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大津市長選は15日、告示される。現職目片信氏(70)(自民、公明推薦)とともに新人の弁護士・越直美氏(36)(民主、社民、対話の会推薦)、医師・東昌子氏(49)(協賛推薦)の3氏が、いづれも無所属での立候補を表明しており、4年前回戦と同様、三つどもえの争いとなる公算が大きい。3氏がすでに発表しているマニフェスト(選挙公約)を紹介する。投開票は22日。
■ 目片氏
青を基調にし、スローガン「結団と実行 大津再び前進」をアピール。表側で小中学校の耐震化促進など2期8年の実績を強調し、裏側には3期目の総仕上げとして創、築、育、守、進の5分野の公約を掲げた。
内容は、大津駅前活性化に向けたインフォメーションセンターの設置や新たなハザードマップ(危険箇所の地図)の作製、小中学校へのエアコン整備の他、公共施設への自然再生エネルギー導入や、ガスで発電、給湯などを行う住宅用熱殿供給の普及促進、家庭用太陽光発電設置に対する独自支援の拡充などを掲げた。
■ 越氏
「笑顔あるふれる大津へ変える!」キャッチフレーズに①クリーンでしらがみがない②未来にツケを残さない③生活者の視点を生かすーーーを政治の理念として掲げ、緑色をベースにデザインした。表側では、市を7ブロックに分け、住民が参加して課題を考える「地域経営会議」の創設を提案している。
裏面には、「5つのスマイルプロジェクト」として、保育園の一時預かりの拡充や外国語教育の充実、高齢者の再就職支援、県との連携、交通渋滞の解消、京都から観光客を呼び込むルートの創設などを掲げた。
■ 東氏
「脱原発」「福祉都市」「仕事のある街 働ける街」3つの宣言を記しており、ピンクが基調。消費税増税ストップや環太平洋経済連携(TPP)反対も強調している。
政策面では、「大津市政転換へ7つの処方箋」として、原発防災計画の策定や放射線観測装置の増設など脱原発関連や、国保料減免、特養ホーム増設、市民との協働によるコミュニティーバス整備、消費生活相談員らの増員をうたった。財源として「230億円の基金を活用する」とし、市長退職金も廃止するとした。
■ 主な相違点
中学校の給食実施について、目片氏は小学校の給食センターを活用して前向きに検討するとし、越氏は地元業者による配食方式、東氏は各校に調理室を配備する自校方式での実施としている。
また、子どもの医療費については、目片氏が小学3年生までの全額公費負担の実績を訴え、越氏は全額公費負担を小学6年まで拡大するとした。東氏は、中学卒業までの段階的な無料化を掲げている。
2012年1月14日(土曜日)讀賣新聞 地域 滋賀
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日記
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大型事業控え節減努力
財政健全化
「建物の耐震性を考えると、決して充分であるとは考えておりません」
昨年9月の大津市議会定例会。市役所本館の強度に関する一般質問で、北川義治総務部長は、阪神大震災旧や東日本大震災ん地震が起きた場合に、市役所が揺れに耐えられずに倒壊する可能性を認めた。
1967年に建築され、市長室や市民課など市役所の核機能が入る本館は、現在の耐震基準を満たしていない。耐震性だけではない。合併や中核都市移行で職員数は嘱託や臨時も含め、ここ10年で約800人増えたが、庁舎内の執務スペースはもとのままで、もはや手狭を通り越しているという。
8年前には、浜大津地区に市街地開発公社が保有する土地への移転案も浮上した。だが、「移転費210億円」という資産額の前に検討段階で挫折。その後は庁舎に“応急処置”を施しただけで、職員たちは仕事を続けている。
市の財政は他市と比べ、相対的に悪くはない。一般会計決算は2010年度まで33年連続の黒字で、市税収入や交付税などを合計した標準財政規模(大津市で約650億円)に占める借金返済額の割合を示す「実質公債費比率」は11・1%と、<イエローカード>とされる基準(25%)にはまだ余裕がある。
