チャイコフスキー

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チャイコフスキー/ピアノ曲集『四季』
ピアノ曲集『四季』作品37bは、ピョートル・チャイコフスキーが作曲した、ロシアの一年の風物を各月ごとに12のピアノ曲で描写した作品集である。

 概要
雑誌「ヌーヴェリスト」(ゴシップ好きまたは短編小説家の意味)の企画依頼で1875年から翌年にかけて作曲され、1885年に曲集として出版された。12曲とも三部形式で書かれている。また、各曲ともロシアの詩人が各月の風物を題材にした作品を参考にしているという。作曲当時ロシアでは旧暦を使っていたため、それぞれの月の季節感は現在と多少ずれている。
後にソ連の指揮者・作曲家のアレクサンドル・ガウクが管弦楽編曲を施している。
『ウィキペディア(Wikipedia)』より


この曲は季節の自然だけではなく、民衆の生活も含めて描写した作品です。

1月 炉端にて イ長調。家の中の温かい情景が描かれます。
2月 謝肉祭  ニ長調 。祭と共に春が訪れ、自然の目覚めと人々の心の動きが
描写されます。
3月 ひばりの歌 ト短調
4月 松雪草(雪割草) 変ロ長調
5月 白夜(五月の夜) ト長調
6月 舟歌  ト短調。4分の4拍子
7月 刈り入れの歌(草刈り人の歌)  変ホ長調
8月 収穫の歌(取り入れ) ロ短調 (中間部 平行調のニ長調)
9月 狩りの歌(狩) ト長調
10月 秋の歌  ニ短調。秋の到来と枯れ行く自然が、シンコペーションを使って
描かれます。
11月 トロイカ  ホ長調。再び冬が訪れます。この曲集で最もよく知られている曲。
    ラフマニノフの愛奏曲でもあった名曲です。
12月 クリスマス(降誕節) 終曲。4分の3拍子のワルツ。変イ長調。
半音階を使って転調し、明るい気分で1年を終えます。

この曲集は1つの曲を聴き終えると、その余韻から次の曲が頭に浮かぶように出来ています。
それは曲の始まりが前の曲の近親調で始められるからなのですが、こういう「曲を一つにまとめたくなる感覚」というのは、やはり管弦楽曲、しかも交響曲や組曲を得意とするチャイコフスキーの得意技・性癖なのでしょう。
どの曲もピアニスティックでは無く、まるでピアノスケッチのようです。発想が「管弦楽」的なものなのかも知れません。

そんなこともあってか、20世紀に入るとガウクによってオーケストラに編曲されます。しかし、どうせならチャイコフスキー本人の編曲で聴きたかったものです。残念!



最後に、「四季」の各々の曲には詩が引用されていますので紹介致しましょう。
これらを読みながら、イマジネーションを膨らませるのも良いかも知れませんね。
くれぐれも妄想に走ったり、遠い世界へ逝ってしまいませんように・・・。

炉ばたで―1月
 穏やかな 安らぎのひとすみ一隅を うっすらくる包む 夜の闇。
暖炉のなかの かすかなほのお焔 燃えかすつきの 消えたろうそく。
  ―プーシキン

ロシアの謝肉祭―2月
もうすぐ 湧きあがるよ
にぎやかな 謝肉祭の 盛大な お祭り騒ぎが。
  ―ヴャゼムスキィ

ひばり雲雀の歌―3月
野原は花のさざなみ漣に揺れ  空には光の波が流れ
 春の雲雀たちの歌声は  果てなき青さに満ちる
   ―マイコフ

まつ待ゆき雪そう草―4月
 水色の 清らかな 待雪草の花
 傍らに 透きとおる 消えかけの雪
 過ぎ去りし悲しみによせて  最後の涙を流し
 初めて夢見るのだ  また別の幸せを。
       ―マイコフ

白夜―5月
なんて安らぎに満ちた夜だろう!
ありがとう、北のふるさと故郷よ!
氷におおわれた王国から 雪の降りしきる王国から
5月よ、君はなんてすがすが清清しく、鮮やかに飛びたつのだろう!
    ―フェート

