慈遠の創作小説.

創作小説、活動中。 不定期になりますが、Upしていきたいと思います。宜しくお願いします。

全体表示

[ リスト ]

 お姉ちゃんは開けかけたドアをそのままに手で押さえながら振り向いてから言ってくれた。そして、そのお姉ちゃん手には、真っ白で大きな帽子が見えた。雪のように綺麗な白色の帽子だった。命の恩人であるはずのお姉ちゃんの顔を覚えていないのに、その時の帽子だけは何故かはっきり覚えていた。
 聡子は大事をとって一晩入院し、次の日にはお婆ちゃんの家に戻る事が出来た。聡子は死線を彷徨ったと言うのに、何事も無かったようにけろっとして帰ったのに、お婆ちゃんをはじめ多くの大人達が腫れ物に触るようにしてくれたのが、聡子は不思議でならなかった。
 それに従兄弟達全員から、一人ずつごめんなさいと謝られた事を彼女は覚えている。
(お兄ちゃん達のせいじゃないのに)
 みんなこってりとそれぞれの親に怒られたのだと、それから数年して聞いたのだったが、その時聡子は全く分からなかった。
 とにかく、聡子は死なずにすんだ。きっと、究極の緊張感後の開放感印象的だったからか、それから白色の大きな帽子が大好きになった。そうではないかと理由を知っている母は、聡子があの時の事を思い出すのではないかと思っているようで、あまり白色の帽子が好きでは無かったが、父は幸運の印として良いじゃないかと賛成してくれた。
 不思議な事に、その後、聡子は水が怖いという事は無かった。恐怖の幼児体験をしたにも関わらずに。そして、白い帽子好きも変わる事無く今に至るまで続いていた。そして今も彼女の目の前に、それは確かにあった。
 そして、ふと考えた。
(あのあのお姉ちゃん、なんて名前だったのだろう。今頃何処にいるのかな?)

 亜美は飽きる事無く斜向かいに座る女の子を眺め続けていた。彼女はお気に入りらしい白い帽子を両膝の上に置いて眺めていたが、また被りなおしてから周防灘の景色を見始めていた。表情は、やはり何か難しい事を考えている様に、亜美は思った。
 それから、ふと高校生の頃の彼女自身について思い出していた。今でこそかぶる事も無くなっていたが、あの水泳部の練習に明け暮れていた頃、白い帽子が大好きだった事を。
(でも私、どうしてかぶらなくなったのだろう?)










 ⇒次はコチラ
==================================================================
 ランキングに登録しました。
 本小説を気に入って頂いた方、下記の(絵じゃなくて)文字クリックして頂けると嬉しいです! 是非。
https://novel.blogmura.com/img/novel125_41.gif
にほんブログ村 小説ブログへ("ココ"をクリック)

.
Jio_novel
Jio_novel
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事