借金に当る市債の残額は約1100億円と、市の年間歳出額程度に上がっているものの、人口30万人以上の全国中核市41市の中では5番目に少ない額だ。
だが、決して楽観できる状況ではない」(市財政課)のも事実だ。12〜16年度の五ヵ年に、一般会計で総額148億円の収支不足が見込まれるからだ。
景気の低迷で法人市民税が落ち込み、市税収入の伸びは期待しにくい。一方、生活保護や福祉など扶養費は年々増え、バブル期に歳出の10%以下、50億円程度だったのが、10年度は23・2%、250億円に膨れ上がっている。
さらに、これから十数年の間に、市南部クリーンセンターなど老朽化した3焼却場の建て替え(400億円)、JR大津駅西側の区画整理(50億円)、JR膳所駅橋上化(40億円)、JR堅田駅前整備(20億円)など、大型事業が幾つも待ち構えている。
市の貯金に当る財政調整基金は20億円しかなく、財政担当者は「急な支出への備えとして基金に少しでも積み立てたいが、現状では難しい」と厳しい表情だ。
市は昨秋、市役所に隣接する国有地を購入し、新庁舎を建設する方針を明らかにした。安全移転の費用捻出は不可能な現状で、別棟を建ててガス事業などを持つ企業局の各部署を移転させる。財政難の折、約8億円と試算される土地取得費を、黒字続きの企業会計に計上する<苦肉の策>を取るためだ。
企業局の純資産は170億円ガス事業は民営化すると、100億円以上での売却が見込まれる「打ち出の小づち」で、市の財政再建策として幾度となく、民営化が検討されてきた。
だが、福島第一原発事故で新エネルギーへの転換が叫ばれる中、「天然ガスも注目されるエネルギーの一つ。今、手放すべきではない」とする声が、市役所内外で上がり始めている。
市財政課の杉江達秀課長は「起死回生の再建策は期待できない。従って、これ以上は無理というところまで、行政のスリム化を続けるしかない」と話す。
(この連載は田畑清二が担当しました)
2012年1月13日(金曜日)讀賣新聞 地域 滋賀
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希薄な「つながり」打開急務
高齢化対策
湖西の高台に位置する大津市日吉台地区。約40年前の<新興住宅地>は、65歳以上の高齢者の比率が31・1%(昨年4月現在)と、市平均(20・3%)を大きく上回る。「ここは高齢化先進地なんです」。住民の一人、呉屋之保さん(71)はそう、断言する。
1600世帯の4000人の住む同地区にマンションはなく、全てが戸建てだ。地域で育った若者は就職で去り、若者の流入も少なく独居の高齢者が増えた。大阪や京都のベッドタウンとして開けたため、住人の男性は特に、隣近所との交流のない人が多いという。
約40年前に転居した呉屋さんもその一人。「高齢化をチャンスに変え、『向こう三軒両隣』以上に住民の触れ合いを広げよう」と、住民同士で知恵を出し合い、「元気な高齢者が、弱った高齢者を助ける」という仕組みづくりを5年前からはじめた。
「日吉台ささえあいの会」は昨夏に発足、地域の元気なお年寄りを「サポータ」として登録し、困った人の要望に応じて紹介する。車椅子を押してもらうサービスを利用し、地域の祭りに参加した上野と志さん(80)は「一人では出来ないことを助けてもらえる。近所の人だから、なおさら心強い」と話す。
だが、市内の同様の住宅街や地域ぐるみの高齢者対策に取り組んでいるのは、ごくわずかだ。
南部や東部で高齢化率が1割前後と低い地域がある一方で、湖西の一部地域では3割を越える。山間部にある葛川地域は、“限界集落”と呼ばれる高齢化率50%を既に越えている。
高齢化対策で、市は高齢者向けの配食サービス(1食450円)を実施。5000〜6000人とされる一人暮らしの65歳以上を対象に、急病や事故の緊急通報サービスを提供しているが、申し込みには「近隣住民の協力」が必要なため、利用は約900人にとどまっている。担当者は「隣近所とのつながりが希薄な今、効果的な対策を取るのは難しい」と頭を悩ませる。
