ここから本文です
内房タイムス
昭和な原風景を求めて・・・

書庫全体表示

 
イメージ 1
 
 
浦賀水道に面した房総半島の金谷に鋸山がある。
 
海抜330メートル、山全体が凝灰質砂岩と呼ばれる岩で出来ている。
 
嘗てこの山から切り出された石が、金谷石・元名石と呼ばれ、古くは
 
江戸城の改築や皇居の造営等をはじめ、関東各地に出荷されていた。
 
 
イメージ 2
「脱皮の記念碑」
 
元は乾坤山と呼ばれたいた山が、石の切り出しによって出現した岩肌
 
が鋸歯のような景観となり、いつしか鋸山と呼ばれるようになった。
 
1969年の12月、鋸山の頂上近い岩壁に工藤哲巳という前衛美術家が
 
「脱皮の記念碑」なる彫刻を完成させた。工藤氏はフランスの五月革命
 
のときその渦中に身を投じ、帰国後、揺れ動く日本の学生運動の現場
 
で「大きく変化し、飛躍する社会の変動を感得、まさに繭を喰い破っ
 
て飛び立つ蝶を幻想した」という。脱皮の記念碑は、そうした若者達
 
へ寄せたメッセージであった。***************************
 
 
イメージ 3
工藤氏の奥様 少女の日から苦労を共にしたと聞く
 
 
国定公園の鋸山にどうしてこのような彫刻を掘る事が出来たのか?
 
それは大日精化創業者の高橋義博氏が、鋸山のこの地一帯を入手し
 
ていたことによる。氏は美術に深い造詣があり、鋸山の別荘の辺り
 
を「鋸山自然美術館」と呼んで愛した。実は脱皮の記念碑以外にも
 
樋口シン 作「原生」や 中本達也 作「岩の声」の彫刻があり、
 
これらの作品を見上げる形で高橋義博氏の肖像彫刻が小高い丘上に
 
置かれている。それを作った木内克作の裸婦大ブロンズ像とセメン
 
ト像、その間には四季折々の花が咲き、茶室も配されている。****
 
 
 
イメージ 4
樋口シン 「原生」 1960年
高さ32メートル 幅15メートル
「原生」に関する特別な記録はほとんど残されていない。
 
 
 
イメージ 5
中本達也 「岩の声」1972年
   中本氏は、工藤氏がパリへ帰った直後、対抗するように別の岩肌に
   愛を誓い合う男女の巨像「岩の声」を掘った。しかし翌年の1973年
   51歳で急逝した。
 
イメージ 6
イメージ 7
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
岩の声製作中の中本氏 1972年
 
 
 
イメージ 9
 
 
1922年生まれ
大陸出征の経験を持つ中本氏の具象
 
 
1929年生まれ
焼跡で育った樋口の抽象
 
 
1935年生まれ
戦後派の工藤のオブジェ
 
 
三者それぞれの製作の姿勢に、敗戦後急速に進んだ国際化の時代
 
背景が窺える。方法は異なりながら、三つの壁画が共通の迫力を
 
持つモニュメントとなったのは、戦中戦後の人間不信への真剣な
 
問いかけが、三者に共通していたためなのかも知れない・・・・
 
 
 
イメージ 8
鋸山自然美術館庭園を望む 
 
 
     鋸山自然美術館と聞いても、金谷の人には殆ど知られていない。
 
     大日精化(ハイブリッジ)の前社長、高橋義博氏によって鋸山
 
     北側十万坪の傾面につくられた美術庭園は、麓の合掌造りの移築
 
     と合わせ、高橋氏ほど金谷に多くの文化的施設を残してくれた人
 
     はいないであろう。しかし残念なのは、環境保全のため一般公開
 
     はされていない事、これほど素晴らしい芸術作品を近くで見る事
 
     が出来ないのは、実に残念でならない。
 
 
 
 
     注:鋸山自然美術館は現在一般公開されていません。
       管理人のY氏によって、周辺の環境整備が行われています。
       アポ無しで、突然訪問しても見学することは出来ません。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

  • すごいですねえ☆
    絶句。。。

    sionecafe

    2014/4/11(金) 午後 6:43

  • あの鋸山の観光地
    この様立派な観光出来るものが有るのですか
    流石じのさん、、
    此処で皆に見てもらい
    知事さんを動かして
    観光出来るといいですね

    でこちゃん

    2014/4/11(金) 午後 9:44

  • へえ、この削られた岩は江戸城や皇居の一部に使われた由緒ある岩なのですね。なるほど、削られた岩肌が鋸の刃のような見た目から鋸山と呼ばれるようになったのですね。何故鋸山というのか今まで謎でした。自然の中にある素材にアートを施す感覚は夕立ですね!一般公開してほしいけど、それに伴うデメリットを考えると、やはり良識ある本当に見学したい人限定が良いのかもしれませんね。

    [ tsuto ]

    2014/4/12(土) 午後 6:34

  • 顔アイコン

    sioさん
    早速のコメント、ありがとうございます!
    あの岩山の絶壁にこんな巨大なアートがあるなんて・・・
    観光マップにも載っていない、知られざる世界ですねぇ

    [ じのさん ]

    2014/4/14(月) 午前 8:54

  • 顔アイコン

    でこちゃん
    早速のコメントありがとうございます!
    完成当時は、新聞や週刊誌などで報じられて話題となったのですが、
    今は地元でも知る人は少なくなってきました。
    此処を観光地化するには、まず安全面での管理がポイントになるでしょう・・・

    [ じのさん ]

    2014/4/14(月) 午前 9:05

  • 顔アイコン

    tsutoさん
    早速のコメントありがとうございます!
    この巨大なアートがある直下には、鉄道の鋸山トンネルがあります。
    鋸山トンネルは、延長1251.51メートル。
    大正5年に開通しましたが、現在でも県下最長のトンネルです。
    工法も当時最新の手法が用いられ、全国から注目されたそうです。

    [ じのさん ]

    2014/4/14(月) 午前 9:17

じのさん
じのさん
男性 / A型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
友だち(3)
  • 吉
  • hiro
  • おけいはん
友だち一覧
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

よしもとブログランキング

もっと見る
本文はここまでですこのページの先頭へ

[PR]お得情報

数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!
ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
11/30までキャンペーン実施中!

その他のキャンペーン

みんなの更新記事