舟歌―6月
 岸辺に出よう。
 僕らの足に波はくちづけ、秘めやかな愁いの星が
 僕らの上に光るだろう。
―プレシシェーエフ

刈入れ人の歌―7月
肩よ うなれ、
手を振り上げろ!
南風、顔に吹きつけろ!
  ―コリツォフ

収穫―8月
人々は 家族みんなで収穫にかかった。
根元まで刈り取るんだ、背高のライ麦を!
麦束は 山のように ぎっしりと積まれた。
荷馬車から一晩じゅう、音楽が鳴り響く。
     ―コリツォフ

狩り―9月
さぁ時間だ!と鳴るホルン角笛
狩装束の猟犬番らは 夜明けが先か 馬にまたがり
犬は一群 飛び跳ねる 
      ―プーシキン

秋の歌―10月
秋よ、われらが粗末な庭は一面 落葉におおわれる
黄色い木の葉が風に舞い……
  ―トルストイ

トロイカに乗って―11月
憂いをもって道を見るな
 トロイカのあとを急いで追うな
 胸の内に憂うおそ懼れを 
 すぐさま 永久にかき消せよ
    ―ネクラーソフ

クリスマス週間―12月
 洗礼祭期のある晩に  娘たちは占った
 履いている靴をすっぽりと 門の向こうへ放り上げて。
  ―ジュコフスキィ
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チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第2番」。
本来であれば、チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲」と言えば「第1番」でしょう。営業的にもピアニストなら誰でも吹き込む「超人気曲」となっています。
しかし、今回取り上げるのは「第2番」。第1番ではありません。それは何故か。

「第1番」と言えば、あのホルンから始まる「インパクト抜群」の導入部。一度聴けば忘れることの出来ないテーマです。
ところが、ピアノの技法となると、「鍵盤を叩く」「分散和音」に終止します。
もちろんチャイコフスキーですから「魅力抜群」なのですが、「piano」の技巧を聴きたい向きにおいては物足りないのも事実。

第一番のエピソードとして、当初初演を頼むつもりだった「ニコライ・ルビンシテイン」に、草稿の段階で「この作品は陳腐で不細工。役に立たない代物であり、貧弱な作品で演奏不可能。私の意見に従って根本的に書き直す事を進言する」と非難された、とあります。
大家である自分に意見を訊かなかった「腹いせ」とも言われますが、私はそうは思いません。

当時のピアノの常識としては「お粗末」である。
チャイコフスキー自身もそのあたりは自覚していたからこそ、研鑽を重ねて続く「第2番」では技巧的なピアノを書いたのではないか。
「第2番」を聴くと、まるで「第1番」が習作であったと言ってしまいたいくらいに進化しているのですから。

とは言うものの、やはり「インパクト」という点では「第1番」には敵いません。
また、第2楽章も問題です。
冒頭で、ピアノに入る前にヴァイオリンとチェロの長い二重奏があるのですが、「本当にピアノ協奏曲?」と首を傾げたくなるように長く、私にはチャイコフスキーの意図が分かりません。

チャイコフスキーは「カット版」を認めていませんが(この冒頭部分をカットし、ピアノを修正)、その演奏が数多く存在しています。これは多分に録音時間の問題もあるでしょう。
しかし、最近は「原典版」が見直されてカットせずに演奏する事が多く、私も聴くのであれば、こちらをお勧めいたします。



お勧め決定版はこちら。

イーゴリ・ジューコフ(P)、ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー/モスクワ放送交響楽団

これが最高でしょう。もちろん「原典版」です。


他のお勧めは、エミール・ギレリス(P)、マゼール/ニューフィルハーモニア。
ヴィクトリア・ポストニコワ(P)、ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー/ウィーン交響楽団(夫婦共演ですね)。
等、他にも色々出ていますが、やはりカット版が多いですし、チャイコフスキーの魅力が今ひとつ届いて来ません。
やはりチャイコフスキー独特の華やかさが欲しいところです。

最近は沢山ユーチューブに上がっていますので、好みの版・演奏を探してみましょう。

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