日々の気持ちを短歌に

数知れぬ星をいだいて働ける母のごとしも宇宙というは(後藤人徳)

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詩集<固有時との対話>全篇  

一九五〇年 吉本隆明著

固有時との対話(4)

<明日わたしはうたふことができるかどうか>

予感されないままに わたしは自らの願ひを規定した


わたしは独りのときすべての形態に静寂をみつけだした

それからすべての形態はその場処に自らを睡らせるやう

に思はれた とりわけ……雲が睡入るさまはわたしをよ

ろこばせた 建築のあひだや運河のうへで雲はその形態

のまま睡入ってしまふやうに思はれた


わたしはその静寂の時をとめた 雲は形態を自らの場処

にとめる すると静寂はわたしの意識をとめてしまふや

うであった 忘却といふものをみんなが過去の方向に考

へてゐるやうにわたしはそれを未来のほうへ考へてゐた

だから未来はすべて空洞のなかに入りこむやうに感じら

れた


(つづく)

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