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ひとまち交差点

まちの記憶 受け継ぐ
 
いまきいとき隊 大津
 
 お年寄りに昔の体験談を聞き、その様子を記録することで語り手の思いを受け継ごうとする大津市の市民グループ「いまきいとき隊」。撮りためた映像は、個人の思い出から浮かび上がる「まちの履歴書」として貴重な資料となっている。
 
 メンバーは多角的なまちづくりに取り組む福井美知子さん(大津市際川)と細井民和(65)(同市膳所)、市歴史博物館(同市御陵町)の館長、樋爪修さん(59)の3人。「人々の記憶から消えてゆくのは忍びない、生きた情報を残していこう」と2001年から活動している。当初は会話をカセットテープに録音し、文書に書き起こしていたが、「文字では語り手の想いが十分に伝えられない」と04年からインタビューの一部始終を動画で撮影するようになった。
 聞き取りの対象は市内在住の70歳以上で大半が90歳前後。これまで約40人から話を聞いた。福井さんが訪問日程などを調整し、主に樋爪さんがインタビュー、細井さんは撮影担当だ。話の内容は、お年寄りが子供の頃によく遊んだ場所や戦中に従軍した話し、戦後の市内の様子など。福井さんが女性の視点から当時の食生活やファッションなどについて尋ねることもある。
 
体験談、エピソード 生き生きと
 
 琵琶湖疎水を泳いだ思い出や、戦後に水上ダンスパーティーが行われたこと、大津絵に数え歌があった話など珍しい珍しいエピソードが集まる。樋爪さんは「同じテーマで話を聞いても十人十色の思い出があります。いつも発見ばかり。撮影したデータ全てが地域の財産です」と力を込める。
 撮影した映像は持ち帰り、全員で見直しながら編集する。細井さんは「話を聞いていると、お年寄りが当時に戻ったような生き生きした表情になる。その顔を見た瞬間に活動のやりがいを感じます。と話す。
 
 11年秋に同市浜大津の旧大津公会堂などで開催された「大津百町大写真展」(大津市、市歴史博物館など主催)で編集した動画と昔の写真を一緒に展示。学生から高齢者まで多くの人が興味深そうに見入った。聞き取り後、他界した人もあり、生前の元気な姿で昔を語る個人の映像に涙を流す遺族もいたという。
 
 福井さんは「お年寄りの話から学ぶことがたくさんあります。活動はライフワークとして継続していきたい」と意気込む。
 
2012年(平成24年)2月21日
讀賣新聞 しが県民情報
 

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