにはうってつけの演奏でしょう。 メトロノームを鳴らしながら、寸分違わぬ速さで弾ききる様な凄さ。クールな演奏です。 次に(P)マレイ・ペライア/マリナー&アカデミー 少し前の名盤で王道、「大家による演奏」といったところでしょう。演奏スタイルは古いと言えるかも知れません。 実は、私が一番魂を揺さぶられたのがこれでした。 (P)ジャン・イヴ・ティボーテ/プロムシュテット&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス 聴けば聴くほどのめり込みます。 フレーズの取り方、歌わせ方、昂揚のさせ方、それは寒気がするほど。 オーケストラはプロムシュテットがやはり良いですね。 つまり、私のお勧めとしては「ティボーテ」となります、この3つはどれを聴いても一級品ですので安心て選んで構わないと思います。 ではいよいよ動画の紹介です。 幸いなことに、ニコニコ動画にティボーテの演奏がありました。是非お聴き下さい。 次に紹介するのは「ユジャ・ワン」。 中国人ですが、実は仙台に縁があります。 2001年「仙台国際音楽コンクール」で3位、Special Jury Prize(20歳未満の、特に優れた決勝出場者)を獲得しました。 何と酷いオケなのでしょう。テンポが全くついて来ていません。 指揮のマズアもオケをコントロール出来ていない。 大声を上げてもいますし朗々と歌い出してもいます。可哀想なワンちゃんですが、切れてはいるもののさすがはプロ。オケとマズアを睨み付けながらも弾ききりました。 演奏は素晴らしいの一言です。 第二楽章などは、その美しさにうっとりしてしまいました。 存分に繰り広げられるピアノ。 ピアノが引いたらオケの出番、かけ合いの妙。 コンパクトにまとめられた聴きやすい曲の構成。 どれをとっても一級品。メンデルスゾーンのピアノ協奏曲、聴いたことのない方は是非聴いてみてください。
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