「ささえあいの会」は息長く支援できるようにと、「コミュニティビジネス」の手法を取り入れ、サポートを有料にして内容ごとに料金を設定した。庭の草取り500円。電球の交換100円・・・・・・。“便利屋”のような仕事も依頼できる。
料金の支払い用にと地域通貨を発行し、70歳以上のお年寄り約450人に1000円分を無料配布。地域通貨は受取ったサポーターが近隣のスーパーなどで使えるようにし、最終的に日吉台学区社会福祉協議会で換金される。
会の拠点はなく、若者と高齢者とが集える交流センターも兼ねた事務所が会員の念願だ、と呉屋さんは言う。「どんな地域も、いずれは高齢化に直面する。市は住民も巻き込んで、今よりもっと有効な手立てを考えてもらわないとね」
2012年1月12日(水曜日)讀賣新聞 地域 滋賀
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どうする福井県の原発
目片氏 「継続しつつ、エネルギー移行」
越 氏 「原発の依存度を徐々に減少へ」
東 氏 「脱原発宣言し、速やかに撤退」
任期満了に伴う大津市長選は15日に告示、22日に投開票される。そこで三選を目指す現職の目片信氏(70)=自民、公明推薦=、無所属新人で弁護士の越直美氏(36)=民主、社民。対話の会推薦=、無所属新人で医師の東昌子氏(49)=共産推薦=の三立候補予定者に対し、滋賀報知新聞社では、原発への対応、財政改革などについてアンケート調査を実施した。っこんかいは、原子力防災について紹介する。
【石川政実、高山周治】
本紙は、昨年3・11の東京電力の福島第一原子力発電所の事故を受けて、原発について『脱原発』経済活動に不可欠として『現状維持』、『推進』のいずれを主張するか、原子力防災にどう取り組むか、などを質問した。
目片氏の回答では「現状を継続しながら、安全なエネルギー源に移行すべき」と『現状維持』のニュアンスがどちらかといえば濃い。
目片氏の対極に位置しているのが東氏で、休止中の福井県の原発の再稼動を認めないなど『脱原発』を鮮明にしている。両氏の『中間』と見られるのが越氏で、関西電力労組などへの配慮からか、「原発依存度を徐々に減らす」にとどまっている。
目片氏は「経済活動に影響を与えることなく電力供給が行える発電状況を継続しながら、安全・安定に供給できるエネルギー源に移行していくべきであると思料している。大津市においても原子力災害対策の検討を進める必要があると認識している。現在、市は原子力防災計画を有していないが、県が独自に進めている地域防災計画原子力災害対策偏の修正に合わせて、放射能検査機器(食品モニター)及び放射線測定器の設置や避難所対策の強化を踏まえるなど、地域防災計画原子力災害対策偏の策定を行う」としている。
越氏は「国民が安心して安全に暮らすことができる環境の確保と将来の日本経済成長の両面を踏まえ,原子力発電所への依存度を徐々に減らして、再生可能エネルギーへの転換を目指すべきであると考えている。また、万が一の事態に備えた防災体制については、之までの予防、応急措置、復旧・復興の対策を見直しした上で、国・県・事業者へ申し入れを市長自らが行い、避難体制・防御体制・モニタリング体制の整備、学校におけるガイガーカウンターの整備などに、国、県と連携して取り組んでいく」と県の連携を強調。
東氏は「福井原発から直近で34キロメートルの位置にある大津市として『脱原発』宣言をし、全国に発信する。国と電力事業者に対して、期限を切って原発からの速やかな撤退を求める。原子力防災計画は、大津市では策定されていない。ただちに、原子力防災計画を策定する。原子力防災計画の基本は、休止中の福井県の原発の再稼動を認めず、全原発撤退に向けた取り組みを進めるよう、国と電力事業者に求めていく。同時にそれまでの間、市民の安全を確保する必要な対応を行う」と脱原発を鮮明にしている。
滋賀報知新聞 平成24年1月12日
大津市長選では中心市街地活性化策を聞きたい
編集主幹 石川政実
