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その夜、カーペン国内の丘の上で、リリーとお婆ちゃんが腰を下ろしていた。既に夜は寒くなる季節であり、分厚い敷物と毛布を準備していた。そして、二人は一つの毛布に包まり、夜空に上がった月を眺めていた。 「リリー。去年亡くなったお爺ちゃんの事、覚えているかい?」 「リリー、覚えているよ。お爺ちゃん大好きだもん。お爺ちゃんね、リリーにいっぱいお話してくれたんだよ。リリーが泣いたら、よしよしって頭を撫でてくれたんだよ」 「そうだったね。お爺ちゃん、リリーが大好きだったからね」 「うん」 「昔ね、お爺ちゃんがお婆ちゃんがを迎えに来てくれ時も、今夜みたいに綺麗な月の夜だったよ。私が、まだリリーのお父さんやお母さんよりも若い頃の話さ」 「うん」 「この年になっても、ちゃんと覚えているよ」 「・うん・・」 「お爺さんは、普段より一回りもふた周りも逞しく見えてね」 「・・・・・・・うん・・・・」 「でも笑顔がとてもすてきでね」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん・・・」 「お爺さんから話しを聞いた時は驚いたけど、この人を信じてみようと思ったんだよ」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・う・・・・・ん」 「あれ、リリー。寝ねてしまったね」 体に寄りかかりながら頑張ってたリリーだったが、いつも早寝の彼女にとって、睡眠のサイクルに打ち勝つ事は不可能だったようだ。 彼女の寝息が、とても気持ちよく聞こえてきた。 ふと視線を遠くに向けると、丘の下の方から二つの人陰がこちらに向って上がって来るのが見えた。息子夫婦達だと直ぐ分かった。若い者の足だけあって、直ぐに彼らは二人の所まで上がって来た。 「やはり、リリーは寝てしまいましたか」 リリーの父親が、予想していた様に言った。 「そうだね。まだこの子には、夜更かしは無理だったようだね」 「お婆ちゃん、重いでしょう。代わりますよ」 「今動かすと起きるからいいよ。それより、月を御覧なさい。多分、もう直ぐだから」 三つの首が、月を見上げた。 ==================================================================
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