新春を迎えて、大津市内の市民会館から膳所晴嵐の道まで延長4・8キロに及ぶ「なぎさ公園」を歩いてみた。この公園は、昭和55年に山田耕三郎氏の後を継ぎ無投票で当選して以来、6期にわたり市長を務めた故山田豊三郎氏の「遺産」である。同氏は戦時中に過ごした満州の都市計画に影響を受け、なぎさ公園の整備に並々ならぬ執念を見せた。しかし、その一方で肝心の中心市街地の活性化は成功せずに現在に至っており、長期政権の“功罪”が相半ばした。
そんな同市の市長選に向け、三選を目指す現職の目片信氏(70)、無所属新人で弁護士の越直美氏(36)、無所属新人で医師の東昌子氏(49)の三立候補予定者が、激しい前哨戦を繰り広げている。今回の市長選は、今後の湖国政界の行方を左右するものになりそうだ。
目片氏が底力を発揮し三選を果たせれば、消費税や社会保障の一体改革などを掲げる民主党に、市民が「ノー」をたたきつけた格好になり、時期衆議院選では自民への追い風が一層強まってこよう。
越氏が勝てば、全国の女性市長の中で、兵庫県の稲村和美市長(38)を抜いて、史上最年少市長が誕生することになり、逆風をもろに受けている民主が、なんとか一息つけることに。
民主、自民への批判票を吸収して東氏が勝てば、昭和47年に社会党・共産党の支持と労働組合の支援を受けて、滋賀県初の革新首長として山田耕三郎氏が大津市長選に当選したことに次ぐ快挙となる。
なぎさ公園にたたずんでいると、改めて三氏の豊さんの評価と具体的な中心市街地活性化策を聞きたいとの思いが胸をよぎった。
滋賀報知新聞 社説 平成24年1月12日(木)
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「人口増」と「客足減」の矛盾
「浜大津再開発」「県都の浮沈かけ中核整備」
20年前、大津市長選を報じた読売新聞の記事で、見出しが躍る。地上32階建て(地下2階)、高さ100メートルの商業・住宅型再開発ビルの建設を巡る記事だ。京阪浜大津駅のすぐ西側で、「再開発が進めば、昔のにぎわいが戻る」と期待する商店主の声が紹介されていた。
だが、<にぎわい>は戻らなかった。計画が変わって、ビルに入る予定だった大手百貨店が取りやめ、規模が縮小された。1998年、高さ約60メートルの「明日都浜大津」としてオープンしたものの客足は伸びず、中核テナントして入居した「浜大津オーパ」は、わずか6年後の2004年に撤退した。
浜大津駅からJR大津駅にかけて、市の中核地域の活性化は積年の課題として残されたままだ。
昨年10月、大津駅西地区土地区画整理事業に伴い、新たな再開発ビルの建設が始まった。29階建て、高さ97メートルの大型ビルで、1、2階に商業施設4階以上に住宅が入る。13年11月完成予定で、180戸に約450人が入居することになる。
総事業費58億円のうち、市も約4分の1を補助する「大津駅西地区市街地再開発事業」で、市都市再生課の福井英夫課長は「過剰な期待はできないが、にぎわい復活に弾みをつけたい」と意気込む。
にもかかわらず、かっての人通りを呼び戻せる、と期待を寄せる人は多くない。「店は一応、開けてはいるけれど、主な収入は市役所や学校への配達だ」。この地域で文具店を営む男性(41)はそう、打ち明ける。
周辺で人口は増えているが、来店者は徐々に減っている。市の郊外や草津市などで、大型店の出店があいつだ影響だという。男性は「『昔のように』はもう無理だ。各店舗が、小売店では客が来ないという現実に対応していく必要がある。」と、自分に言い聞かせるように話した。
再開発組合のメンバーとして明日都浜大津のオープンに関わった元旅館業の男性(74)は「駐車場用地が確保できない限り、中心市街地での大規模な商業施設は難しい」と指摘する。大津駅西側の再開発ビルでは、駐車場に住民以外のスペースは7台分しか確保されていない。
市の中心市街地が苦しむ<じり貧>に、終止符が打てるかどうか。市長のかじ取りにかかってくる。
15日告示、22日投開票の大津市長選を前に、市政の課題を3回、報告する。
2012年1月11日(水曜日)讀賣新聞 地域 滋賀
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